ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不
定期で配信するコーナー。今回は、脚本のふじきみつ彦さんから、最終回の振り返りをご紹介!
ふじきみつ彦さん振り返り
――最終盤に『KWAIDAN(怪談)』と『思ひ出の記』という2つの作品が出てきました。小泉八雲の著書はたくさんありますが、この2作を選んだ理由と、そこまでに至る展開について、どのように考えられたのでしょうか?
『KWAIDAN(怪談)』は小泉八雲さんが亡くなる直前に出版された作品で、25週までの大まかな筋を考えるにあたって、著作としての『KWAIDAN(怪談)』を24週で扱うことは、もともと決めていたことでした。同じく『思ひ出の記』も最後に出そうと考えていました。ヘブン(トミー・バストウ)が亡くなった後に、トキ(髙石あかり)が今までの人生を振り返る術としてヘブンとの日々を語ったことが『思ひ出の記』という本になることも、僕とスタッフの中で決めていました。なので、扱う題材をどれにしよう? と迷うことはなかったです。
実は、『思ひ出の記』以外にセツさんについて書かれているものがほとんどないんです。逆に言うと、この本にはセツさんのことがたくさん書いてあるので、なるべくこの本に書いてある八雲さんとの思い出を最終盤で扱いたいと思っていました。本当はもっと書きたかったんですけど、泣く泣く削ったものがいくつもありました。ドラマで足りないと感じられた人はぜひ、『思ひ出の記』を読んでみてください。

――第25週第122回(3月24日放送)でヘブンはこの世を去ってしまいました。八雲は亡くなる時に、“悲しむんじゃなくて、みんなで楽しんで”と言い遺したそうですが、そのことについて、どう感じられましたか?
これは『思ひ出の記』に書かれていることではあるのですが、『思ひ出の記』にあるから脚本でも書いた、というのはちょっと違うと思うんですね。ヘブンが登場したのは5週目からですが、25週目までに至るまでの道が違っていたらたぶん書けないと思うんです。
かと言って、そこに合わせて僕が狙って書いていったわけでもなくて、素直に書いていって、2人が素直に生きていったら、『思ひ出の記』に書かれているような2人の様子に着地できた。これはすごくよかったと思っています。