ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、徳川家康役の松下洸平さんから!
松下洸平さんの第13回振り返り
――藤吉郎(池松壮亮)に「立派になられたな」と言っていた家康ですが、実は藤吉郎のことを全く覚えていませんでした。
石川数正(迫田孝也)に「あれ、誰?」と聞くところですよね? 藤吉郎は家康のことをすごく尊敬していて、久々の再会でわざわざ話をしに来てくれたのに、家康ときたら……。台本を読んだときから「最高だなぁ」と思っていました(笑)。家康が真面目にそう聞いているのか、そうじゃないのか。要検討だと思って、撮影前から、どういう喋り方にしようか悩んでいました。なかなか答えが出なくて、いろいろ考えた結果、僕が考える家康らしさを前面に出すようなイメージで、演じてみたのですが、いかがだったでしょうか?
――今後は家康も参戦する戦のシーンが描かれていくことになります。そこに向けては、どんなふうに気持ちを作っていこうと考えていますか?
いろいろな戦に関して、家康としては思うところがあるんですよ。戦の中心にいるのは嫌だけれど、かといって端に追いやられるのも嫌だ、というような複雑な心境が……。今は、ちょうど狭間にいるような感じですが、今後、家康なりのギラギラした部分が少しずつ出てくると思います。信長(小栗旬)のように、常に血の気がガッと立っているようなタイプではないかもしれないですけれど。でも回を追うごとに出てくるんじゃないかなと思っているので、そこは楽しみですね。自分としても、どんな引き出しが開くんだろう? と。
――家康と小一郎(仲野太賀)は、平和を望んでいたり、思慮深く考えたり、似ている部分が多いんじゃないかと思われるのですが、演じられて、小一郎に共感する部分などはありますか?
実際、まだ小一郎と一緒のシーンがたくさんあるわけではないので、「似た者同士だよな、俺らは」というような感情が重なる瞬間は今のところなくて、むしろ引いて見ている状況です。ただ、これから先、共鳴する部分は出てくるんじゃないかなと思います。史実として、本当にそうだったのかどうかはわかりませんが、家康と小一郎は親交が深かったという説もありますので、今後どう描かれていくのか、とても楽しみですね。また、もしも小一郎が長生きをしていたら、家康を脅かすような存在になり得たかもしれないとも思います。
僕は太賀くんと一緒にお芝居するのがすごく好きなので、お互いに作品の中で歳をとって、いろんな戦禍をくぐり抜けたふたりが、一体何を話すのかと考えると、僕自身も非常にワクワクしています。
――家康は今どこに向かって走っている感じなのでしょうか?
今は基本的に「駒扱い」されてしまうことに対する鬱憤がずっとあって。そこをなんとか打破したい、どうすればいいのか? という思いが、頭の中でずっとぐるぐるしている感じですね。とはいえ、ゆっくり考えている暇はないんです。戦が終われば、すぐに次の戦が始まって、その戦が終われば、また次の戦が始まるので、自分がどこにいれば安全かということを常に意識していなくてはならない。でも「このままじゃいかん」という思いもありますし、今はちょっと八方塞がりなところがあると思います。ここから、どう変えていくのか……。
もちろん、歴史書を見れば、家康の今後はわかります。けれども、脚本家の八津(弘幸)さんはそのようには書かない。史実どおりに進んでいるのですが、そこで生まれる感情は歴史書には描かれていないので、そこが毎回届く台本の楽しみな部分ですね。この先に待っている戦や、家康にまつわる出来事を八津さんがどう書いて、そのときには家康が何と言うんだろう? というところを楽しみに待っている感じです。