病院の療養病棟でのかけがえのない日々を描く「お別れホスピタル」。死の一番そばにあるこの病棟で、看護師・辺見歩(岸井ゆきの)と医師・広野誠二(松山ケンイチ)らが、ふたたび患者さんやその家族とともに、“その人らしく最後まで生き切る”ための魂のドラマを繰り広げます。

現代医療のセーフティーネットといえる療養病棟を舞台に描く沖田×華さんの傑作コミックを原作に、死をむかえる人が最後に出会う人=看護師を主人公に、死と生を描いた「お別れホスピタル」のその後の物語を、脚本家・安達奈緒子さん(2027年大河ドラマ「逆賊の幕臣」脚本担当)が壮絶だけれどあたたかく紡いでいきます。

みさき総合病院、療養病棟に勤務するおなじみの人々に加え、あらたな患者やその関係者の顔ぶれを紹介します。


新たな出演者のみなさん

安斎正助役/伊東四朗

100歳で傾眠と部分的な認知症がある。ここ週数間で急に衰弱してきた。元県議会議員。いつも家族やかつての支援者に囲まれ、穏やかな人柄がうかがえるが、看護師の辺見にある頼みごとをする。

【伊東四朗さんのコメント】
現在88歳の私に入院患者で演説好きの役が飛び込んできた。
無論引き受けましたよ、だって面白そうだもの。若先生とのやりとり、隣のベッドの患者との確執、等々。是非見て下さーい!


林美枝役/渡辺えり

スナックのママ。かつて安斎正助さんと知り合いだったようで、なにか訳ありらしいのだが……。

【渡辺えりさんのコメント】
本読みの時に号泣してしまいました。共演者たちに演劇仲間が多く出演していて、根岸(季衣)さんから「柄本(明)さん演じるのつらいだろうね」と本読みの前に声を掛けられていたこともあり、本読みの声を聴いたら涙が止まりませんでした。柄本さんの亡くなった奥様の角替和枝さんのことを思い出したからです。
逃れられない「死」と「別れ」納得できない心情とその中から絞り出していく希望の道。すべての登場人物がいとおしくなる作品です。
私の役も切ない役です。伊東四朗さんとは「おしん」の時の共演からもう42年も経ってしまい、これまでも色々な番組で共演させていただいていますが、変わらぬジョーク。生き生きとした役作り。昔から尊敬しています。
そんな伊東さんとかつて縁のあった美枝を演じさせていただきました。
私が演劇をやるためにアルバイトをしたのがおでん屋さんでした。そのママさんが昨年の12月 15日に突然亡くなってしまいました。83歳でした。そのママをモデルに演じさせていただきました。
主演の岸井ゆきのさんと松山ケンイチさんが自然体で人柄の良い、そして面白い役者さんでとても楽しかったです。もし突然戦争が起きて役者ができなくなったらどうするか? 質問したら「田舎に帰って農業に徹する」と答えた松山さん。「お寿司すし屋さんでのアルバイトにもどる」と答えたのが岸井さん。「戦争になったらそれもできなくなるとおもうけど」と私。「そうですかねえ」とすごくまじめな顔で答えてくれた松山さん。2人のことが大好きになりました。2人とも迷いながら心をいつも揺らしているのがとてもすてきですね。
2年前のこの作品も泣きながら拝見しました。2作目に出演できて光栄です。一人一人が懸命に生きていて、ひとつひとつの命が大切に光っていること。誰にでも訪れる老後の問題を視聴者とともに一緒に考えていくドラマですね。


桜田美々役/YOU

末期のすい臓がん。ベストセラー作家で、かつてはテレビでも毒舌キャラで人気だったが、今は訪ねる人もいない。「死にたい」と訴え、辺見をよく「アッキー」と呼び間違える。

【YOUさんのコメント】
素晴すばらしい演者さんたちに囲まれて、緊張いたしましたが、演じながら、その時を迎える気持ち、看護師さんたちの心の奮闘など、深く考えさせられました。自分にとって、全く他人ひとごとではないこの物語は、とても大切なものになりました。感謝いたします。


秋山しのぶ役/広岡由里子

若い頃、編集者として桜田美々さんと二人三脚でベストセラーを生み出していたのだが……。

【広岡由里子さんのコメント】
まず台本を読み1つのエピソードごとの年月の流れがすっと伝わり面白いと思いました。監督が“シーンごとに区切らず、なるべくワンカットで撮ります”と言い、ギョッとしましたが、1カットで撮ったからこそ時の流れ、年月が台詞せりふを言いながら流れて行くのを感じました。あー、このために監督はいくつかのシーンをまとめ、1カットにしたのかなと感じました。
出会い、ともに過ごし、裏切られ、他の場所で生きた秋山。どのように出来上がっているのか、私自身オンエアが楽しみです。


角川千代子役/阿川佐和子

間質性肺炎を8年前に発症。終末期の緩和ケアを希望して転院してきた。
動くとすぐ息が切れるが、夫の前では酸素マスクを外してしまう。延命治療を希望しているのだが、娘は反対している。

【阿川佐和子さんのコメント】
たった2日間の撮影ではありましたが、重症の間質性肺炎を患う角川千代子さんになりました。
知り合いにも間質性肺炎と戦っている方がいらして、間近でその苦しみを拝見したことはありませんが、演じてみて、普段、当たり前のように繰り返している呼吸が、こんなに貴重なものだったかとその働きの偉大さを知り、撮影が終わったあと、深呼吸のできることに心から感謝の気持ちがわきました。
夫の角川三郎さんが、柄本明さんに決まったと伺ったときは、緊張のあまり泣きそうになりましたが、演技とはいえ、サブちゃんが、こんなに私(千代子)を必要としてくれているとわかり、加えてしっかりとした、でも心優しい娘役の松岡依都美さんに目の前で泣かれたとき、千代子は幸せ者だなあと、浅い呼吸で感動しました。
主演の岸井ゆきのさんは本当の看護師さんのようにテキパキと的確に心を込めてケアしてくださり、難しい医学用語も医療対応もさらりと熟知され、すごかった! 松山ケンイチさんには、「アガワさん、本当に息が止まっちゃうんじゃないかと思った」と、感心されたのか不気味に思われたかわかりませんが、ボロボロの千代子に声をかけてくださって、うれしかったです。


角川三郎役/柄本明

千代子さんの夫。幼なじみの千代子さんが重篤であることを認められず、「いつ退院するの?」と尋ねてしまう。

【柄本明さんのコメント】
脚本を担当している安達さんの作品は「海の見える理髪店」以来です。
今回の「お別れホスピタル2」も素晴らしい脚本でした。
一生懸命やらせていただきました。


パート1に引き続き出演者のみなさん

(看護師)辺見歩……岸井ゆきの
(医師)広野誠二…松山ケンイチ
(看護師)赤根涼子…内田慈
(看護師長)三木康子…仙道敦子
(医師)谷山衛……国広富之
(看護師)山田聖恵…円井わん
(ケアワーカー)南啓介……長村航希
(ケアワーカー)桜井朋美…山本裕子
(患者さん)大戸屋次郎…きたろう
(患者さん)幸村ヨシ……根岸季衣
(患者さん)水谷良太郎…田村泰二郎
(辺見の母)辺見加那子…麻生祐未
(辺見の妹)辺見佐都子…小野花梨
(赤根の息子)赤根貴之……丈太郎


【物語】
みさき総合病院の療養病棟。入院したら元気になって退院していく人のほとんどいないこの病棟にも朝が訪れ、日常が始まる。看護師の辺見歩(岸井ゆきの)は人工呼吸器を付け眠り続ける水谷さん(田村泰二郎)に話しかける。妻の強い希望で人工呼吸器を付けたが、その妻が先に亡くなってしまった。医師の広野(松山ケンイチ)はそんな水谷さんを複雑な思いで見守る。
隣の病室では、100歳の安斎さん(伊東四朗)が目を覚ますと決まって始める演説にみんなが聞き入ってしまう。そんな声に触発され、「俺も100歳まで生きる」と言う患者さんもいれば、「死にたい」と繰り返す桜田さん(YOU)もいる。
患者さん一人一人と向き合いながら辺見はふと「生きてる意味っているのかな?」と考える。桜田さんは時折「アッキー待って」と叫びながら辺見の腕にすがる。悪夢に出てくるらしいその人が、ある時訪ねてくるのだが……。
安斎さんは思い残したことが1つだけあると言う。その願いをかなえようと辺見と広野は奔走するが……。
また、緩和ケアを希望して入院してきた角川さん(阿川佐和子)は、夫(柄本明)の前では酸素マスクを外してしまう。妻の深刻な病状を受け入れたくない夫のために、夫婦は「延命治療」を希望するのだが……。
患者さんの心の声に耳をかたむけようと、その人の最善を求めて、迷いながらも辺見たちはそれぞれの「限りある生」に向き合っていく。


土曜ドラマ「お別れホスピタル2」

3月22日(日) BSP4K 午後6:45~7:30【前編】
3月29日(日) BSP4K 午後6:45~7:30【後編】

4月4日(土) 総合 午後10:00~10:45【前編】
4月11日(土) 総合 午後10:00~10:45【後編】

NHK ONEでの同時・見逃し配信予定(ステラnetを離れます)

原作:沖田×華
脚本:安達奈緒子
音楽:清水靖晃
出演:岸井ゆきの、松山ケンイチ ほか
演出:柴田岳志
制作統括:小松昌代(NHKエンタープライズ)、谷口卓敬(NHK)