しば犬発祥の地といわれる島根県益田市で、現在放送中のドラマ10「シバのおきて~われら犬バカ編集部」主演の大東駿介さんを迎え、トークショーが行われました。
「シバのおきて」は柴犬しばいぬ専門雑誌の編集部を舞台に、絡まりもつれた人の心をやさしく解きほぐしていくヒューマンストーリーです。

11月22日(土)に行われたイベントは、制作の内藤愼介プロデューサーや地元・益田市の関係者の方々もお迎えして盛り上がりました。その様子をご紹介します。 
(※NHK財団ではこのイベントの制作を担当しました) 


会場の“ふれあいホールみと”では正面に巨大な幕も掲げられ、開場前から多くのお客様がつめかけました。 県外から訪れたという人も100人ほどいらしたそうです。

大東駿介さん(中央)と内藤愼介プロデューサー(右)

益田市観光協会の河上会長のご挨拶のあと、お待ちかねの大東駿介さんの登場に、会場は大きな拍手と歓声に包まれました。

まず、ドラマの振りかえり映像が流れ、内藤プロデューサーが「人が一所懸命になる“バカになる”ことの大切さを描きたかった。主人公は今の時代、ある意味コンプライアンスに反するようなキャラクターだが、大東さんの持つ人間性・温かさでうまく表現することができた」と話しました。

続いて大東さんが「自分が主役というよりは、ワンちゃんが主役で自分は理解者としてケアする役割だな、と。ワンちゃんをとおして、ドラマを見てくださった方の心の支えになるような、リフレッシュできるような作品になれば」など、オファーを受けたときの感想や作品との向き合い方を語りました。

そして「共演がワンちゃんということで、実際収録になると、俳優陣のこうしたいというお芝居と合わないことがあって、それが逆に楽しかったですね。ワンちゃんたちには本来の姿で、できるだけ自由に演技してほしいと思っていました。それに、ワンちゃんが頑張っているのにこっちは失敗できないな、という緊張感もありました」と話して会場が和みました。 

主役の相楽という犬専門誌の編集長については「 (演出の方から)大東さんの“人当たりの良さ”を消してください、と言われました(笑) 」とのことで、大東さんは「自分の仕事に熱意があり、まわりが見えなくなる人、熱量がある人」として演じていたそうです。 

印象に残ったシーンとして挙げたのは、シバたちとの散歩のシーン。実はクランクインがこの散歩だったそうで、「犬のペースで歩くことでいつもと違う景色や空気を感じられる大切な時間だと感じた」と話しました。 

また、 “ふくちゃん”=福助役のシバは実は3頭いた、と舞台裏の話も披露。
一番メインで出ていたのは「のこ」で、ほかは「きなこ」と「はな」が分担していたそうです。 
「のこ」は一番の芸達者。例えば「ここで寝て」と言えばすぐ演技できる子だったそう。
「きなこ」はクールビューティーでいつも冷静。
「はな」はとにかく大東さんが大好きで、べったり仲良くするシーンは「はな」で撮影することが多かったということです。 
シーンによっては大東さんの助言で、撮影するタイミングを変更することもあったそうです。

続いて「柴犬の聖地」としての益田市と柴犬の深い関係について、益田市観光協会の柴田健治さん、柴犬の歴史を調査しているせきしゅう犬研究室主宰の河部真弓さんが登場。 

観光協会の柴田さんはステージにご当地キャラクター“しばいっぬ”を連れてきました。柴田さん実はこの「しばいっぬ」の生みの親。島根県の人気キャラクター“しまねっこ”(こちらはネコです)を尊敬しているそうです。
これには大東さんも思わず「かわいいな~」と感激!
柴田さんからは、地元の萩・石見空港では第1土曜日と第3日曜日に柴犬のお出迎えがあること、死んでしまった愛犬・シバの面影を求めて、わざわざ空港に会いに来てくれた人がいたこと、などエピソードが紹介されました。

一方の河部さんは現在の柴犬のルーツといわれる「石号いしごう」とその後の系譜について長年にわたり調査・研究を続けています。子孫を残すことができた強運の犬、石号が柴犬のルーツであること、それを伝える活動が徐々に広がってきていることを熱くお話しくださいました。 

お別れに、会場の皆さんとともに記念撮影を行いました。(※この記事のトップ画像です)

12月2日(火)の放送がいよいよ最終回。ドラマもどのようなラストを迎えるのか、お楽しみに! 

(取材・文 展開・広報事業部 冨澤緑)