NHK財団が主催する「インフォメーション・ヘルスアワード」。第3回を迎えた今年は、過去最多となる246件ものご応募をいただきました。10代から60代まで、全国の幅広い世代の皆さまから、多様な視点と創意工夫に富んだアイデアをご応募いただき、心より感謝申し上げます。
本アワードは、私たち一人ひとりが情報のバランスを意識し、「情報的健康」を実現するためのアイデアや社会実装の取り組みを表彰し、その成果を広く社会に発信することを目的としています。今年も、さまざまな視点から情報空間の未来を切り拓く作品が集まりました。
※受賞作品の詳細はアワード公式サイトにてご覧いただけます。 ※ステラnetを離れます

情報空間の課題への意識が高まる――今年の応募作品に見る傾向
「インフォメーション・ヘルスアワード」は、情報社会における課題と向き合うためのきっかけやツールとして、学校教育だけでなく企業や地域活動など、社会のさまざまな場面で活用されています。回を重ねた今年は、情報との健全な関わりを求める新しい潮流が鮮明に見えてきました。
応募作品には、偏りなく情報を受け取りたい、フェイク情報に惑わされず確かな情報を手にしたいという意識が強く、また特に若い世代からは、スマートフォンやソーシャルメディアの使い過ぎを防ぎたいという切実な思いを背景にしたアイデアが目立ちました。
この「使い過ぎ」への懸念は、長時間利用による睡眠不足や学力の低下、ソーシャルメディア依存によるストレスや不安の増加、さらには情報過多による判断力の低下や偽・誤情報拡散といった問題に根ざしています。こうした課題は、日常生活や学習環境に深刻な影響を及ぼすため、若い世代を中心に強い問題意識が生まれています。
背景には、偽・誤情報の蔓延に加え、アテンションエコノミー(人々の注意を奪い合う経済構造)、エコーチェンバー(同じ意見ばかりが集まる現象)、フィルターバブル(情報が偏る仕組み)といった現代的な情報課題への問題意識の高まりがあります。
アイデアをカタチに
今年の応募作品は、単なる問題提起にとどまらず、技術的な仕組みや教育的アプローチを組み合わせ、実装や応用を視野に入れたアイデアが多く寄せられました。これらの応募作品にみられる実践的なアイデアによって、情報課題への対応を、社会で活用できる具体的な解決策へと進化させています。
「インフォメーション・ヘルスアワード」は、情報課題と向き合うためのきっかけやツールとして、社会全体で情報との健全な関わりを促す、一人ひとりが望む「情報的健康」を得るための具体的な手段として発展しています。
受賞作品のご紹介
【社会実装部門】
■グランプリ
・「Think Critical: 認知の罠を見抜くLLM ― 批判的思考を育む次世代リテラシーツール」
株式会社TDAI Lab 代表取締役社長 福馬智生
■優秀賞
・「情報健康カードゲーム~インフォボンバー~の提案」
モノづくり大作戦 北島慶士
【アイデア部門】
■グランプリ
・「ニュースの答え合わせ365」
会社員 古井菜月
■準グランプリ
・「インフォメーション・フードのリスク成分表示-情報添加物・汚染物質・アレルゲン-」東京大学大学院工学系研究科 吉田塁研究室 小林千晃
■特別賞
・「広告のすき間で、ちょっとだけ社会知っとく?~社会のこと、広告にこっそり仕込んどきました~」
同志社大学社会学部メディア学科 佐野美颯
・「特別支援学級における情報的健康教育の実践」
仙台市立郡山中学校 教諭 高橋香織
・「ニュース多角メガネ~ニュースの偏りを見抜くカードゲーム~」
駒場学園高等学校 戸田悠豊
・「情報発信の信頼性向上を促す経済構造の提案」
中村実樹
・「多対一の構図を可視化する投稿前ピクトグラムUI」
藤田亜由美
・「一匹狼と見つける『取り残される喜び』:JOMOで開く自分らしい時間」
大阪大学社会心理学研究室 阪大社心2025
※各作品の詳細はアワード公式サイトにてご覧いただけます。 ※ステラnetを離れます
表彰式およびシンポジウムは12月末に開催予定です。当日の模様は2026年1月末を目途に公式サイトにて配信いたします。
健全な情報空間のために、これからもご一緒に

今後も、「情報的健康」という新しい価値観のもと、独創性や挑戦的な発想がさらに生まれることを期待しています。これまでにない新しい視点やアイデアが、社会や日常生活に新たな気づきや変化をもたらしていくことでしょう。
第4回インフォメーション・ヘルスアワードの応募概要は、2026年3月を目途に公式サイト等で発表予定です。多くの皆さまのご応募をお待ちしております。
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