NHK財団ではさまざまな展示会を企画・制作しています。
現在、群馬県高崎市で、日本しゅう作家・草乃しずかさんの作品展が開催されています。(~5月31日[日]まで)


源氏物語の雅を、絹と花で表現する

草乃しずかさんの作品 『源氏物語』より「紫式部」など

本展では、『源氏物語』の世界を題材に、登場人物や物語の情景を「花」に託し、日本刺繍ならではの表現で描き出しています。

千年の時を超えて読み継がれてきた物語の情緒や余韻を、絹糸の重なりによる色彩と光で表現した作品は、文学と工芸が響き合う、静かで豊かな世界を生み出しています。

「飛翔―桜伝説―その1」(部分)

日本刺繍は、絹糸を一本一本重ねて縫い上げるため、他の刺繍とは一線を画す、深くやわらかな光沢が特徴です。本展では、作品をより近くで鑑賞できる展示となっており、繊細な縫い目や模様の美しさ、糸の重なりが生み出す奥行きを、より間近で実感することができます。

初日のギャラリートークで

日本刺繍作家の第一人者、草乃しずかさんは、今回の開催にあたって、次のように話しています。

草乃「日本刺繍を行ううえで“絹”は必要不可欠なものです。その絹のふるさとである『日本絹の里』で、2019年以来の2回目となる展覧会を開催できることをとても光栄に思っています。里帰りをするような気持ちで、今回もここに来ました。『源氏の君』で皆様をお出迎えします」

 『源氏物語』より掛け軸「雲隠れ」(部分)
『源氏物語』より「六条御息所」など

会場では、草乃さんが長年向き合ってきた日本刺繍の技と、艶やかな絹糸が魅せる美しい作品の数々が来場者を迎えます。


絹のふるさと「日本絹の里」で味わう日本刺繍

会場の「日本絹の里」は、絹の歴史や群馬における養蚕・製糸・染織の歴史、技術、製品開発を紹介する常設展示を備えた博物館です。

絹を使った染色体験や機織り体験などを通して、伝統ある群馬県の蚕糸絹産業や絹文化、そして蚕糸技術の継承の重要性を発信しています。また、企画展や体験教室も随時開催されています。常設展示ではボランティアスタッフによる解説も行われ、楽しみながら学ぶことができる施設です。

『源氏物語』より 訪問着「浮舟」(部分)

絹糸が織りなすやわらかな光と、花に託された『源氏物語』の世界。
「日本絹の里」という特別な場所で、千年の物語と日本刺繍の美を、じっくりと味わってみてはいかがでしょうか。

日本刺繍作家 草乃しずか(略歴)

1944年 石川県くい市生まれ
1967年 フランス刺繍「森山多喜子教室」に参加
1969年 丹羽正明氏に師事し日本刺繍をはじめる
1978年 NHK文化センター講師
1987年 NHK「婦人百科」に出演
1996年 銀座ミキモトホールで個展開催
以降、日本各地のほか、イギリスやアメリカ、台湾・香港などでも展覧会や講習会を実施。NHK主催の手芸展や国際キルトフェスティバル等にも多数出展し、一貫して日本刺繍の普及活動に邁進まいしんしている。


「草乃しずか日本刺繍展 源氏物語を花で装う」

4月11日(土)~5月31日(日)
会場:日本絹の里 群馬県高崎市金古町888-1
開館時間:9:30~17:00
休館日:毎週火曜日 ※5月5日(火・祝)は開館
入場料金:一般400円、大高生250円、中学生以下無料
主催・会場:群馬県立日本絹の里 https://www.nippon-kinunosato.or.jp(※ステラnetを離れます)
企画制作:NHK財団
企画協力:アトリエ草乃しずか
後援:上毛新聞社、群馬テレビ、株式会社エフエム群馬

企画展「草乃しずか日本刺繍展―源氏物語を花で装う―」 | 群馬県立日本絹の里公式サイトはこちら(※ステラnetを離れます)


(取材/文 NHK財団 展開・広報事業部 橋本弥生)

展覧会の開催についてのお問い合わせはNHK財団 展開・広報事業部へどうぞ。