9月13日(日)、栃木県那須塩原市の三島ホールで「連続テレビ小説『風、薫る』髙嶋政宏さんトークショー in 那須塩原」を開催。当日は晴天に恵まれ、多くの来場者が集まりました。

ゲストは、連続テレビ小説「風、薫る」で大山巌役を演じる髙嶋政宏さん。MCは髙石桃子キャスターが務めました。盛大な拍手に迎えられて始まったトークショーは、主人公・一ノ瀬りんを演じる見上愛さんからのビデオメッセージで幕を開けました。

(NHK財団はこのトークイベントの制作を担当しました)


「みんなの思いの相乗効果で作品ができている」

1988年放送の連続テレビ小説「純ちゃんの応援歌」以来、38年ぶりの連続テレビ小説出演となる髙嶋さん。久しぶりに参加した“朝ドラ”の現場について、「馬車の乗り方やカメラワークなど細部まで丁寧につくられている」「“朝ドラ”は歴史ある作品。現場には、それにかける思いと“素晴すばらしいものを作らなければならない”というプレッシャーがあり、そのみんなの思いの相乗効果で作品が出来上がっている」と、撮影現場の熱量を明かしました。


大山巌役への思い 「身が引き締まる思いだった」

大の鹿児島好きで、「薩摩さつま大使」も務める髙嶋さん。薩摩藩士から日本陸軍の創設に貢献し、日清戦争では総司令官を務めた大山巌役のオファーを受けた際は、「世界に名だたる名将であり偉人の役をやらせていただけることに、身が引き締まる思いであり、光栄だった」と語りました。

役づくりにあたっては、大山巌を題材にした小説を読み込み、人物像への理解を深めたといいます。スイスへ留学し、フランス語を学ぶなど先進的な一面にも触れながら、「明治時代の軍人ですが、今を生きる僕たちと同じ感覚を持っていた人だと思う。当時としては珍しいレディーファーストも実践していた方であった。」と語る髙嶋さん。「軍人らしくない軍人。その自然な人柄が伝わるよう心がけた」と役づくりを振り返りました。


那須塩原との縁

大山巌ゆかりの地である那須塩原市。市内に残る「大山別邸」には、クランクイン前に勉強のため訪問したことを含め、3度も訪れられているそうです。


鹿児島ことばに英語、フランス語、役づくりの裏側

髙嶋さんが印象に残っているシーンの1つとして挙げたのが、捨松すてまつと馬車に乗る場面です。

特に苦労したのは薩摩ことば。「経験はあったけれど、本当に難しい」と話し、録音音源を繰り返し聞くだけでなく、鹿児島の友人に確認してもらいながら、明治時代らしい話し方を研究したそうです。

また、大山巌は英語やフランス語も使う人物。英語はアプリで勉強を重ね、フランス語は、セリフの口の動きについても研究したと明かしました。

この馬車のシーンは、わずかな場面ながら早朝から夕方近くまでかけて撮影され、体力と集中力が求められる現場だったといいます。


ダンスシーンの舞台裏 会場でワルツのステップも披露!

もう1つ印象に残っているシーンとして挙げたのが、捨松との鹿鳴館ろくめいかんでのダンスシーン。

本格的なワルツは、初挑戦で、撮影に向けてレッスンで練習を重ね、自主練習にも励まれたそうです。撮影当日も直前まで、リハーサルと練習を重ねられたそうですが、本番では直前になって踊る向きが変更になるというハプニングが。それでも見事に演じ切り、撮影後には競技ダンスの大会を観戦するほど関心を持つようになったと明かしました。

会場では実際にダンスのステップを披露。髙石キャスターに「一緒に踊ってみますか?」と、ペアダンスの実践まで! 会場は大きな拍手と笑いに包まれました。

さらに、捨松役を演じる多部未華子さんからのビデオメッセージも上映され、現場でダンスや薩摩ことばを熱心に練習する髙嶋さんの様子が語られました。トークショー終盤には、「大山巌クイズ」や来場者との質問コーナーも。大山巌の意外なエピソードや那須塩原との関わりについて、楽しく学べる時間となりました。

最後に髙嶋さんは、4回目の訪問となった那須塩原市(大山巌の時代は西那須野村)について、「ちょっとだけ溶け込めた」と語り、「今までは通り過ぎる旅人だったのが、西那須野が第二、第三のふるさとみたいな」と笑顔を見せ、会場から大きな拍手が送られました。

(文:NHK財団 展開・広報事業部 高瀬 遼)