見上愛、上坂樹里のW主演で、来春から放送される連続テレビ小説「風、薫る」。
文明開化が急速に進み、西洋式の看護学が日本に伝わった明治。それぞれが生きづらさを抱える一ノ瀬りん(見上愛)と大家直美(上坂樹里)の2人が、当時まだあまり知られていなかった“看護”の世界に飛び込む物語です。患者や医師たちとの向き合い方に悩み、ぶつかり合いながらも成長し、やがて“最強のバディ”となり、まだ見ぬ世界を切り拓いていく姿を描きます。
このたび、りんと直美の人生に多大な影響を及ぼす大山捨松役の多部未華子、その夫・大山巌役の髙嶋政宏ら、7人の出演者が発表され、コメントが届きました。
“鹿鳴館の華”と呼ばれた、時代を象徴する貴婦人
大山捨松/多部未華子
連続テレビ小説出演歴「つばさ」

“鹿鳴館の華”と呼ばれた、時代を象徴する貴婦人。りんと直美の人生に多大な影響を及ぼす。
【多部未華子さんのコメント】
――「風、薫る」に出演される意気込みをお聞かせください。
この度は朝ドラに出演させていただけること、大変うれしく光栄に思います。
ヒロインのお2人に影響を与える、とても素敵な役どころであることにとっても緊張しており、今からドキドキしています。スタッフの皆様や役者さんたちの力をお借りしながら素敵な作品の一部になれるよう精一杯努めたいです。
見上さんと上坂さん、お二方と明治時代の世界でお会いできること、とても楽しみにしています。
そして、心から応援しています。
私はただひたすら頑張ります。
――連続テレビ小説 出演について。
朝ドラのヒロインを務めさせていただいたのは……もう16年も前?! と昔のことで驚きを隠せません。当時お世話になったスタッフの方が今回の現場にもいらして、少しでも成長した姿を見せなければとただならぬプレッシャーを視線から感じております。
まるでNHKの職員のように毎日毎日スタジオに通う日々は今となっては何にも代えられない経験で、スタッフみんなが家族のように思える宝物のような時間を過ごせたなと今、思い出してもグッときます。
――作品は、看護がテーマのひとつ。看護に関わる仕事との接点や思い出などについて。
入院経験はほとんどない私ですが、出産時の看護師さんにはたくさん救われたことを数年経った今も鮮明に覚えています。初めての経験ばかりで戸惑い、全身が痛かったりする中で、ほんの些細な声かけやアドバイスに何度も何度も助けられました。白衣の天使という言葉がありますが、まさにその名の通りだと思います。
大山捨松の夫
大山巌/髙嶋政宏
連続テレビ小説出演歴「純ちゃんの応援歌」

大山捨松の夫。時の陸軍卿で、後に初代陸軍大臣となる。
【髙嶋政宏さんのコメント】
――「風、薫る」に出演される意気込みをお聞かせください。
鹿児島に生まれ、せごどんの背中を追い続け、スイスに留学していた大山巌さんを今回、演じさせて頂きます。実はプライベートで鹿児島を物凄く愛し、さらにスイス人の奥さんがいる僕にとって、こんなにも幸せな役の巡り合わせがあるのか?! と、その感動に打ち震えております。さっそく東京•北の丸の銅像や西那須野の墓所、旧別邸を表敬訪問したんですが、その大きさ、そして何よりも平和を強く望んでいた志を深く感じました。そんな巨大な大山巌さんを「風、薫る」の中に出現させられるよう心して臨ませて頂きます。
――連続テレビ小説 出演について。
1988年後期の朝ドラ「純ちゃんの応援歌」以来、実に38年ぶりの朝ドラです! 当時はただただ無我夢中で日々を喘ぎながらも走り抜けていった記憶がありますね。
――作品は、看護がテーマのひとつ。看護に関わる仕事との接点や思い出などについて。
僕は小学生時代とにかく、やんちゃで怪我ばかり。しょっちゅう病院とくに看護師さんたちにお世話になった経験がありすぎて、ホントに頭が上がりません。
鹿鳴館の給仕
松山ふさ/二田絢乃
※連続テレビ小説 初出演

鹿鳴館の給仕。
【二田絢乃さんのコメント】
――「風、薫る」に出演される意気込みをお聞かせください。
初めてスタッフの皆さんとお会いしたとき、「おもしろいものをつくりたい」という熱意が強く伝わってきました。作品への深い愛情を感じ、“私もこの世界の一部になるんだ”と胸が熱くなりました。そんな場所に立てることが、とても幸せです。
松山ふさは、鹿鳴館で働く女性で、当時の規律や価値観の中でまっすぐに生きる人です。主人公たちの新しい考えに戸惑いやもどかしさを感じながらも、心の奥で何かが動いている――そんな揺らぎを丁寧に演じられたらと思います。
――連続テレビ小説 出演について。
小さい頃から、家では毎朝のように朝ドラが流れていました。家族が支度をする音やトースターの音と一緒に、テーマ曲が聞こえてくるのが日課でした。母校が描かれた作品が放送されたときは、とても誇らしくて、家族や友人と盛り上がったのを今でもよく覚えています。大人になってから見る朝ドラでは、登場人物のまっすぐな言葉や思いに、どきっとしたり、涙が出てしまうことが増えました。年齢や経験を重ねるごとに、心に響く場面が変わっていく。
その懐の深さこそが、多くの人に長く愛されている理由だと思います。朝ドラは、ひとりの人生を描くだけでなく、その時代を生きた人々の息づかいや、社会の空気までも映し出してきた作品だと思います。そんな作品に関われることができ、とても嬉しく思います。
――作品は、看護がテーマのひとつ。看護に関わる仕事との接点や思い出などについて。
看護と直接関係があるわけではありませんが、介助の仕事に関わっています。知的障がいを持つ方の一人暮らしを支えるもので、ご飯を一緒に食べたり、遊んだりする自立支援です。日々の支援の中でお風呂に入れる機会があり、「人に触れることは“人生に触れること”に近い」と感じる瞬間があります。仕事を始めたばかりの頃、目の前の人の背中を洗っているときに、「ああ、私はこの人の生活に関わっているんだ」と、背筋が伸びる思いがしました。言葉を交わさなくても、何かが伝わる――そんな不思議な感覚を初めて味わいました。
同時に、「私はこれまで誰かの背中を洗ったことがあっただろうか」とも思いました。家族でさえ経験のなかったことでした。
“触れる”という行為は、その人の生活をあずかること。医療や看護の現場では、きっとそれは“命をあずかること”に近いのだと思います。その重さを思うと、自然と頭が下がるような尊敬の気持ちでいっぱいになります。
今回の作品を通して、強い意志と覚悟を持って人に寄り添う方々の姿に触れられることを、とても楽しみにしています。
鹿鳴館の給仕
河合志麻/中田青渚
連続テレビ小説出演歴「らんまん」

鹿鳴館の給仕。
【中田青渚さんのコメント】
――「風、薫る」に出演される意気込みをお聞かせください。
この度「風、薫る」に出演させていただけることになりとてもうれしく思います。
衣装合わせをして服装やカツラからも明治時代の文明開化を感じており、流動的な時代を生きる女性を演じられることが楽しみです。
――連続テレビ小説 出演について。
「らんまん」に出演させていただきました。前回朝ドラ現場のチーム感を感じ、朝早くても夜遅くても雰囲気の良い現場だったので、緊張もあったのですが安心して飛び込むことができました。
また再び朝ドラの世界に入れることが嬉しいです。
――作品は、看護がテーマのひとつ。看護に関わる仕事との接点や思い出などについて。
妹が看護学生なので実習の話を聞いたり、勉強量を見ていて看護師という仕事の大変さを改めて感じ、看護に関わる皆さまへの尊敬の気持ちが大きいです。
鹿鳴館の給仕
木村佐保/井上向日葵
連続テレビ小説出演歴「ちむどんどん」

鹿鳴館の給仕。
【井上向日葵さんのコメント】
――「風、薫る」に出演される意気込みをお聞かせください。
出演決定の知らせを聞いた瞬間から、今でもずっと喜びの気持ちで胸がいっぱいです。
時代によって人々の当たり前や幸せのかたちは変化していきますが、私が演じる木村佐保は、時代の風潮を素直に受け入れ、自分にとっての幸せをまっすぐに目指すことができる女性だと感じています。
先日衣装合わせに参加して、皆さんとの撮影がより一層楽しみになりました! 作品を彩れるように精一杯務めたいと思います!
――連続テレビ小説 出演について。
朝ドラ初出演時はたくさんの方から反響をいただき、全国のいろんな人に愛されている番組であることを身をもって感じることが出来ました。
自分にとって“初”出演は特別でしたが、“2度目”もまた違った意味での特別を感じ、ワクワクしています!
「ちむどんどん」では盛大にドジをする役でしたので、今回は給仕として大きな失敗をしないように気をつけながら頑張りたいです!!!
――作品は、看護がテーマのひとつ。看護に関わる仕事との接点や思い出などについて。
学生時代に高熱で入院し、病室にひとりぼっちで不安な中、看護師さんが手際の良い処置と優しい声掛けでとても安心させてくれたことを覚えています。
後日その看護師さんがスーパーの買い物帰りに自転車に乗る姿を見かけ、自分と同じように日々の生活を送りながら人のために尽くす医療従事者の方をあらためて尊敬しました。
りんの家の隣人
中山マツ/丸山礼
※連続テレビ小説 初出演

りんの家の隣人。
【丸山礼さんのコメント】
――「風、薫る」に出演される意気込みをお聞かせください。
まさかお役目をいただけるとは!
台本を読んで異なる生い立ちのりんと直美の2人の人生軸が、ふっと交わる瞬間に思わず声が出るほど高揚しました!「これが朝ドラの主演が2人いるということだ」と期待に胸が膨らみ、その人生軸に交わることができ、りんの生活に寄り添うマツという役を大切に務めたいと思いました。
そしてPodcastで相方を務めさせてもらっている見上愛さんの主演の作品で、俳優としても、人間としての豊かさにおいても彼女を尊敬しているので、一緒に演じられることは少し緊張しますがとてもうれしく、しっかり対話のシーンもあるようでとっても胸が高鳴っております。作品に彩りを添えられたらなと思っております!
――連続テレビ小説 出演について。
過去の朝ドラ作品のオーディションを受けたことがありますが、さまざまなスタイルでオーディションなさるので、いろいろな俳優さんの演技を目の当たりにしたりそれもまた刺激的で。「まだまだだな。何も気づけなかった。できなかったー。」と肩を落としながら帰ることも多かったので、なんだか予想していなかった大チャンスが巡ってきて慄きながら大変光栄です。
――作品は、看護がテーマのひとつ。看護に関わる仕事との接点や思い出などについて。
私は高校を卒業した後にお笑いの養成所に通いましたが、高校3年生の秋にお笑いオーディションを受けるまでは保健室の先生を目指していたので、大学のオープンキャンパスで看護大学に行って白衣を着て赤ちゃんの模型を抱いてみたり、どんな授業をしているか見たり聞いたりした経験があります。命を扱う尊さを感じた記憶があります。
今はSNSでも夜勤明けのナースさんのVLOGを観るのがなんだかついハマってしまいます。こういう方達のおかげでいつ病院にかかっても診察してもらえる環境があるんだなぁと思ったりします。
謎に包まれた神出鬼没の占い師
真風/研ナオコ
※連続テレビ小説 初出演

謎に包まれた神出鬼没の占い師。
【研ナオコさんのコメント】
――「風、薫る」に出演される意気込みをお聞かせください。
最初にお話をいただいた時、「私に?」って耳を疑いました。この役に私を指名していただけたと言う事は大変光栄なことです。そして芸能界デビュー55周年目という縁を感じました。自分の経験と勘を発揮できるよう一生懸命務めさせていただきます。明治時代という激動の時代を生き抜いた主人公を不思議な角度から見守っていくという役どころです。この作品を通じて新しい時代の風を感じてもらえればと思います。
――連続テレビ小説 出演について。
朝ドラの出演は初めてです。
――作品は、看護がテーマのひとつ。看護に関わる仕事との接点や思い出などについて。
私自身も看護していただいたり、家族もお世話になっています。看護の世界を目指すこと、そして働くことは簡単なことではありません。なかなか出来ないことです。人々の生命と生活を支える専門職として、看護師が活躍する場はどんどん広がっていると思います。それを築いた時代を作品を通じて、私自身も確かめられればと思っています。
【制作統括/松園武大チーフ・プロデューサーのコメント】
明治初期の欧化政策の象徴とも言える鹿鳴館。
その代名詞的存在として知られる大山巌・捨松夫妻と鹿鳴館で働く女性たち。
そして、謎に包まれた占い師とユニークな隣人を今回発表いたしました。
一見、2人の主人公と交わりそうにない面々ですが、どう出会って、2人にどんな風を吹かせてくれるのでしょうか。
撮影は順調に進んでおります。チーム一丸となって共感していただけるドラマをお届けしますので、放送開始はまだ少し先ですが、ご期待ください。
2026年度前期 連続テレビ小説「風、薫る」
2026年春 放送スタート
毎週月曜~土曜 総合 午前8:00~8:15ほか
【物語のあらすじ】
明治18(1885)年、日本で初めて看護婦の養成所が誕生したのを皮切りに、次々と養成所が生まれた。そのうちの1つに、物語の主人公・一ノ瀬りん(見上愛)と大家直美(上坂樹里)は運命に誘われるように入所する。不運が重なり若くしてシングルマザーになった、りん。生まれてすぐ親に捨てられ、教会で保護されて育った直美。養成所に集った同級生たちは、それぞれに複雑な事情を抱えていた。手探りではじまった看護教育を受けながら、彼女たちは「看護とは何か?」「患者と向き合うとはどういうことか?」ということに向き合っていく。
りんと直美は、鹿鳴館の華といわれた大山捨松(多部未華子)や明六社にも所属した商人・清水卯三郎(坂東彌十郎)らと出会い、明治の新しい風を感じながら、強き者と弱き者が混在する“社会”を知り、刻々と変わり続けていく社会の中で“自分らしく幸せに生きること”を模索していく。
養成所卒業後、2人は同じ大学病院でトレインドナースとしてデビュー。まだ理解を得られていない看護の仕事を確立するために奮闘の日々を送っていたが、りんは程なくして職場を追われることに。一方、アメリカ留学を夢見る直美は渡航直前に思わぬできごとに巻き込まれ……。
やがて、コレラや赤痢などさまざまな疫病が全国的に猛威をふるい始める。一度は離れ離れになった2人だったが、再び手を取り、疫病という大敵に立ち向かっていく。
脚本:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
制作統括:松園武大
プロデューサー:川口俊介、葛西勇也
演出:佐々木善春、橋本万葉、新田真三、松本仁志ほか