見上愛、上坂樹里のW主演で放送される連続テレビ小説「風、薫る」。
文明開化が急速に進み、西洋式の看護学が日本に伝わった明治。それぞれが生きづらさを抱えるいちりん(見上愛)とおおなお(上坂樹里)の2人が、当時まだあまり知られていなかった“看護”の世界に飛び込み、患者や医師たちとの向き合い方に悩み、ぶつかり合いながら成長し、やがては“最強のバディ”になって、まだ見ぬ世界を切りひらいていく物語。

今回、見上愛演じる主人公・一ノ瀬りんの家族をはじめとする身近な人たち、7人の新たな出演者が発表され、コメントが届きました。
また、番組のロゴもあわせて公開されました。


主人公・りんの父

いちノ瀬のせ信右衛門しんえもん役/北村一輝

連続テレビ小説出演歴「スカーレット」

那須地域にあった小藩の元家老。明治維新前に家老職を辞して農家になり、役人への誘いがあっても断り続けている。穏やかな性格で、りんと安に「自分で考えること」を教えてきた。

【北村一輝さんのコメント】

――「風、薫る」に出演される意気込みをお聞かせください。

親という存在、その価値観や考え方は、想像以上に子どもの人生に大きな影響を与えるものだと、日々感じております。りんというすばらしい娘が、明治の激動の時代を強く生き抜いていけるよう、セリフを超えた何かを届けられたらと思っております。そして本作が皆さまの心に深く届くよう、誠実に作品と向き合ってまいります。

――連続テレビ小説 出演について。

2019年度後期の朝ドラ「スカーレット」で戸田恵梨香さん演じる川原喜美子の父親 川原常治役。スカーレットではかなり破天荒な父親役を演じさせていただきましたが、今回はその対極とも言える、芯のあるしっかりとした父親像に挑戦したいと考えております。朝ドラは日本国内にとどまらず、海外で暮らす多くの日本人にとっても、日本の日常や温かさを思い出させてくれる存在であり、まさに“日本の朝の顔”と呼ぶにふさわしい番組だと思っています。

――作品は、看護がテーマのひとつ。看護に関わる仕事との接点や思い出などについて。

以前、数日間ほど入院した経験がありますが、振り返ってみると、不思議なことに医師の皆さまへの感謝はもちろんのこと、日常的かつ精神的な面での寄り添い、支えてくださった看護師の方々の存在が強く印象に残っています。
本当に心の支えとなっていただきました。精神的なサポートというのは、医療の現場において非常に大切な要素だと、改めて実感しました。

――ドラマのモチーフとなる大関和さんは栃木県那須地域(大田原市)出身。ご当地の印象等について。

恥ずかしながら、、、温泉、、、、サファリパーク、、、、やはり、、温泉ですかね。


主人公・りんの母

いちノ瀬のせ美津みつ役/水野美紀

連続テレビ小説出演歴「スカーレット」

那須にあった小藩の旧藩主の一族として生まれた。農家になり、明治を迎えても気位の高さは
失っておらず、いざという時には自らなぎなたを振るう豪胆をもつ。一方で新しい物好きな一面も。

【水野美紀さんのコメント】

――「風、薫る」に出演される意気込みをお聞かせください。

今回の出演、とてもうれしく思います。大きな変化の中にある時代をたくましく生きる人物を演じる事で得られるものはとても大きいと感じています。現代からの視点で見れば、「風、薫る」で描かれる明治時代は、物理的にはとても不便で、社会的な抑圧もとても強くて精神的にもつらい事が多い。だけど渦中の人物たちにはそれが当たり前で、目の前の苦難を一つひとつ、歯を食いしばって乗り越えていくしかない。だけどそれが不幸で現代を生きる我々は幸せかと言えば、全く言い切れない。生きる力とは何か、幸せとは何か、切実に己に問いかけながら、脚本を読み進めています。役の悲しみ、苦しみ、喪失、迷い、怒りをみ締めながら、そんな中にでも訪れる幸せな一瞬一瞬、笑い合える瞬間の喜びを一つも取りこぼさないよう、視聴者の皆さんに届けたいと思っています。

――連続テレビ小説 出演について。

「スカーレット」では主人公の生活する共同の宿の同居人を演じました。大阪での撮影で、まだ幼かった我が子を連れて撮影に通った日のことを想い出します。

――作品は、看護がテーマのひとつ。看護に関わる仕事との接点や思い出などについて。

看護師や医者の役は何度もやり、その度に監修の先生からさまざまなことを学ぶのですが、本当に大変な仕事であると感じます。看護される状態にある人というのは、人生の波の中でも苦難の状態にある人で、そういう時にはその人の本質がのぞく。不安を抱えていれば感傷的になるし時に攻撃的にもなる。だから看護の現場はドラマになりやすいのだと思います。それを受け止める看護師という仕事は、人間力のいる仕事だと思います。

――ドラマのモチーフとなる大関和さんは栃木県那須地域(大田原市)出身。ご当地の印象等について。

栃木は近くて遠い場所です。日光や那須、宇都宮はよくロケでも訪れますが、車で行くので遠い!
新幹線で行けば近いのに、新幹線で行く機会がなかなかない。車で遠出する場所というイメージです。


主人公・りんの妹

いちノ瀬のせやす役/早坂美海

※連続テレビ小説初出演

りんの2才下の妹。やがては良家に嫁ぎたいと思っている。家族の動向を冷静に見ている。

【早坂美海さんのコメント】

――「風、薫る」に出演される意気込みをお聞かせください。

今回「風、薫る」という作品に参加できることを心から光栄に思います。私が演じる一ノ瀬安は、家族を明るく照らす存在でありながら、まだ幼さや繊細さも残る女の子です。小さいころから憧れていた朝ドラの世界に、自分が飛び込めることが夢のようで、ドキドキとワクワクでいっぱいです。画面の向こうのみなさんにも、吹き抜ける風のように、この物語が届きますように。
一瞬一瞬を大切に、精いっぱい演じさせていただきます。

――連続テレビ小説 出演について。

今回が初めての朝ドラ出演です。これまでも何度もオーディションに挑戦して、そのたびに悔しい思いをしてきました。だからこそ今回、「一ノ瀬安」という役に出会えたことが本当にうれしいです。小さいころから朝ドラを見ていて、どんな困難にも負けず前を向いて生きる登場人物たちに心を動かされてきました。あのあたたかくて力強い世界に憧れていた私が、今度はその一員として作品をつくる側になれると思うと胸がいっぱいです。

――作品は、看護がテーマのひとつ。看護に関わる仕事との接点や思い出などについて。

看護は、体だけでなく心にも寄り添うお仕事だと思います。母が介護の仕事をしていて、「そばにいてくれる人の存在や言葉に救われる方がたくさんいる」とよく話していました。その言葉を聞くたびに、人に寄り添う力の大きさを感じてきました。看護も同じように、患者さんやその家族にとって大きな支えになるものだと思います。今回のドラマを通して、そうした看護のあたたかさや大切さを私自身も学び、安としてもそっと寄り添える優しさを大切に演じたいです。

――ドラマのモチーフとなる大関和さんは栃木県那須地域(大田原市)出身。ご当地の印象等について。

那須は空気がきれいで自然が豊かで、とても癒やされる場所だなという印象があります。栃木には以前訪れる機会があり、美しい景色やあたたかい人たちに触れて、心が穏やかになるような時間を過ごしました。今回の作品の舞台とも重なるので、そんな魅力的な場所で撮影できることをとても楽しみにしています。


一ノ瀬家の元陪臣

中村義正なかむらよしまさ役/小林隆

連続テレビ小説出演歴「ゲゲゲの女房」「なつぞら」

りんの父・信右衛門に仕えていた元陪臣。明治時代になり、一ノ瀬家からは暇を出されたのち、栃木県の役人となる。一ノ瀬家には足しげく通い続けている。

【小林隆さんのコメント】

――「風、薫る」に出演される意気込みをお聞かせください。

7年ぶり3度目の朝ドラ出演を控え、胸が高鳴っております。演ずる「中村義正」は近隣では珍しく、いち早く洋装を取り入れた人物である一方、言葉遣いは語尾に「ござる」がいまだに残る “新しい時代・ふるい時代、どっちの人間なんだ!?”とツッコミを入れたくなる人。そんな人間像をイキイキと演じることができるよう、スタッフやキャストの皆さんとともに明るく楽しい現場にしたいと思っております。撮影開始が待ち遠しくて仕方ありません。

――連続テレビ小説 出演について。

2010年「ゲゲゲの女房」で、主人公ふたりを結びつける仲人役として朝ドラ初出演を果たしました。結婚披露宴での大杉漣さんの実に人間味あふれる温かいスピーチで大いに泣かされたことが忘れられません。
2019年「なつぞら」では、主人公一家と家族同様の戸村親子を息子役の音尾琢真さんと明るく楽しく演じました。
主人公なつ役の広瀬すずさんとその幼年時代の粟野咲莉さんの可愛かわいいさと健気けなげさ、なつを引き取り母親代わりとなる松嶋菜々子さんの美しさとたくましさ、そして大黒柱・草刈正雄さんの大きな包容力と存在感が未だに強く印象に残っています。さらに北海道十勝地方でのロケでは大自然の厳しさを体感することができ、私にとって大きな財産となる作品です。

――作品は、看護がテーマのひとつ。看護に関わる仕事との接点や思い出などについて。

語れるほどの接点や思い出はないですが……
“白衣の天使”というイメージで語られることが多かったナースが、つい最近のコロナ禍で“エッセンシャルな職業”であると認識が更新されたことが記憶に新しく、その“日本のナース事始め”とも言える「風、薫る」は、今描くにふさわしい大きなテーマであると思っております。

――ドラマのモチーフとなる大関和さんは栃木県那須地域(大田原市)出身。ご当地の印象等について。

小学校何年生のころだったか、できたばかりの那須の遊園地へ行ったことがあります。緑豊かな空気のおいしい静かな土地という印象が強く残っております。


りんの幼なじみ

竹内たけうち虎太こたろう役/小林虎之介

※連続テレビ小説初出演

りんと同じ村の生まれで、元足軽だった竹内家の長男。りんとは幼いころから気を許せる仲ではあるが、育ちの格差を痛感している。

【小林虎之介さんのコメント】

――「風、薫る」に出演される意気込みをお聞かせください。

虎太郎は、心から純粋な男の子で、自分より相手を優先する優しさを持っています。それ故に自分の気持ちにブレーキを踏んでしまうことも多く、気付いたときには取り残されていたり。そんな虎太郎が朝ドラの中でどういう人生を送っていくのか、いちばん近いところで見守っていけたらなと思います。

――連続テレビ小説 出演について。

朝ドラは日本中に根強い人気のあるドラマだという印象です。1日の始まりにすてきな物語を届けられるように、楽しみながら撮影に挑みたいです。

――作品は、看護がテーマのひとつ。看護に関わる仕事との接点や思い出などについて。

看護師の方との接点がなく、看護の仕事について知識があまりないので、この作品を通して一緒に学んでいけたらと思います。

――ドラマのモチーフとなる大関和さんは栃木県那須地域(大田原市)出身。ご当地の印象等について。

栃木県と言えば日光東照宮という印象が強いので、時間があれば足を運んでみたいです。


虎太郎の父

竹内之宣たけうちゆきのぶ役/つぶやきシロー

連続テレビ小説出演歴「まれ」

元足軽で明治時代になって農家に。今でも一ノ瀬家に対しては恭しく接する癖が抜けない。

【つぶやきシローさんのコメント】

――「風、薫る」に出演される意気込みをお聞かせください。

すでにセリフは入っています。どうせ一言二言だろって、量の問題ではないのです。
美味おいしい唐揚げは、2度揚げするといいます。ですので、私も1回忘れて、もう1度セリフを入れ直します。何の不安もございませんが、唯一栃木なまりが不安なので、方言指導を誰よりもみっちり受けたいと思います。

――連続テレビ小説 出演について。

「まれ」に、ワンシーンだけ出演させていただきました。
草笛光子さんが、カットの間にこっそり高級チョコを口に入れてらして、かわいい人だなと失礼ながら思った記憶があります。

――ドラマのモチーフとなる大関和さんは栃木県那須地域(大田原市)出身。ご当地の印象等について。

県北ですよね。私は野木というところで、県南であり東京に近く、そういう意味ではシティー派なので詳しくはないのですが、大田原牛がおいしいです。


虎太郎の母

竹内たけうちさかえ役/岩瀬顕子

連続テレビ小説出演歴「エール」

竹内家を支えるパワフルな母親。いざという時に頼りになる存在。

【岩瀬顕子さんのコメント】

――「風、薫る」に出演される意気込みをお聞かせください。

多くの方に長年親しまれてきた朝ドラに出演できることを、心から光栄に思います。今回は私の故郷・栃木県での撮影、そして慣れ親しんだ栃木ことばで演じられることに、特別な喜びを感じています。地元の美しい自然や人々の温もりに包まれながら、視聴者の皆さまの心に深く響く作品となるよう、心を込めて演じさせていただきます。栃木の魅力とともに、この物語を全国へお届けできるのがとても楽しみです。

――連続テレビ小説 出演について。

2020年の「エール」に少しだけ出演させていただいた際、朝ドラの現場ならではの温かくもりんとした空気を肌で感じました。毎朝、多くの方が楽しみにしている作品に関われることの重みと喜びを実感し、また必ずこの場所に戻りたいと強く願いました。今回再び出演の機会をいただけたことに、心から感謝しています。

――作品は、看護がテーマのひとつ。看護に関わる仕事との接点や思い出などについて。

父が入院していた頃、看護師の皆さんが患者や家族の不安にしんに寄り添ってくださり、その温かさに心から救われました。さらにコロナ禍では、ご自身の生活を顧みず、多くの命を支え続ける姿に、ただただ頭が下がる思いでした。看護という仕事の尊さをあらためて実感し、この作品が、看護に携わるすべての方々への感謝の気持ちを届けるきっかけになればと願っています。

――ドラマのモチーフとなる大関和さんは栃木県那須地域(大田原市)出身。ご当地の印象等について。

栃木県宇都宮市出身の私は、「とちぎ未来大使」として、また東京栃木県人会副会長として、ふるさとの魅力発信と文化振興に取り組んでいます。同じ栃木出身の大関和さんがヒロインのモチーフとなる本作に携われることは、大きな喜びです。那須地域には子どものころからよく訪れており、大田原にある温泉もお気に入りの場所のひとつ。豊かな自然と、人々の飾らない温かさに触れるたび、栃木の魅力を再認識しています。この作品を通じて、より多くの方が栃木の美しさを知り、訪れてくださることを願っています。待ってっかんね〜!


2026年度前期 連続テレビ小説「風、薫る」タイトルロゴ完成!

【ロゴデザイン・清水彩香さんのコメント】

激動の風に吹かれて奔走しながらも、りんと直美が手を取り合い、困難を切り拓いていく姿を想像する中で、優しく有機的なイメージと、戦いながら意思を刻みつけていく凛としたイメージがリンクしていきました。彫刻刀で彫られた木版印刷時代の書体をもとに、りんと直美の精神を形にしています。検証したデザインの決定に至っては、制作陣のみなさまから、トップダウンではない方法で決定したいと希望があり、さまざまな方の意見を聞きながら平等に議論していきました。みんなで考えていくことは時間も労力もかかりますが、二人への敬意をこめたプロセスを踏むことができたと感じられる、すばらしい機会でした。

【プロフィール】
しみず・あやか
1988年生まれ。2012年多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒。2017年独立。グラフィックデザイナーのための環境配慮研究所「Lab. for E.G.」始動。社会への責任を持てる、意義あるものだけを作りたいと願い、「自然と健やかさ」「東洋の伝統文化」「社会課題」「芸術と文化」にまつわるデザインにのみ携わる。関わる人々と対等に話し合いながら、可能な限り環境に負荷を与えない方法を探り続けている。


【制作統括/松園武大チーフ・プロデューサーのコメント】

一ノ瀬りん、大家直美、二人の主人公の家族やとても身近な人たち、そして、りんの故郷である栃木県那須地域ゆかりの人々を演じていただく方々を発表しました。
多彩で魅力あふれるキャストの皆さんが、脚本の吉澤智子さんが紡ぐ人物たちにどんな息吹を吹き込んでくださるのか、日々想像してはワクワクしています。
清水さんのロゴを初めて見た時、殺風景な会議室に風が吹いたように感じました。たっぷりと風を受けながら、地を踏みしめて前に進む。そんな、りんと直美の意思を感じられるロゴです。
気が付けばすっかり暑い季節になり、撮影開始まで間もなくとなりました。放送はまだ少し先ですが、今後もまだまだ新しい発表が続いていきますので、どうぞご期待ください。


2026年度前期 連続テレビ小説「風、薫る」

2026年春 放送スタート
毎週月曜~土曜 総合 午前8:00~8:15ほか

【物語のあらすじ】
明治18(1885)年、日本で初めて看護婦の養成所が誕生したのを皮切りに、次々と養成所が生まれた。そのうちの1つに、物語の主人公・いちノ瀬のせりん(見上愛)とおおなお(上坂樹里)は運命に誘われるように入所する。不運が重なり若くしてシングルマザーになった、りん。生まれてすぐ親に捨てられ、教会で保護されて育った直美。養成所に集った同級生たちは、それぞれに複雑な事情を抱えていた。手探りではじまった看護教育を受けながら、彼女たちは「看護とは何か?」「患者と向き合うとはどういうことか?」ということに向き合っていく。
りんと直美は、鹿鳴館の華といわれた大山捨松おおやますてまつや明六社にも所属した商人・みず三郎さぶろうらと出会い、明治の新しい風を感じながら、強き者と弱き者が混在する“社会”を知り、刻々と変わり続けていく社会の中で“自分らしく幸せに生きること”を模索していく。
養成所卒業後、2人は同じ大学病院でトレインドナースとしてデビュー。まだ理解を得られていない看護の仕事を確立するために奮闘の日々を送っていたが、りんは程なくして職場を追われることに。一方、アメリカ留学を夢見る直美は渡航直前に思わぬできごとに巻き込まれ……。
やがて、コレラや赤痢などさまざまな疫病が全国的に猛威をふるい始める。一度は離れ離れになった2人だったが、再び手を取り、疫病という大敵に立ち向かっていく。

脚本:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
制作統括:松園武大
プロデューサー:川口俊介、葛西勇也
演出:佐々木善春、橋本万葉、新田真三、松本仁志ほか