ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、松野フミ役の池脇千鶴さんから、第35回の振り返りをご紹介!
池脇千鶴さん振り返り
――トキ(髙石あかり)が物乞いとなったタエ(北川景子)の姿を目にしたことで、ヘブン(トミー・バストウ)のラシャメン(洋妾)になる覚悟で女中を引き受けていたことを知ります。フミがトキに激怒するシーンの撮影はいかがでしたか?
わが子が家族のためにお金のことを気にして、自分の身体を売ろうとまでしたことに対して、私としては、なんてバカなことを考えたんだって伝えたかったのだと。だから、「怒る」ではなくて、「叱る」ですよね。「教える」というか。子どもにそんなことをさせた自分たちも情けないんだけれども、トキ自身も一人の人間として、もう一度立ち返って考えてほしくて叱ったんだと思います。感情をぶつけるだけじゃなくて、トキにそんなふうに思わせてしまって悔しいし、自分のことをまず一番に考えなさいって教えたかったんだと思います。

――なるほど。お金よりも自分を大切にしてほしかったんですね。
言葉で言うのは簡単なんですけど、お金がないと生きていけないのも事実ではあるし、トキにそうさせてしまっているのも我々だから、本当に情けないんですけど。でも、踏み出してはいけないところに進んでしまった、そういう過ちが親としてはたまらなかったんでしょうね。フミとしては、今一度トキにわかってほしいという気持ちがあったんだと思います。