新・介護百人一首

見えぬ眼が
母の動きを
追っている
気づいた母が
それにうなづく

埼玉県坂本 孝子 81歳)

詞書

交通事故に遭い、植物状態となった弟は、1年間を病院で、3年間を実家で、母の看護で命を継いでいました。開いていても見えない眼。話すこともできず、母が呼びかけるときだけピクッとしたそうです。親子の情愛でしょうか。37歳の短い命でした。