4月9日、東京・渋谷のNHK放送センターで記者会見が開かれ、2028年放送の大河ドラマ第67作は「ジョン万」、主演は山﨑賢人さんが務めることが発表された。

山﨑が演じる主人公・ジョン万次郎こと中濱万次郎は、歴史に名が残るはずなどなかった貧しき漁師だった。しかし、漂流の悲劇の末、救出されてアメリカに渡り、日本を救う“知と技”を得た一流の船乗りとなる。異国の友は、彼をJohn Mung(ジョン マン)と呼んだ。

19世紀の日米と太平洋を舞台に、命がけのサバイバルの連続とはるかなる再会のロマンを描く。

脚本は、NHKでは連続テレビ小説「ちりとてちん」などを手がけた脚本家の藤本有紀さんが担当する。大河ドラマの執筆は2012年の「平清盛」に続き2作目となる。


主演:中濱なかはままんろう役/山﨑賢人

【山﨑賢人さんのコメント】

ジョン万次郎さんのことを知れば知るほど、その魅力にかれています。14歳で漂流してから、今では考えられないような冒険を重ねてきた万次郎さんの根底にあるタフさや好奇心はとても魅力的です。また、ゆかりの地であるアメリカ・フェアヘーブンを訪れ、彼が実際に歩いた町を自分の目と足で感じることができました。その体験は、これから万次郎さんを演じる上で、とても大きなものとして心に刻まれました。
大河ドラマの主演を務めることは、もちろんプレッシャーもありますが、それ以上に「この船に乗って、航海に出たい」というワクワクした気持ちのほうが勝っています。これから1年以上の時間をかけて、皆さんと一緒に彼の人生を描いていけることを本当に幸せに感じています。ぜひ楽しみにしていてください。

【プロフィール】

やまざき・けんと

1994年9月7日生まれ。2010年に俳優デビュー。2015年上半期「まれ」で連続テレビ小説初出演。近年の主な主演作品【映画】『キングダム』シリーズ(19~26)、『劇場』(20)、『陰陽師0』(24)、『ゴールデンカムイ』シリーズ(24~26)『アンダーニンジャ』(25)【ドラマ】「今際の国のアリス」シリーズ(20~25)など。『キングダム大将軍の帰還』(24)では第48回日本アカデミー賞優秀主演男優賞、ニューヨーク・アジアン映画祭で日本人初となる“The Best from the East Award”を受賞。幅広い役柄で主演を務める。大河ドラマは初出演。


【作:藤本有紀さんのコメント】

ご依頼を最初にいただいた時に、私からまず「ジョン万次郎さんの物語を書きたいです」とお伝えしました。その念願がかなって、今とてもうれしいです。そして、山﨑賢人さんが演じてくださるというのも、本当に光栄なことだと感じています。ジョン万次郎さんというと、私の中ではまず「ロマン」という言葉が浮かびます。14歳で土佐の一漁師に過ぎなかった万次郎さんが、その後歩んだ人生は、本当に心が躍るような夢と冒険にあふれています。一方で、夢や冒険が大きかった分、挫折や悩み、苦しみもとても大きかったと思います。そうした万次郎さんの人生そのものが、非常に稀有けうな物語性を持っていて、それを自分の手で物語として描いてみたい、という気持ちが強くあります。今の時代の若い人たちに、ジョン万次郎さんの人生を知ってもらい、そこから何かちょっとでも「挑戦してみよう」と思ってもらえたらうれしいです。

【プロフィール】

ふじもと・ゆき

主なテレビドラマ作品に連続テレビ小説「ちりとてちん」(2007-2008) 土曜時代劇「咲くやこの花」(2010) 大河ドラマ「平清盛」(2012) 土曜ドラマ「夫婦善哉」(2013) 木曜時代劇「ちかえもん」(2016) スーパープレミアムドラマ「漱石悶々」(2016) 土曜時代ドラマ「みをつくし料理帖」(2017/2019) 8Kスペシャルドラマ「浮世の画家」(2019) 連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(2021-2022) ドラマ「雪国-SNOW COUNTRY-」(2022)など。2016年に第34回向田邦子賞を受賞。2022年に第111回ザテレビジョンドラマアカデミー賞脚本賞、第48回放送文化基金賞脚本賞、東京ドラマアウォード2022脚本賞、第73回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。大河ドラマは今作が2作目となる。


【制作にあたって/制作統括・家冨未央チーフ・プロデューサーのコメント】

「自分は今、どこにいるのか」。漂流した時から、万次郎さんはその問いに常に向き合ってきたのではないでしょうか。地球で最も広い海の上を、どこにいるかわからない鯨を追いながら、3年近くも航海して港に帰るのは驚異的な技術です。名もなき庶民が途方もない努力の末に「位置を知る」技を得て、迷わずに大海を進んで行ける感覚に出会った……私はそこに壮大なロマンを感じました。

万次郎さんは、過去に多くの人によって小説やテレビ、歌舞伎で描かれてきましたが、一般的なイメージは、「名前が不思議な人」「英語が話せる人」にとどまり、謎に包まれたものかもしれません。そして、あれだけ歴史的な現場や偉人たちのそばに居た可能性があるのに、残る彼の言葉は控えめです。漁師の出の身分では言葉を残せなかった、あるいは残すと命が危なかったのかもしれません。一方で、万次郎さんは「数字」を書き残しています。細かく書かれた数字の羅列や計算。「自分は今、どこにいるのか」を残した航海の足跡なのではと思われます。私には、それは彼が生き抜いた証しにも思えました。

英語名の「ジョン」、日本語名の「万」の、2つの名前を一つに込めた大河ドラマ「ジョン万」。日米をまたぐ人生の荒波を生き抜いた万次郎さんを、脚本家の藤本有紀さんが描き、俳優の山﨑賢人さんが演じてくださることは「最高の冒険だ」とワクワクしています。見てくださる全ての世代の方の胸を熱くさせるようなドラマを、誰かの人生の「羅針盤」になるようなドラマを、心を込めて届けたいと思います。


2028年大河ドラマ「ジョン万」

2028年1月~放送予定

【物語】
1840年、ぜい弱な日本の船が、おびただしい数の漂流者を生み出していた頃。土佐の貧しい少年だった万次郎は、母と離れ、先輩漁師と初めての遠洋漁へ出る。それは彼の運命を変える旅の始まりだった――。
生きるか死ぬかの格闘の末に、万次郎たちはアメリカの捕鯨船「ジョン・ハウランド号」に救出される。初めて触れる英語、荒々しい異国の船乗りたち、富を生む捕鯨の仕事。万次郎は好奇心を膨らませる。鎖国の国に万が一帰れたとしても死罪かもしれない。ならば、生きて、もっと何かを知りたい。そうして、ホイットフィールド船長の誘いを受けて、アメリカへ単身渡る決意をする。
産業革命真っただ中のアメリカ。船長の支援で学校に通い、友情に、恋に、青春を駆け抜ける万次郎。人種差別に遭いながらも、腕があれば認められる世界を知っていく。そして彼は、皆が認める船乗りへ――。
しかし、次第に耳に入る日本の悪評。自分が生きている意味は何かを考え、万次郎は再び決意する。
「帰ろう」。母に再会するために、自分の人生をひらいた“知と技”を日本に伝えるために。
いつか船長に恩を返すと心に決めて、万次郎は荒波だらけの人生の冒険を突き進んで行く――。

作:藤本有紀
制作統括:家冨未央
プロデューサー:二見大輔
演出:保坂慶太、泉並敬眞、石川慶