ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、八木信之介役の妻夫木聡さんから、第77回の振り返りをご紹介!
妻夫木聡さん振り返り

──嵩(北村匠海)と再会を果たした時の八木さんの感情は、どのようなものだったのでしょうか?
素直にうれしかったと思います。久しぶりに会えたことももちろんですが、何より八木は、嵩のピュアな部分が昔と変わっていないことを喜んだのだと思います。
八木からすると、嵩の純粋さというのは非常に魅力的で、羨ましい部分でもあったんですよね。嵩は、一見鈍臭くて周りに迷惑をかけているようで、実は、その周りの人たちをどんどん輝かせることができる人物。世の中をどんどん明るくすることができる才能の持ち主なんです。以前からそれを見抜いていた八木にとっては、嵩の人間味、ピュアな部分が変わっていないことが、うれしかったと思います。戦後の混乱期だからこそ、嵩のような人が必要だと、わかっていたのかもしれません。まあ、あまのじゃくなので表情には出さないんですけどね(笑)。
──八木さんは、闇酒を売って、ガード下の孤児たちにパンを与えていました。子ども達に手を差し伸べる生き方を選んだ理由をどう考えていますか?
八木は、戦争で家族を亡くしているという裏設定があるんです。だから、失ってから気づいたもの──今、目の前にある命の尊さは、特に強く感じているのだと思います。自分が犠牲になることで助けてあげられるものがあるならば、いくらでも自分は犠牲になろう。そんな思いもあるのではないでしょうか。