現在放送中の、夜ドラ「いつか、無重力のそらで」。高校時代に「一緒に宇宙に行こう」と夢を語り合った元天文部の女子4人組が、30代になってから仲間とともに宇宙への夢を拾い直す、2回目の青春の物語です。
大人になった飛鳥あすかを演じる木竜麻生さんと高校時代の飛鳥を演じる田牧そらさんのお2人から、メッセージが届きました。
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※森田望智さん×上坂樹里さんの対談はこちら


主人公 望月もちづき飛鳥あすか役/木竜麻生・田牧そら(高校時代)

大阪の広告代理店勤務の30歳。社内では若手が目指すべきロールモデルと言われ、社員代表として会社の採用サイトにも載っている“できる人”。と言われつつ、周りの期待に応えようと日々必死で……。何が自分の言葉で、思いなのか、よくわからなくなっている人。高校時代は宇宙が大好きで、よく天体観測に出かけたが、大人になってそんなことをすっかり忘れていた。ひかりとの再会で、蓋をしていた「宇宙」への思いが少しずつあふれ始める……。


【木竜麻生さん×田牧そらさん対談】

――大人になった飛鳥と、高校生時代の飛鳥を演じるおふたり。お互いの印象はいかがですか?

木竜 もともと個人的に(田牧)そらちゃんの作品はいくつか拝見していて、声がすごく好きでした。柔らかくて透明で、独特の音がある。みんなに響く、とてもすてきな声だなと思って。飛鳥の「根」の部分の、純粋さを持った方だなと感じました。

田牧 うれしいです。監督から「お2人でコミュニケーションを取りあいながら飛鳥という人物を作ってほしい」と言われていて、木竜さんとお話しさせていただいたら、とても明るくて気さくな方でした。積極的に話しかけてくださり、一緒に「飛鳥はこういう感じかな」と話せたのはすごく心強かったです。

木竜 私は高校時代の天文部の4人のお芝居を見ることなく、広告代理店でのお仕事シーンから撮影に入ったので、16歳の飛鳥とのつながりが不安でした。しばらく撮影が進んでから、あらためて高校生のシーンを見せてもらったら、もうまぶしくてまぶしくて。思わずスタッフさんに「大丈夫ですか?」と聞きました。私たち(飛鳥、ひかり、周、晴子の)大人キャスト4人は、こんなにキラキラした青春時代を経たように、ちゃんと見えていますか? と。

――お互いのお芝居から得るものはありますか?

田牧 大人キャストの皆さんの本読みを見せていただいて、私は木竜さんの間の取りかたが、すごく心地がよくて好きです。ああ、ここで言葉を切ったら、こういうふうに聞こえるんだ、私にもこんな間が出せたらいいな、と思いながら拝見していて。

木竜 私たちが本読みをしている間、そらちゃんがメモをとってくれていました。聞きながらずっと真剣な顔でノートに何かを書き込んでいる。そこでくみ取ったものを高校生の飛鳥に反映させることで、私が等身大に演技できるようにカバーしてくださっているのだと思います。私はいきなり撮影が始まってしまったので、そらちゃんのお芝居を取り入れるタイミングもなかったのですが、スタッフさんが「大人と高校生の飛鳥がすごくリンクしている」とおっしゃっていて。それは、そらちゃんが私の様子をたくさん見て取り入れてくれたからだと思いました。すごく助けてもらっています。ありがとう。

田牧 とんでもないです、こちらこそです。はじめの頃、私はすごく緊張していたのですが、ふとしたときに木竜さんがたくさん話しかけてくださって、緊張をほぐしてくださいました。

――飛鳥の役作りはどのようにしましたか?

木竜 30歳になった飛鳥は自分の仕事や社会的環境に慣れてきた部分と、まだどこかいっぱいいっぱいな部分があると思います。そんななかで天文部のみんなと再会して、自分が高校生の頃に持っていた熱を、段階を踏んで思い出して、少しずつ熱を高めていくという作業がすごく難しかったです。それは飛鳥自身が抱える難しさと直結するところもあって。彼女がもともと持っていた宇宙への純粋な憧れと、今このときだからこそ感じている困難、そのつどぶつかる壁をどう乗り越えていくか、というところを大事に演じたいと思いました。

田牧 私は宇宙のことに詳しくなかったので、まず図書館で宇宙の本をたくさん読んだり、JAXAへ行ったりしました。はじめは「宇宙って、なんか難しそう」から入ったのですが、調べて勉強して、知れば知るほど「あれ? 宇宙って面白いな」と感じるようになって。飛鳥もこんなふうにハマっていったんだろうなと思いました。
知らないことを知っていくうちに「いいな!」がくる瞬間。この「いいな!」を活かしたいと思って演じたつもりです。

木竜 そらちゃんがJAXAのお土産に、宇宙食を買ってきてくれました。それが本当にうれしくて。

田牧 本当ですか? うれしいです。JAXAに行ってよかったです。

木竜 たくさんお土産を買ってきてくれた中から選ばせてくれたんですけど、1つ1つの宇宙食を見せて「どれがいいですか? ちなみにこの宇宙食は……」と目をキラッキラ輝かせながら教えてくれて。私はその姿を見て、この姿は大人になった飛鳥が忘れかけている「すごく楽しかったあの頃の飛鳥」なんだなと思いました。
「宇宙食」という、単語でパッと思い描くことのできるイメージにふれることも、それまでの私にはなかった発想でした。飛鳥の役作りでは、そらちゃんからもらったものがたくさんあります。

――望月飛鳥は、一言で言うとどんな人ですか?

木竜 そらちゃんと話したのですが、飛鳥は「こんな人」って言えるところがない人です。

田牧 何か特別な取り柄や才能があるわけじゃない。だけど私は台本を読んで、飛鳥はすごく応援したくなる子だなと思いました。一生懸命で、周りをとてもよく見ていて、優しい。

木竜 人をよく見ているし、言葉の選び方も慎重ですよね。今この場面で自分がどうすべきか、ということを常に考えている人なのだと思います。高校時代の飛鳥と社会人になった飛鳥を比べてみると、根っこの部分はそんなに変わっていないけれど、大人になった飛鳥は「上にかぶせているもの」がどんどん厚くなっている気がします。中心の部分がちょっと見えづらくなっている。とくに物語のスタート地点では、自分の素直な欲望や純粋な思いを、まっすぐに出すようなことはしない人ですね。それが自覚的でもあり、無自覚でもあり。

田牧 高校生のときの飛鳥も天文部の3人と出会うまでは、わりと「見えづらさ」が多い子だったんだと思います。でも3人と出会って、どんどん自分のやりたいことや楽しいことができるようになっていく。そういうところを丁寧に演じたいと思いました。

木竜 大人になって目の前のことに精いっぱいだった飛鳥が、高校生のときの「やりたいことができるようになっていく」という感覚を思い出していく、気づいてく。これは飛鳥にとっても、演じる私にとっても、とても幸せな作業だと思いました。


【第7週あらすじ(10/20~10/23)】
JAXA引き渡しまで1年を切り、飛鳥(木竜麻生)たちの人工衛星開発は大詰めを迎えてい
た。そんな中、晴子(伊藤万理華)の息子が体調を崩し、晴子は自分が開発に時間を使いす
ぎて、息子と向き合えていなかったのではないかと悩むように。また周(片山友希)は、彼
氏から海外生活を打診され、気持ちが揺らぐ。それぞれの悩みが増える中、彗(奥平大兼)
はひかり(森田望智)の思いを受け、完璧な衛星を作ろうと奮闘するが……。


夜ドラ「いつか、無重力のそらで」(全32回/8週)

9月8日(月)~10月30日(木)放送<予定>
毎週月曜~木曜 総合 午後10:45~11:00(各話15分)

作:武田雄樹
音楽:森優太
主題歌:吉澤嘉代子「うさぎのひかり」
出演:木竜麻生、森田望智、片山友希、伊藤万理華、奥平大兼
田牧そら、上坂樹里、白倉碧空、山下桐里/鈴木杏、生瀬勝久 ほか
天の声(語り):柄本佑
制作統括:福岡利武
プロデューサー:南野彩子
演出:佐藤玲衣、盆子原誠、押田友太

公式X:https://x.com/nhk_dramas ※ステラnetを離れます

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