
※「MUSIC GIFT 2025 ~あなたに贈ろう 希望の歌~」記事はこちら
「自分の歌が、子どもたちによって合唱されるなんて――まったく想像していなかった現在
地、一番驚いているのは僕自身です」。長崎出身のシンガーソングライター・福山雅治さんがそう語る楽曲「クスノキ」。2014年に発表されたこの歌が今年、被爆80年の節目にあたる長崎の平和祈念式典で合唱される。原爆で焼かれ、枯れ木同然になりながらも朽ち果てることなく、奇跡的にいまも生き続けている山王神社の“被爆クスノキ”。その姿に心を重ね、福山さんが生み出したこの歌は、「平和の歌」として静かに広がり、今では市民のあいだで歌い継がれ、学校でも歌われるようになった。
番組では、福山さんがこの曲を生み出すまでに歩んできた“デビューからの葛藤”や“歌の完
成”までの道のりをロングインタビュー。デビュー当初、自身のルーツである長崎を歌った楽曲はほとんど届かず、「自分にはまだ表現の力も経験もなかった」と話す福山さん。けれど、その“できなかった”悔しさと向き合い続け、時間をかけて磨きあげた言葉とメロディーが、今、子どもたちの声と重なり新たな広がりを見せていく。

“我が魂はこの土に根差し”と、歌詞の主語を“人間”ではなく“樹木”に置いたことで、一気に曲を書きあげることができたとふりかえる楽曲の誕生秘話も。番組では、自身のルーツである長崎で育まれた平和への思いと家族との記憶、さらにはNHKの番組で世界の大自然と向き合った経験まで――「クスノキ」に至る軌跡を、丹念にたどっていく。そしていま、「音楽は、樹木よりも長く生きるかもしれない」という気づきとともに、自身の歌を“みんなの歌”として未来へ託す福山さんの姿をじっくりと見つめていきます。
【福山雅治さんのコメントインタビュー抜粋】
――個人的な体験と“クスノキ”との出会い
「高校生のころ、父が原爆病院に入院していて、帰り道にふらっとクスノキの前に立ち寄っていたんです。自分の無力感でいっぱいだったけれど、この木は、ずっとそこにいて、500年いろんなものを見てきたんだなって。何か、包まれているような気がしたんです。」
――“みんなのうた”になった今
「“僕の歌が、あなたの歌になって、みんなの歌になった”。2025年の今年、それを実感しました。自分の手を離れて、次のフェーズに入ったんだなと。」
【プロフィール】
ふくやま・まさはる
1969年2月6日生まれ。長崎県出身。
1990年、「追憶の雨の中」でシンガーソングライターとしてデビュー。以降音楽活動、俳優、写真家、ラジオパーソナリティーなど幅広い分野で活躍。男性ソロアーティスト「シングル・アルバム総売上枚数」歴代1位記録を更新中
近年では社会課題に対しての取り組みも積極的に行っており、長崎の被爆樹木の存在を伝え、命の逞しさ、平和への願いを次世代へとつないでいく「長崎クスノキプロジェクト」の総合プロデューサーを務める。
クローズアップ現代
福山雅治ロングインタビュー「“我が魂は奪われはしない”福山雅治響き合う歌と平和(仮)」
7月30日(水)総合 午後7:30~7:57
※NHKプラスにて8月6日(水)まで見逃し配信あり。
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