ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、錦織友一役の吉沢亮さんから、第95回の振り返りをご紹介!
いちばん隠している男が錦織でしたね(笑)

──錦織はヘブン先生に対して、自身の事情について「隠しごと」をしていたんですね。ヘブン先生は「嘘がきらい」とよく言っていましたが、それを聞いて胸が痛まなかったのでしょうか?
その辺りのシーンを撮っている時には、全然意識していなかったです。松野家の面々が、タテマエをかなぐり捨てて「本音」を叫ぶシーンを、すごくすてきだな、と思って見ていましたけど、いちばん隠している男が錦織でしたね(笑)。
僕自身は、いわゆる日本人のタテマエというか、相手のためを思ってついてしまう嘘は、あまり悪いことだとは思っていないんです。普通にあると思いますし、松野家の場合も、それぞれが相手のことを思ってついた優しい嘘ばかり。確かに日本人っぽい文化ではある。それをヘブン先生が突き破っていくっていうのは、非常に面白い構成だな、と思っていました。
錦織が隠していた事情(帝大を卒業していないため校長にはなれないこと)は、なんとなくヘブン先生も知っているか、気づいているのかな、と思っていたんです。でも、第19週の台本を読んだら、生徒たちの前で告白する時に、ヘブン先生も初めて知ったということになっていて。
相手を思っての嘘だとしても、やっぱり、つかれる側の立場で、事実を知ってしまった時は嫌でしょうね。悲しくはなりそうです。嘘をつくならつき通せよ、って思ってしまいそう。難しいですね。

──お互いに自分の考えがあって、相手への思いもあって、ということでいうと、やはり錦織とヘブン先生の別れは悲しいですね。錦織、あんなにヘブン先生に尽くしたのに……。
ヘブン先生は錦織のおかげでトキと出会えたし、結婚もできた。あんなに松野家になじんでいるのもそうです。親切を通り越してひたすら尽くしている。本当にいいやつですよね(笑)。なのに、ヘブン先生はちょっと冷たい。「ホントウノトモダチ」とか言ってる割に気まぐれだし、結構ワガママさんだし。だけど、そんなヘブンさんのことも錦織は好きなんでしょうね。だから、最後はやっぱりヘブン先生の考えを尊重する道を選んだわけで。
錦織のモデルの西田千太郎さんとハーンさんも、ずっと手紙のやり取りがあったそうです。熊本で見聞きしたすごく些細なことまで、西田さんに手紙で報告してきているんですよ。そういったところからも、2人の関係が偲ばれますし、西田さんはそれだけ、ハーンさんにとっての精神的な支えであり続けたのだろうな、と思っています。