現在放送中の、連続テレビ小説「ばけばけ」。松江の没落士族の娘・小泉セツと、外国人の夫・ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに紡ぐ“夫婦の物語”です。
主人公・松野トキ(髙石あかり)を見守る母・松野フミ役の池脇千鶴さんから思い出に残るシーンや役についての思いを語ったメッセージが届きました。
松野フミ役 池脇千鶴

トキの母。 出雲大社の上官の家で育ち、出雲の神々の物語や生霊・死霊の話、目に見えないモノの話に詳しく、トキにもよくお話を聞かせてあげる。 優しくてしっかり者。トキの幸せを誰よりも願っている。
【池脇千鶴さんのコメント】
――ここまで演じられてきて、現場の雰囲気はいかがですか?
とにかく楽しい撮影現場です。こんなに楽しいのは初めてかもしれません。フミ自身が明るい人なのでそこに助けられているところもあり、撮影の合間の皆さんとの空気も「こんなにリラックスしていていいのかな?」と思うほど和やかです。
髙石あかりちゃんは物怖じしなくて、すごく頼れる方です。私はあかりちゃんの胸を借りているところが、かなりあります。緊張でドキドキしながら現場に行っても、あかりちゃんがブレずに構えてくれているから安心できるんです。
最近はクランクアップが近づいてきて、1日の撮影が終わると胸が詰まるような思いに駆られます。

――フミはトキとヘブンをどんな気持ちで見守っていると思われますか?
第14週でトキとおじじ様(小日向文世)それぞれの恋がいっぺんに成就した時は、もう呆気にとられて夢なのか現実なのかわからないような状態でした。そのシーンの自分の顔が本当にほうけていたのを覚えています(笑)。
結婚の挨拶パーティーでヘブンさん(トミー・ バストウ)がみんなの嘘について言及した時は、トキが隠したいなら隠していいし、親がでしゃばることじゃないと思っていました。きっとタエさん(北川景子)も同じ気持ちで親として一歩引いていたと思います。「娘は娘」というのが、タエとフミの分かり合っている部分ですね。
結婚を機に引っ越した武家屋敷は広く、コソコソ声も「コソコソになってないやろ!」とツッコミたくなるほど狭かった長屋住まいとは大違い。お芝居の距離感も変わりました。
あかりちゃんが演じるトキも大人びてきて、なんだか遠く感じますね。子トキ(福地美晴)の頃から見守ってきて、現代の「友達親子」のように仲良く買い物に行ったりするのが楽しかったので、少し寂しさも感じます。
第18週でトキが石を投げられた時は、本当に腹立たしかったです。ヘブンさんと同じく、いち早く犯人を探してやり返しに行きたいぐらいの気持ちでした。トキ自身がヘブンさんのために我慢しているのに親である自分が邪魔してはいけないとぐっと堪えましたが、あんな勝手なことをされたら母親としては許せません。
――司之介(岡部たかし)とフミのシーンについてはいかがですか?
思いついたことをなんでもポンポン言う司之介を、フミは本当は止めたいんです。どぎついことをストレートに言わんといて!と(笑)。食卓のシーンなどでトキとヘブンさんの会話に口を出す司之介にも入らんといて!と思っていますが、フミがその会話に入ったら輪をかけておかしなこというのもわかっているから、もう黙ってようという気持ちですね。トキが「父上、それ違うから」みたいな感じで話を進めてくれるのが、頼もしいです。

司之介役の岡部さんとのお芝居も面白いです。根底に自分のセリフをきちんと覚えてちゃんと言わなくてはという気持ちはありますが、岡部さんが司之介として揺らがないから、私もフミとして好きにやらせてもらえています。岡部さんとのキャッチボールができている感じがしますね。岡部さんだけでなく、あかりちゃんも小日向さんも、ひらめいたことを前向きにやってみる、お芝居に対するアクティブさがあります。
私たちは本番前のリハーサル段階で初めてお芝居と動きを出すのですが、そこで好きなことをやってみて、違うと思ったらやめるので、スタッフさんは困っているかもしれません(笑)。「ばけばけ」は受け止めてくれるスタッフさんがいるからこそ、成り立っています。

――この先の見どころを教えてください。
私はこの先のトキを思い浮かべるだけでうるっときて涙があふれるほどの、「感慨深い」という言葉ではあらわせない気持ちになっています。
この取材を受ける直前に、あかりちゃんがこの先に放送する第22週のシーンのロケの話をしてくれました。私は行っていないので「どうだった?」と聞いたら、「すごくいいシーンが撮れた」と話していたので視聴者の皆さんも楽しみになさっていてください。
娘をこれからも応援していただけたら嬉しいです。
【物語のあらすじ】
この世はうらめしい。けど、すばらしい。
明治時代の松江。松野トキは、怪談話が好きな、ちょっと変わった女の子です。
松野家は上級士族の家系ですが、武士の時代が終わり、父が事業に乗り出すものの失敗。とても貧しい暮らしをすることになってしまいます。
世の中が目まぐるしく変わっていく中で、トキは時代に取り残されてしまった人々に囲まれて育ち、この生きにくい世の中をうらめしく思って過ごします。
極貧の生活が続き、どうしようもなくなったトキのもとに、ある仕事の話が舞い込んできます。
松江に新しくやってきた外国人英語教師の家の住み込み女中の仕事です。外国人が珍しい時
代、世間からの偏見を受けることも覚悟の上で、トキは女中になることを決意します。その外国
人教師はギリシャ出身のアイルランド人。
小さい頃に両親から見放されて育ち、親戚をたらい回しにされたあげく、アメリカに追いやられ、居場所を探し続けて日本に流れ着いたのでした。
トキは、初めは言葉が通じない苦労や文化の違いにも悩まされます。ところが、お互いの境
遇が似ている事に気が付き、だんだんと心が通じるようになっていきます。しかも、二人と
も怪談話が好きだったのです!
へんてこな人々に囲まれ、へんてこな二人が夜な夜な怪談話を語り合う、へんてこな暮らし
が始まります――。
2025年度後期 連続テレビ小説「ばけばけ」
毎週月曜~土曜 総合 午前8:00~8:15ほか ※土曜は一週間の振り返り
作:ふじきみつ彦
音楽:牛尾憲輔
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
出演:髙石あかり、トミー・バストウ/吉沢亮 ほか
制作統括:橋爪國臣
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、田中陽児、川野秀昭
演出:村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史、小林直毅、小島東洋
公式Xアカウント:@asadora_bk_nhk
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