2024年から東京・茨城・北海道・福岡で開催してきた防災ワークショップ「災害からペットを守る」。(主催:公益財団法人・日本動物愛護協会/企画:NHK財団)
次回は2026年2月21日(土)愛知県安城市での開催です。今回は2年前、2024年の元日に発災した能登半島地震を振り返りながら、災害時、自分の命も大切な家族・ペットも守るにはどうすればいいか、考えます。
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「津波が来るぞ!」愛猫とはぐれてしまった人たちも
ワークショップを前に、能登半島地震の発災直後から、被災地で飼い主と犬猫の救援活動に当たったNPO法人ANICE(アナイス=人と動物の防災を考える市民ネットワーク)代表の平井潤子さんと石川県輪島市を訪ねました。

金沢から被災地へ向かう国道249号線の道路脇は、今も所々で山肌が崩れ、木立が倒れている箇所があります。輪島市内に入ると屋根瓦が落ちたままの住宅も見受けられ、地震の痕跡が残っています。

「港から水が無くなっているぞ!」。輪島市の上大沢町で暮らしていた小坂恵美さんと山下君子さんは、震度7の激しい揺れの直後、「津波が来る!」という叫び声を聞き、急いで港から遠く離れた場所に避難しました。小坂さんと山下さんの住宅は隣同士で、お互いに猫を飼っていましたが、混乱の中、2人とも猫とはぐれてしまいます。

「臆病な猫なので、近くにいる気配は感じるのですが、姿を見せてくれませんでした」と語る小坂さん。山下さんは「気が動転していて猫を探す余裕はありませんでした」と当時を振り返ります。

その後、山下さん、小坂さんとも「飼い猫との再会」を果たしますが、災害時の混乱の中、猫と一緒に避難する難しさを物語る体験です。

犬たちが壊れかけた家に…
輪島市惣領町の坂谷悟美さんは、おせちを食べた後、母親と近所の温泉に入浴し、湯から上がろうとした時、震度7に見舞われました。慌てて浴衣に着替え、腰にサウナマットを巻き、通りがかったトラックの荷台に乗せてもらい、凍えながら避難所に身を寄せました。

中半壊した家には犬7頭を残したままです。翌日から坂谷さんは、水と食料を詰めたリュックを背負い、避難所から自宅まで、犬たちの世話に通う日々が始まります。「あちこちで土砂が崩れ、道路が寸断していたので、海岸線を迂回したり、斜面を越えたり、3時間近くかけて通いました。大変な日々でしたが、犬たちに会いたい一心でした」。坂谷さんは、再会を喜ぶ犬たちの姿に癒やされながらも「平凡な日常が奪われた悲しみがこみ上げてきました」と当時を思い起こします。

能登北部保健福祉センターの杉浦文恵さんは、愛知県の帰省先で能登半島地震に遭遇。急いで輪島市に戻った杉浦さんは、現地対策チームを立ち上げ、犬や猫の飼い主たちの相談に応じたり、動物たちの一時預かり先を確保したり、対応に追われました。「大きな被害と混乱の中、思うように動けなかったのが心残りです」。杉浦さんは今も仮設住宅を訪ね、被災した飼い主たちの相談に応じるなど、支援を続けています。


日ごろからの備え、そのポイントは?
公益財団法人・日本動物愛護協会では、2月21日(土)午後1時から、防災ワークショップ「災害からペットを守る」(企画運営:NHK財団)を愛知県の安城市民会館で開催します。ANICE代表の平井潤子さんのアドバイスのもと、災害から犬や猫を守るための日頃の備えや心構えを学びます。

能登半島地震から2年。当時、飼い主たちはどんな困難に見舞われたのか、ペット救護はどのように行われ、どんな課題があったのか。ワークショップでは、能登半島地震の被災者や関係者の証言をご紹介し、今後の備えに生かします。会場では、山下さんや小坂さん、坂谷さんの体験も、インタビュー動画を交えて詳しくお伝えします。

ゲストに元SKE48の須田亜香里さんをお迎えし、NHKの番組でお馴染みの本物のチコちゃんが出題者となる気象災害クイズコーナーや、MISIAの歌で大ヒットした「Everything」の作曲家、松本俊明さんのライブ演奏など、防災の知識を楽しく学べる内容になっています。入場は無料(ペット同伴不可)です。観覧ご希望の方は、お早めにお申し込み下さい(1,000人に達し次第、締め切ります)


(取材・文/NHK財団 社会貢献事業本部・星野豊)
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