2026年1月6日(火)から放送開始のドラマ10「テミスの不確かな法廷」は、発達障害を隠しながらも裁判官の職務に向き合う特例判事補と、裁判所職員、検事、弁護士らがぶつかり合い、“普通”や“正義”とは何かを問いかける、感動の物語だ。

今回、松山ケンイチが演じる主人公・安堂を取り巻く登場人物が発表された。
繊細なテーマに向き合う出演者からのコメントを紹介する。


⼩野おのざき乃亜のあ役/鳴海唯

ある事件をきっかけに、東京の大手法律事務所を辞めて前橋にやってきた弁護士。刑事事件において、起訴有罪率99.9%を誇る検察に弁護士の勝ち⽬はないが、安堂の特性をうまく利⽤すれば突破口が開けるかもしれないと彼に近づく。しかし、安堂と向き合ううちに、彼の抱える苦悩や孤独に触れ、いつしか自身も思わぬ影響を受けていく。

【鳴海唯さんのコメント】

本作品はリーガルサスペンスでありながら、人の性質が繊細にそしてユニークに描かれている新しいヒューマンドラマだと感じました。小野崎乃亜は、多くの人は救えなくても自身が出会った人の人生は救いたいという、強い正義感を持った人物だと思います。その正義感と現実の狭間はざまで揺れ動き、心が何度も折れそうになる。そんな瞬間は私自身も経験があり、役との親和性を感じました。そんな中で、特性を持ちながら真実を追求し続けている安堂に出会い、法律家として、人として、ゆるやかに成長し変化していく、その温かい人間模様に注目していただきたいです。


落合おちあい知佳ちか役/恒松祐里

任官3年目にして早くも将来を嘱望されるエリート判事補・落合。冷静かつ理論的な思考を身上とし、感情を排した判断こそ裁判官のあるべき姿だと信じている。
慣例にとらわれない安堂の言動に戸惑い、キャリアのために距離を置こうとするものの、次第に合理的な考えだけでは割り切れない“何か”が、彼女の中に芽生えていく。

【恒松祐里さんのコメント】

裁判官の落合知佳を演じます。恒松祐里です。
感情に流されず、規則通りに仕事をする落合は、この地裁のある意味ツッコミ役的な存在です。
いつも正論を言っている落合ですが、人間社会は色々な人の想いが絡まり合いながら成り立っています。その想いに耳を傾けられるようになるのか……。
まだまだ成長途中の彼女を見守っていただきながら、ご視聴いただければと思います。


古川ふるかわしん役/山崎樹範

事故を起こして亡くなった父の“汚名”を晴らしてくれた検察官に憧れ、その背中を追って検察の道へ。自らが起訴した被告人については、求刑が実現するよう緻密に証拠を固め、追い詰めていく実直な検察官。安堂の予測不能な言動や、それに便乗する小野崎にペースを乱されながらも、頼まれごとがあると断れないお人よしな側面を持つ。

【山崎樹範さんのコメント】

検察官は証拠を元に起訴・不起訴、求刑を決めます。検察官にしか出来ない仕事です。人の人生を左右する重責と日々向き合う関係者の皆様に心から敬意を表します。正義をつかさどる女神テミスは右手に剣、左手にはかりを持っています。正直に言えば私は演じていて恐怖を感じます。私の正義の剣がどれだけ人を傷付けるのか? 秤に載った重りは人の人生を背負うだけの覚悟があるものなのか? 人の外側は見えても内側は全く見えません。私は自分の後頭部を肉眼で見た事がありません。
自分自身の事ですらよく分かっていないのです。この恐怖と戦いながら誠実に古川真司を演じたいと思います。


むらあや役/市川実日子

前橋地方裁判所第一支部の執行官。確定した判決や命令に従わない相手に対し、財産の差し押さえや家屋の明け渡しなどを確実に執行させる役割を担うため、「取り立て屋」と揶揄やゆ されることもある。執行ごとに手数料収入が発生する独自の給与制度から、正義感よりも現実的な損得勘定で動く一面も。赴任してきた“変わり者”安堂のうわさを聞きつけ接触を図るが、敵か味方か、その真意は謎に包まれている。

【市川実日子さんのコメント】

津村は、女性では極僅かしかいない執行官です。監督からは、法廷の中と外を行き来する存在で、理想だけで世界は変わらない事を、身をもって理解している人物だというお話がありました。撮影中、まっすぐで大きい子犬のような松山さんを見ていたら、この脚本には、たくさんのテーマが潜んでいるのではないかと思うようになりました。どんな作品になるのか……楽しみにして頂けたら、うれしいです。


やまかおる役/和久井映見

精神科医。安堂が13歳の時に出会い、彼の発達障害を診断して以来、ずっと経過を見守り、相談に乗り続けてきた、安堂が唯一心を許せる存在。一方で、かつて自身が担当した精神鑑定の結果によってもたらされた悲劇を今も胸に抱えている。
安堂への寄り添いと自身の葛藤――温かさと影の両面を持つ人物。

【和久井映見さんのコメント】

台本を読み進めながら、松山ケンイチさんの演じられる清春君の、考え、思い、言葉に、とても引き込まれました。そして、登場人物それぞれの考え、思いや言葉。清春君がその人達との関わりや人生の中で、どんなふうに歩みを進めていくのか……。切なくもあり、あたたかくもあり……。どうぞ最後まで、ぜひご覧ください。


門倉かどくらしげる役/遠藤憲一

前橋地方裁判所第一支部の部長判事であり、安堂の上司。かつては「伝説の反逆児」と呼ばれ、反骨精神にあふれる裁判官として知られていた。定年まであと2年、平穏な日々を願っていたが、安堂が赴任にしてきたことによって、胸の奥でひそやかに眠っていた感覚が揺り動かされる。

【遠藤憲一さんのコメント】

クランクインする前、初めて裁判を傍聴した。窃盗事件や麻薬関連の裁判などいくつか見学したが、裁判長は被告に親身に語りかけたり、反省させるべく強く戒めたり、何とか更生に向かわせようとしていた。
裁判とはもっと無機質なものかと思っていたが、法廷は人間くさい場だった。今回のドラマ「テミスの不確かな法廷」は、このような現実の裁判に則しながら、エンターテイメント性を加え、さらに主人公は発達障害を抱えた裁判官だ。主演の松山ケンイチ君はこの難役を見事に演じきっている。
とにかく見応え充分な作品になるだろう。


キービジュアルデザイン/古谷萌

【プロフィール】

ふるや・もえ

多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。
2017年「Study and Design」設立。グラフィックデザインを基軸に、プロジェクトの原動力となるデザインの開発を得意とする。クライアントワークと並行して、自身のプロジェクト「vermilion」を中心に、社会への新しいアプローチを試みる。

【古谷萌さんのコメント】

「僕は宇宙人。」他の人たちとは異なる世界の見方をする主人公の姿を見て、重力の方向すら違うような感覚ではないかと空想しました。ずれた世界に生きづらさを感じながらも、独自のこだわりや想像力で接点を見出し、時に微笑ほほえむ安堂清春を、スチールに焼き付けました。


音楽/jizue

【プロフィール】

じずー

2006年に結成した京都を中心に活動するインストゥルメンタルバンド。ロックや、ハードコアに影響を受けた魂を揺さぶるような力強さ、ジャズの持つスウィング感、叙情的な旋律が絶妙なバランスで混ざり合ったサウンドで、海外にも進出。2023年「下剋上球児」、2024年「9ボーダー」など話題作の劇伴音楽も担当し、圧倒的な演奏力で高い評価を得ている。本作は「宙わたる教室」制作スタッフとの2度目のプロジェクト。

【jizueのコメント】

昨年「宙わたる教室」でこのチームの皆様とご一緒させていただき、打ち合わせの際、これほど熱意のある方達の作るドラマは間違いなく素晴すばらしい作品になるんだろうなと感じた事を覚えています。
実際「宙わたる教室」がどれだけ素晴らしい作品だったかは言うまでなく、またこうして尊敬するチームの作品に携われる事を心から光栄に思いますし、ドラマと一緒に僕達の音楽も楽しんでいただければ幸いです。


ドラマ10「テミスの不確かな法廷」(全8回)

2026年1月6日(火)放送スタート
毎週火曜 総合 午後10:00〜10:45
毎週金曜 総合 午前0:35〜1:20 ※木曜深夜(再放送)

NHK ONEでの同時・見逃し配信予定(ステラnetを離れます)

【あらすじ】
任官7年目の裁判官・安堂清春(松山ケンイチ)。東京から前橋地方裁判所第一支部へと異動してきた彼は、一見、穏やかな裁判官に見える。だが、その内側には絶対に打ち明けられない秘密が……。
幼い頃、衝動性や落ち着きのなさからASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)と診断された安堂。以来、彼は自らの特性を隠し、“普通”を装って生きてきた。それでも、ふとした言動が前橋地裁第一支部の面々を戸惑わせ、法廷内外で混乱を巻き起こしてしまう。
そんな安堂の元に、複雑な人間模様が絡み合う、難解な事件が舞い込んでくる。市長を襲った青年。親友をこん睡状態に追い込んだ高校生。そして「父は法律に殺された」と訴える娘――。
やがて、安堂の特性からくる“こだわり”が、誰も気づかなかった事件の矛盾をあぶり出す。しかし同時に、彼は自身の衝動とも格闘しながら公判に挑まなければならない。
果たして安堂は、公正に事件を裁き、真実へとたどり着くことができるのか!?

原作:直島翔『テミスの不確かな法廷』
脚本:浜田秀哉
音楽:jizue
出演:松山ケンイチ 鳴海唯、恒松祐里、山崎樹範/市川実日子/和久井映見、遠藤憲一 ほか
演出:吉川久岳(ランプ)、山下和徳、相良健一、富澤昭文
制作統括:橋立聖史(ランプ)、神林伸太郎(NHKエンタープライズ)、渡辺悟(NHK)

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