NHKが主催する教育コンテンツの国際コンクール「日本賞」。第52回を迎えた今年は、世界58の国・地域から373の作品と企画が寄せられました。NHK財団は日本賞の事務局支援業務やイベント運営業務を担っています。
11月17日~20日には「日本賞映像祭」として、東京・原宿のWITH HARAJUKU HALLに、日本賞の各部門で最優秀賞や優秀賞を受賞した作品の制作者や審査委員を迎えて、作品の上映会と、来場者とのディスカッションが行われました。

会場には、各国の番組制作者やジャーナリストに加え、映像や教育コンテンツに関心をもった一般のみなさんも参加申込をされており、メディアについて学ぶ大学生の姿も多くみられました。
それぞれの作品の上映後には、参加者が作品に関する感想や質問を、専用のアンケートシステムに投稿する時間が設けられ、各自のスマートフォンで熱心にメッセージを投稿していました。
投稿されたメッセージは、会場全体で共有され、さまざまな場所や文化の中で暮らす参加者たちが、作品に対してどんな意見をもったのか、参加者たちは興味津々でした。共有されたメッセージをもとに、制作者によるトークセッションが行われ、演出の意図や、番組作りのプロセス、きっかけになった制作者自身の経験などにも話がおよび、作品についてだけでなく、制作者の信条や、パーソナリティについても理解を深めることができました。

作品の上映後、会場内で近くに座った参加者同士でディスカッションを行う時間が設けられ、日本や海外の放送関係者はもちろん、通訳のサポートを介して、自分の意見を述べる日本の大学生の姿もみられました。さまざまな国や地域から、それぞれ立場の異なる参加者が集まると、同じシーンの感想であっても、とらえ方が違うため、ほかの参加者の意見に対して、時に驚き、笑い、共感しあっていました。
放送を通じて、異なる文化に触れるとともに、相手のバックグラウンドに思いをはせ、認め合う、温かい雰囲気のひとときとなりました。作品の内容や番組制作だけでなく、異文化交流や多文化共生についても考える場になったのではないかと思います。
グランプリ日本賞にはエジプト・フランスからの作品が決定
最終日(11月20日)の「授賞式」で発表された「グランプリ日本賞」には、エジプト南部の都市部から遠く離れた村で活動する、少女だけの演劇グループを取り上げた『夢と運命の境界で エジプト 少女たちの岐路』(エジプト・フランス)が選ばれました。
4年にわたって撮影されたこの作品は、少女たちが子どもから大人へと成長し、人生で最も重要な選択に直面する姿を追ったものです。

「グランプリ日本賞」の受賞作品をはじめ、今回の映像祭で上映された作品は、日本賞の特設サイトで12月8日まで、「日本賞映像祭」会場でのトークセッションの様子は12月14日までオンデマンド配信されています。
(作品はいずれも英語版ですが、日本語字幕付きでご覧いただけます)
ぜひ、以下のホームページからお申込みのうえ、ご視聴ください。
また、年末には特集番組も放送される予定です。
世界の教育コンテンツや、制作者の思い、「日本賞映像祭」会場の熱気をたっぷりとお楽しみください!
日本賞の特設サイトはこちら ※「参加登録」をすると、動画を視聴できます
※ステラnetを離れます
日本賞ホームページはこちら
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【日本賞特番「未来を創る世界の教育コンテンツ 日本賞2025(仮)」放送予定】
(第1部)12月27日(土)Eテレ 午後2:00~4:40
(第2部)12月28日(日)Eテレ 午前0:00~0:30 ※土曜深夜
第1部では、最優秀賞をはじめとした受賞作品が放送されるほか、今回の映像祭で語られた受賞作の制作秘話なども紹介します。第2部では、青少年向け部門で優秀賞を受賞した「はなしちゃお! ~性と生の学問~」が放送されます。
(取材/文 展開・広報事業部 堀田伸一)