阪神・淡路大震災で傷ついた人たちを癒やす“復興のシンボル”として、2000年に雄のコウコウとともに中国から来日した雌のジャイアントパンダ・タンタン。もふもふとした小さな体に短い手足。まるでぬいぐるみのような愛らしい姿は、被災して暗い気持ちでいる神戸の人たちを明るく照らし、笑顔をもたらしました。
一方で、タンタンの“パン生”は決して平坦なものではありませんでした。産んだばかりの子どもを失い、パートナーのコウコウも急死。1頭だけ動物園に残されたタンタンも心臓を患い命の危機に陥ります。そんなタンタンに寄り添い続けたのは、二人の飼育員と獣医師でした。

本場中国でも経験のない、世界初の治療に向き合うタンタンの姿は、多くの人たちに勇気と感動を与えました。そして、去年3月31日、二人の飼育員や獣医師たちに見守られながら、タンタンは人間で換算すると100歳近くに相当する28歳で静かに天国へと旅立ちました。
2020年からタンタンに密着し、撮りためてきた膨大な映像をもとに、タンタンが神戸で歩んだ日々を振り返りながら、いかに多くの人たちがタンタンに支えられてきたのかを見つめます。

【番組のナレーションを6年間にわたり務めた声優・鬼頭明里さんのメッセージ】
こうしてまたタンタンと出会うことができて、本当にうれしかったです。改めてタンタンは、飼育員さんや獣医師さん、そして本当に多くのファンの方たちに見守られ、愛されてきたんだなということを実感しました。タンタンの素敵な笑顔に皆さんも癒やされていただけたらうれしいです。
「ごろごろパンダ日記」~タンタンと二人の飼育員 ときどき獣医師~
9月20日(土)NHK BS 午後9:00~10:29
語り:鬼頭明里(声優)
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