2026年2月、NHK国際放送局とNHK財団で、高校生を対象とした出前授業を実施しました。テーマは「ニュース英語を楽しもう!」。およそ70名の高校1・2年生が参加し、英語にふれながら、時事問題も楽しく学ぶ時間となりました。
ニュース英語って難しい!?
私たちが訪れたのは、北海道網走郡大空町にある北海道大空高校。2021年に開校した公立高校で、「自分で考え、選び、行動する力」を育てる教育を大切にしています。道外からの入学者は全体の45%、多様な背景をもつ生徒が学んでいる点が特徴です。

テーマは「ニュース英語」。講師を務めたのは、NHK WORLD-JAPANで長年英語ニュースのアンカーを務めてきた青谷優子さん。英語コミュニケーションの専門家として、教育現場などで活躍しています。
英語でニュースを読むなんて難しそうと感じる人も多いかもしれません。しかし、NHK WORLD-JAPANのニュースには、日本国内の話題も多く、内容をイメージしやすいものが豊富にあります。授業では「北海道で開催された犬ぞりレース」のニュースを取り上げました。
◆NHK WORLD-JAPANのニュースは英語学習にぴったり
・映像付きのニュースでは、映像が理解の手助けになる
・文章が比較的短く、内容をつかみやすい
・話すスピードが比較的ゆっくりなため聞き取りやすい
・再生速度を調整できる
・「JAPAN」タブで国内ニュースに絞ると内容をイメージしやすい
NHK WORLD-JAPAN ニュースサイト(※ステラnetを離れます)

「好き」から始める英語学習
さらに「More snow forecast across Japan(日本各地でさらに雪が降る見込み) 」という気象ニュースも紹介。講師の青谷さんからは実用的な学習アドバイスもありました。「これはweather forecast(気象予報)のニュースなので、本文にはwind(風)という単語も出てきますよね。気象ニュースでは、wind以外にもbreezeやgustなど、風を表す言葉がいろいろ出てきます。ひとつの単語から、語彙をどんどん広げていけるのです」。 また、大学で英語のディスカッションやコミュニケーションを教えている青谷さんならではの話も印象的でした。ファッションやスポーツなど、自分が「好き」と感じる分野の英単語から学び始めることで、興味を原動力に英語の世界が自然に広がっていくこと。さらに、AIが急速に発展する時代だからこそ、人間にしか表現できない「心」が、どの言語を話すうえでも大切になる——そんなメッセージが、生徒たちの心に深く響いている様子でした。

ニュース英語を学んで時事を知る
授業の後半では、グループに分かれて和訳・英訳に挑戦するワークショップを実施。ニュースの一部を日本語に訳したり、日本語の文章を英語にしたりと、グループで意見を出し合いながら取り組みました。各グループの発表タイムでは、日ごろから自分の考えを発信することに挑戦している大空高校の皆さんにとってはまさに得意分野! 元ニュースアンカーの青谷さんからの質問にも堂々と応じていました。ニュース英語を題材にすることで、英語の学習だけでなく、今、日本や世界で何が起きているのかを知るきっかけにもなることを伝えました。

参加した生徒の声
「動画配信サイトやSNSで時間を使いがちですが、NHK WORLD-JAPANはニュースも確認できて英語も学べる、一石二鳥のツールだと思いました」
「英語でニュースを見ることに高いハードルを感じていましたが、授業を受けて気持ちが変わりました。今回をきっかけに英語ニュースを見続け、将来につなげていきたいです」
最後にNHK WORLD-JAPANにはニュースのほかに様々な英語番組を視聴できることや、北海道をテーマにした英語番組も多いことを紹介して、授業を終えました。今回の出前授業が、英語の力をつけるだけでなく、その過程を通して社会や世界に目を向けるきっかけになり、高校生にとっての将来や進路を考える力につながっていくことを願っています。
(取材・文/NHK財団 国際事業本部 鈴木伊都子)