新・介護百人一首

呆けても
震えておらぶ
祖母の声
生きる姿を
全身で伝う

熊本県貴田 雄介 35歳)

詞書

九十五歳で亡くなった祖母は身体の大きな人でした。晩年は認知症になり意識がはっきりとしませんでしたが、おらぶ(叫ぶ)姿から哀れさよりも人間が生きるとは何なのかという哲学的な問いを受け取りました。