現在放送中の、連続テレビ小説「ばけばけ」。松江の没落士族の娘・小泉セツと、外国人の夫・ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに紡ぐ“夫婦の物語”です。
ラン役の蓮佛美沙子さんから、ドラマについての感想や、役についての思いを語ったメッセージが届きました。
ラン役 蓮佛美沙子

ヘブンの同僚英語教師・ロバート(ジョー・トレメイン)の妻。
外国人の日本人妻として、トキ(髙石あかり)の手本となり、なんでも相談できるよき友人となっていく。
【蓮佛美沙子さんのコメント】
――出演が決まったときの気持ちを教えてください。
「ばけばけ」には昨年の夜ドラ「バニラな毎日」でお世話になったスタッフさんも多く関わっているので、オンエア前から楽しみにしていました。放送が始まってからも、純粋に視聴者として作品を大好きになっていたので、まさか呼んでいただけるとは! スタッフの皆さんとこんなに早く再会できたのもうれしかったですし、作品も大好きなので、ファンが現場見学に行くような気持ちでした(笑)
実際に出演することになり、文字だけで役柄の体温や鼓動を感じられるようなふじきさんの脚本に改めて感動しました。ただそこに生活があり、人の温もりとそれぞれが抱えている思いがあって……という原始的な営みの豊かさが本当に愛おしく描かれていて、脚本を読んでとても幸せな気持ちになりました。

――演じられるランはどのような役柄でしょうか?
カラッと明るくてユーモアもあり、英語も話すことができる、とても聡明な人です。でも心の奥底では、いつ夫がアメリカに帰ってしまうのかと、覚悟しつつも不安を感じている、健気な女性だと感じました。
クランクインする前までは、トキが憧れるような雰囲気が出せるか少し不安だったのですが、衣装や美術がとにかくすてきで、支度をしてセットに足を踏み入れた瞬間に「大丈夫だ」と思えました。そういった環境にたくさん助けられて、堂々とお芝居できた気がしています。
英語で演じるうえで一番難しいのは、相手のセリフをどう聞くか、な気がしています。ロバートにセリフを畳みかけられるシーンなどは、本番までに相手のセリフを必死に耳になじませて、本番ではその瞬間を生きるために全部忘れて、という作業をする必要があり、それがとても大変でした。

――現場の雰囲気はいかがですか?
BK(大阪放送局)の朝ドラは久しぶりですが、BK特有のホーム感のある空気は変わっていませんでした。また今回、出演者やスタッフの皆さんがリラックスして過ごされている様子が特に印象的で、私もとても居心地よく過ごせました。
あかりちゃんは、本当に自然体で、かわいい!! 常に気負わずそこにいる感じがとてもすてきでした。トミーさんとジョーさんとは実は同い年で、いろいろとお話できました。ある時にトミーさんがジョーさんに「日本では下手な役者のことを大根役者って言うんだよ」と教えていて、私もそれに混ざって「英語ではhamって言うんだよ」と教えてもらいました。お2人ともチャーミングでとてもすてきな方でした。
――撮影で印象的だったシーンを教えてください。
第109回(3月5日放送)の、「旦那の生きたい道を、選んでほしいと思います」とヘブンさんに伝えるシーンが印象的です。心の中では「アメリカに帰ってほしくない」と思っていますが、相手を思って、また明治の女性として“そうあるべき”と信じて、真逆のことを伝える。そこから本心をどれだけのぞかせるか、もしくは隠すのか、そのさじ加減が本当に難しかったです。
トキとは違い、ランは自分と同じ外国人と結婚した日本人妻の行く末をたくさん見てきました。「みんな最後は旦那が一人で母国に帰る」「だから籍も入れてない、帰るなら別れる」と言えるランだけど、ずっと心は「いやだ」と叫んでいて、いつ自分の夫が帰国するか心の底ではおびえていたのだろうと思います。
――視聴者の方へのメッセージをお願いします。
「ばけばけ」は、生きていくというシンプルな行為そのものの美しさや豊かさを丁寧に、そして心地よいユーモアを持って創られている作品だなと思います。物理的に贅沢すぎる今の時代に、そぎ落とされた精神的な富を、トキたちの生活をとおしてそっと手渡してくれる。その愛情深さやユーモアのバランスが本当に大好きです。
後半にさしかかった「ばけばけ」を、私も一視聴者としてとても楽しみにしています。
【物語のあらすじ】
この世はうらめしい。けど、すばらしい。
明治時代の松江。松野トキは、怪談話が好きな、ちょっと変わった女の子です。
松野家は上級士族の家系ですが、武士の時代が終わり、父が事業に乗り出すものの失敗。とても貧しい暮らしをすることになってしまいます。
世の中が目まぐるしく変わっていく中で、トキは時代に取り残されてしまった人々に囲まれて育ち、この生きにくい世の中をうらめしく思って過ごします。
極貧の生活が続き、どうしようもなくなったトキのもとに、ある仕事の話が舞い込んできます。
松江に新しくやってきた外国人英語教師の家の住み込み女中の仕事です。外国人が珍しい時
代、世間からの偏見を受けることも覚悟の上で、トキは女中になることを決意します。その外国
人教師はギリシャ出身のアイルランド人。
小さい頃に両親から見放されて育ち、親戚をたらい回しにされたあげく、アメリカに追いやられ、居場所を探し続けて日本に流れ着いたのでした。
トキは、初めは言葉が通じない苦労や文化の違いにも悩まされます。ところが、お互いの境
遇が似ている事に気が付き、だんだんと心が通じるようになっていきます。しかも、二人と
も怪談話が好きだったのです!
へんてこな人々に囲まれ、へんてこな二人が夜な夜な怪談話を語り合う、へんてこな暮らし
が始まります――。
2025年度後期 連続テレビ小説「ばけばけ」
毎週月曜~土曜 総合 午前8:00~8:15ほか ※土曜は一週間の振り返り
作:ふじきみつ彦
音楽:牛尾憲輔
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
出演:髙石あかり、トミー・バストウ/吉沢亮 ほか
制作統括:橋爪國臣
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、田中陽児、川野秀昭
演出:村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史、小林直毅、小島東洋
公式Xアカウント:@asadora_bk_nhk
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