ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、松野司之介役の岡部たかしさんから、第9回の振り返りをご紹介!
岡部たかしさん振り返り
──トキのお見合いのために、司之介は武士の魂である髷を切り落としました。どのような心情だったのでしょうか?
もう、後先は考えていなかったと思います。司之介はやると決めたらすぐ行動する人なので、その結果、お父様(勘右衛門/小日向文世)に怒られても、土下座でもなんでもして謝ればいいやと。
司之介にとってお父様は絶対。やっぱり時代柄、武士道をずいぶん厳しく叩き込まれたので、少し怖い存在ではあると思います。でも、その分、お父様の愛情深い部分も知っているので、その要素は司之介にも備わっている。お父様がトキの幸せを考えているということもわかっていたからこその行動だったのだと思います。

──司之介は、頑張っているけれど不器用な“ダメ父”です。賛否両論ありそうなキャラクターですが、岡部さん自身は、司之介のことは理解できますか?
借金が膨らんでしまったり、娘の結婚の妨げになってしまったり、ねえ(苦笑)。でも、司之介のいいところはかわいらしいところだと思います。せっかく髷を切ったのに、落武者になってしまって結果的に「髷を切るんじゃなかった……」と言っていたりとか。ちょっと抜けていて憎めない。それが人間っぽくて、僕は好きですね。
僕自身、人生、あとで笑えたらオッケーだと思って生きているところがあります。あとで笑えたらもう何をしてもいいと。松野家も、貧乏だし苦しいけれど、結果的に笑えている。それって、すごく重要なことだと思います。