放送がスタートした連続テレビ小説「ブラッサム」。明治、大正、昭和を駆け抜け、自由を求め続けた作家・宇野千代をモデルに、彼女の生きざまを大胆に再構成した、フィクションとして描くオリジナルの物語です。
珠(石橋静河)の父、葉野清治役の渡部篤郎さんのコメントをご紹介します。
葉野清治/渡部篤郎
岩国でも有数の蔵元「葉野酒造」の長男にもかかわらず、実家を継がずに暮らしている。娘の珠をはじめ、家族へのしつけに厳しい。
【渡部篤郎さんのコメント】

――演じられる葉野清治はどんな役ですか?
作品をご覧になった方が清治をどういう人物だと受け止めてくださるかが大事だと思っています。いろいろな捉え方や自由に感じられるのがドラマや映画の良さなので、最後までひどい父親だと思われても構いません。そのくらいの覚悟で臨みました。ただ、私から見ると清治は魅力のある人物です。嫌なやつなのかそうでないのか、興味を抱かせる存在だと思います。珠やリョウ(国仲涼子)、周囲に対して厳しいことも言いますが、人を守ろうとする気持ちは強いのではないかと思っていて、そこは意識して演じました。人は一人の中に欠点と人を思う気持ちの両方を持っていて、現代では受け入れがたい言動もありますが、それでも自分の生き方を貫きながら苦しみ、幸せを見つけていく人物だと思っています。

――珠役の石橋さんをはじめ、葉野家の印象・エピソードを教えてください。
珠役の石橋静河さんは、役柄の感情とご自身の感情のバランスが非常に上手だと思いました。お芝居のテクニックや経験をしっかりお持ちであることに加え、ご本人の感情や感覚が珠という役にとても近いように感じました。
リョウ役の国仲涼子さんは、役への挑み方がとてもすばらしい方です。過去に朝ドラのヒロインを経験され「いずれは母親役を」という思いを持っていらして、その部分の強さを感じました。「思い」は、お芝居において技術以上に伝わるものがあると思います。リョウさんは、立っているだけでも、黙っていても、ひとつひとつのたたずまいがとてもすてきでした。

――珠や家族と清治の距離感の変化は、どう感じながら演じられていたのでしょうか?
脚本にあえて書かれていないト書や、すべてを書き込むことができない部分は、俳優がつくっていくものだと思っています。脚本を読みながら、「この場面ではこれくらいの距離感かな」と、自分の中で組み立てて演じていました。これは「ブラッサム」に限らず、自分のやり方でもあります。俳優の仕事は感情や言葉だけで成り立つものではなく、カメラマンや美術、小道具など、いろいろなスタッフと一緒に、緻密な計算で作り上げていくものなのではないかと思います。
――「ブラッサム」の見どころや視聴者の皆さんへのメッセージをお願いします。
無謀なことを言う父親と、それを受け入れている家族ではありますが、一人ひとりが深い愛情を持っているように感じています。決してそれを強く押し出しているわけではありませんが、視聴者の皆さんに感じ取っていただける部分なのではないかと思います。
清治から娘や息子たちへの思い、そしてリョウさんから珠や清治への思いなど、葉野家それぞれの思いを感じとっていただけたらうれしいです。そして、この作品が少しでもご覧になる方の生きる力になれたらと願っています。
2026年度後期 連続テレビ小説「ブラッサム」
毎週月曜~土曜 総合 午前8:00~8:15ほか
【物語のあらすじ】
明治30年(1897年)、主人公・葉野珠(石橋静河)は山口県の岩国に生まれました。実母は珠が2歳の時に亡くなり、父(渡部篤郎)と後妻である継母(国仲涼子)によって育てられました。女学校を卒業後、代用教員として働き始めますが解雇され、故郷の岩国を追われることになります。親戚を頼って上京したことで、珠は幼き日の夢を強く意識し、小説の懸賞応募から、作家の道を切り開きます。
しかし、世の中は価値観が大きく揺れ動く時代。
大正から昭和にかけて、関東大震災と戦争、結婚と離婚、倒産そして借金……と、珠は、さまざまな困難にのみ込まれながらも、作家として生きることに向き合います。そうした中で、小説家として花を咲かせるのです。
時には敵を作り誤解され、傷つけ傷つきながらも、自由を求めて生きることに正直であり続けた珠は、小説に思いを忍ばせることで、読む人に「幸せ」を運んでいくのです。
※実在の人物をモチーフとしますが、大胆に再構成します。登場人物名や団体名などは一部改称して、フィクションとして描きます。原作はありません。
作:櫻井剛、小松與志子
音楽:fox capture plan
主題歌:「咲き誇れ」YOASOBI
語り:三條雅幸アナウンサー(NHK大阪放送局)
出演:石橋静河、加賀まりこ、松たか子、国仲涼子、渡部篤郎/染谷将太/井浦新、遠藤憲一/尾野真千子 ほか
制作統括:村山峻平、櫻井壮一
プロデューサー:大野陽平
演出:盆子原誠、中泉慧、佐藤玲衣、田中陽児、小林直毅、野田雄介
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