毎日暑いですね。みなさんいかがお過ごしでしょうか?
水分補給と休息を忘れずにご自愛なさってくださいね。
先日、ギャラクシー賞の授賞式がありました。
ありがたいことに「虎に翼」はテレビ部門の最優秀賞をいただくことができました。
近年の朝ドラで最優秀賞を受賞したのは「カーネーション」や「あまちゃん」だそうです。私の愛する朝ドラと同じ賞をいただくことができて感無量でした。
改めてご覧いただいたみなさんに心からの感謝を申し上げます。
本当にありがとうございました。
どんな形・伝え方になるかは分かりませんが、これから先も差別や蔑視を黙認せず、省かれてきた人達をきちんと描きながらも、間口が広くて、エンターテイメントもりもりの作品を作り続けます。そして、あの場所に戻ってこられるように日々精進していきたい所存です。(皆さん選挙にいきましょう。平等と平和がきちんと守られる社会の為に……)

吉田さん手作り「夏野菜の煮びたし」。
最近は執筆と講演と子育てのバランスがやっと定まってきた気がします。
「虎に翼」が終わって、やっと全ての疲れが抜けて元に戻ったのだと思います。執筆を終えて1年が経とうとしているのに「え、まだ抜けてなかったのか?」とあきれる方もいらっしゃるかもしれません。私自身もつい最近までとっくのとうに疲れなど抜けていると思っていたので非常に驚きました。それを感じたのが、つい最近料理をしていた時でした。夏野菜の煮びたしを作っていた時に心から楽しいという気持ちが湧き出ました。
「あ、この感覚久しぶり」

息子の遠足で作ったお弁当。

旬のとうもろこしご飯。
若い頃、私は料理が非常に好きでした。美味しいものを作る・食べるは仕事のストレス発散でした。それがいつの日かストレス発散はもっぱら後者になっていました。後者だけになることが悪いこととは一切思いません。ただ心から楽しいと思えたことで、自分にとって好きだった料理というパーツを取り戻せた気がしたのです。執筆が忙しくなったり、辛いことが起こったりしたら再び失ってしまうのかもしれませんが、まぁその時は沢山寝て食べて、また取り戻していこうと思います。

知育菓子を楽しく作って食べる息子。
さてそんな今回のグッときた言葉は息子が言った
“「魔法の味がする」”
です。
これは私の手料理を食べた息子が発した言葉……では、残念ながらありません。
息子は知育菓子が大好きです。最近のお気に入りは、粉に水を入れてねるねる練って混ぜて作るあのお菓子。
子供一人でほぼ作ることができて、あのファンシーな色合いにも関わらず保存料や合成着色料は使用されておらず、安心して食べられる素敵なお菓子です。
私も幼い頃、大好きでした。
でもいつの間に食べなくなり、どうしてあんなに大好きだったのかを忘れかけていました。そんな彼が先日、習い事の後におやつを食べていた時に言ったのが「魔法の味」がする、です。
あぁ、そうだ。私も魔法の味が大好きで、あのお菓子に夢中になっていたのだと思いだしたのです。そんな忘れていた気持ちを思い出すことの多い今日この頃でした。

車窓の景色を眺める息子。
ちなみに彼は炭酸強めのメロンソーダを飲んで「雷の味がする」と言っていました。いつまでもこんな可愛い例えをしてほしい。そしてこの瞬間をずっと覚えていたいなと思うのでした。
1987年生まれ、神奈川県出身。脚本家・小説家として活躍。主な執筆作品は、「DASADA」「声春っ!」(日本テレビ系)、「花のち晴れ~花男 Next Season」「Heaven?~ご苦楽レストラン」「君の花になる」(TBS系)、映画『ヒロイン失格』、『センセイ君主』など。NHK「恋せぬふたり」で第40回向田邦子賞を受賞。