2027年春より放送予定の、第116作目の連続テレビ小説の発表会見が行われ、タイトルは「巡(まわ)るスワン」に決定したことが発表された。

オリジナル脚本を書くのは「ブラッシュアップライフ」(日テレ系)などの話題作を手がけた、バカリズム。主演は、連続テレビ小説「おかえりモネ」「虎に翼」や夜ドラ「いつか、無重力の宙で」などに出演し、確かな演技力で注目の森田望智が務める。

舞台は長野県の佐和市(諏訪市など諏訪湖周辺をイメージした架空の町)。
森田演じる主人公は、刑事に憧れ警察官になった女性警察官。しかし、配属されたのは“生活安全課”だった。「事件が起こらないこと」が使命とされる部署で、防犯のため自作の演劇を披露したり、市民からの相談に乗ったり、「あれ、思っていたのとなんか違う」と、地味な仕事に不満を感じる日々。
何かを成し遂げた人でもなく、夢にがむしゃらに突き進む訳でもない。
仕事はちゃんとするけど、休日には友人と愚痴をこぼす。
どこにでもある日常を過ごす主人公が“何も起こらない日常を守る”という道を見つけるまでのヒューマンコメディーだ。

バカリズムと森田から寄せられたコメントを紹介する。


作 バカリズム

【バカリズムさんのコメント】

今回は警察署が舞台なのですが、よくドラマの題材にされている刑事課などではなくて、生活安全課という部署です。

生活安全課というのは、いままでほとんどドラマの題材になったことがないらしく、なぜかと聞くと警察署の中で唯一、事件を未然に防ぐ部署なのでドラマになるような事件が起こりづらい、起こらないことが成果だからということで、僕はそこに魅力を感じて、生活安全課を舞台にドラマを書かせていただくことになりました。

正直まだ書き始めていないので、どうなるか分からないですけれども、締め切り厳守で頑張っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【プロフィール】
福岡県出身。芸人として数々のテレビ番組で活躍するなか、2014年「てきな選TAXI」で連続ドラマの脚本を初めて執筆。以降、ドラマや映画の脚本で多くの話題作を生み出す。日常の1コマを切り取ったような自然な会話劇と、本音と建て前が見え隠れする登場人物の姿が笑いと共感を生み、同時に巧妙に組み立てられた構成が多くの視聴者を魅了している。「架空OL日記」で向田邦子賞、「ブラッシュアップライフ」で東京ドラマアウォード脚本賞や橋田賞、「ホットスポット」で放送文化基金賞脚本賞、など受賞多数。NHKのドラマは初めての執筆。

<これまでの主な執筆作>
ドラマ「素敵な選TAXI」「住住」「架空OL日記」「殺意の道程」「ブラッシュアップライフ」「侵入者たちの晩餐ばんさん」「ホットスポット」、映画『地獄の花園』『ウェディング・ハイ』『ベートーヴェン捏造ねつぞう』ほか多数。


主演 森田望智

【森田望智さんのコメント】

朝ドラという大きな歴史の中のバトンの1つをお預かりさせていただくことをすごく光栄に思っております。
主演を務めることについて、本当にびっくりな気持ちで。最初驚きました。

作品については、日常にすごく溶け込むような朝ドラになるのではないかなと思っています。
当たり前の日常を毎日それとなく頑張っていて、すごく共感性のある主人公だな、私に近いかもしれないなと思いました。

朝起きて歯磨きをして朝ドラを見て、服を着て、そういうルーチンがあるなかで、当たり前にあるけれどなくてはならない、そんな朝ドラになればいいなと思っております。
精一杯せいいっぱい頑張りますのでよろしくお願いいたします。

【プロフィール】

もりた・みさと

神奈川県出身。2019年、Netflix「全裸監督」で一躍脚光を浴び、連続テレビ小説「おかえりモネ」、ドラマ「妻、小学生になる。」「バイバイ、マイフレンド」、映画『さがす』など数々のドラマや映画に出演。近年、連続テレビ小説「虎に翼」では主人公の女学校の同級生で後に義姉となる米谷花江、Netflix『シティーハンター』ではヒロイン・槇村香、夜ドラ「いつか、無重力のそらで」では主人公の親友・日比野ひかりを演じた。作品によって異なるイメージを作り上げる注目の俳優。

<役柄>
元々、「将来は地元で公務員になりたい」くらいの気持ちだったが、大学生の頃たまたま再放送されていた刑事ドラマを見て「自分も犯人を逮捕してみたい」と思い、警察官を志す。現在は、長野県警佐和警察署の生活安全課に勤める巡査長。
社会人としてごく普通の常識と倫理観を持ち業務をこなし、休日には地元の友人とランチや買い物に行き、たまに愚痴をこぼしたりしながらストレスを発散する、どこにでもいそうな20代後半の女性。


【物語】
長野県佐和市で生まれ育った主人公は、警察学校を卒業後、交番で経験を積み、現在は故郷の長野県警佐和署生活安全課で警察官として働いている。生活安全課の使命は、市民からの相談対応を通じ、事件を未然に防ぐこと。扱うのは、悪徳商法、不法投棄、行方不明者、少年非行、DVやストーカー、風俗営業の許認可、防犯啓発活動など多岐にわたる。

刑事に憧れて警察官となったが、犯人を逮捕したことはなく防犯イベントで犯人役として逮捕されてばかり。新聞もテレビも取り上げない地味な仕事に不満は感じつつも、佐和署生活安全課の個性的な上司や先輩、後輩たちと真面目に業務に取り組んでいる。

休日になると、高校の同級生とカフェや旅行に行ったり、自宅でたこ焼きパーティーを開いたりと普通のOLと変わらない時間を過ごしている。このひとときが大切なストレス発散の時間だ。しかし、友人の車の助手席に座っていると、パトカーでの癖が出てしまいつい安全確認をしたり、バックの誘導をしそうになったりすることもある。

そんな日々を重ねながら、異動で警察署が変わっても生活安全課の警察官としての経験を積み、やがて地域に信頼される存在となっていく。年月を経て佐和署の生活安全課長となった主人公は、佐和湖に浮かぶ白鳥号を見つめながら思う——「今日も何も起こらなかったな」
※佐和市は、長野県諏訪市など諏訪湖周辺をイメージした架空の町です。


【制作統括・桑野智宏プロデューサーのコメント】

「あー、おもしろかった」「来週が楽しみだね」
とあるドラマを見たあと、私の家族の口から出てきた言葉です。そう言ったあとそれぞれが家事や宿題に向かう姿は、ドラマを見る前より元気になっているように見えました。

そのドラマこそ、バカリズムさん脚本の「ブラッシュアップライフ」でした。いつか連続テレビ小説を制作するときには、朝からそんな言葉が出てくるドラマを作りたいと思い続けてきたので、今回バカリズムさんに脚本を引き受けて頂けて心からうれしく思っています。

主演の森田望智さんは、ドラマや映画で個性の強い役を数多く演じられています。一方で、ご一緒した連続テレビ小説「おかえりモネ」では、どの職場にもいそうな先輩を自然体で魅力的に演じてくださり、改めて役の幅の広さを感じました。森田さんが演じる役はどれも似た印象がありません。そんな森田さんがバカリズムさんの世界でどう演じて頂けるか楽しみでわくわくしています。

「あー、おもしろかった」「明日が楽しみだね」
「巡るスワン」がそう言っていただけるドラマになるよう、キャスト・スタッフみんなで頑張ります。
2027年春を楽しみにお待ちください!


2027年度前期 連続テレビ小説「まわるスワン」

2027年春 放送予定
毎週月曜~土曜 総合 午前8:00~8:15ほか
NHK ONEでの配信予定あり(ステラnetを離れます)

作:バカリズム
制作統括:桑野智宏
プロデューサー:舩田遼介
演出:吉田照幸 ほか