「筋肉は裏切らない!」の決めぜりふでおなじみの谷本たにもとみちさん(52歳)。“筋トレ”ブームをけん引する谷本さんに、自身の歩みと筋トレの魅力、そしておすすめのトレーニング方法についてお聞きしました。

聞き手 堀越将伸

この記事は月刊誌『ラジオ深夜便』2025年9月号(8/18発売)より抜粋して紹介しています。


サラリーマンから、筋肉研究者に

──谷本さんは、高校卒業後に、大学の工学部に進学されたんですね。

谷本 はい。当時から「筋肉について学びたい」との思いはありましたが、進むべき学部が見つかりませんでした。あれこれ悩んで、結局工学部への進学を決めました。

大学卒業後は、「地図に残る仕事ってかっこよさそう」という漠然としたイメージから、建設コンサルタント会社に就職しました。実は、僕がサラリーマン時代に設計したトンネルが、日本各地に結構あるんですよ。やりがいはありましたが、とにかく忙しくて帰宅はたいてい終電か泊まり。「つらいなあ」と感じていたとき、『月刊ボディビルディング』という雑誌を見つけたんです。

──ボディービルディングの専門誌ですね。

谷本 はい。今はどこの書店でも見かけますが、当時は違いました。たまたま見つけて読んでみたら、めちゃくちゃおもしろい記事が載っていて。筋トレを生理学の基本からひもといたもので、理論と実践に基づく内容に感銘を受けました。

記事を書いていたのは、そのころ東京大学大学院助教授で、ボディービルのアジアチャンピオンでもあった石井直方なおかた先生。頭脳も筋肉もとんでもない人がいるもんだと驚きました。「石井先生のところに行けば、今のつらい状況を抜け出して、自分のやりたいことができるんじゃないか」。そう思って、早速先生に連絡してみたところ、快いお返事をいただき、すぐさま先生が在籍する大学院への進学に向けて受験勉強を始めました。


「筋肉体操」を通じて伝えたかったこと

──谷本さんは現在、「おはよう日本」の「おはSPOスポ筋肉体操」というコーナーで、筋トレ指導をされています。番組を通じて伝えたいことはどんなことですか?

谷本 このコーナーのもとになった「みんなで筋肉体操」の放送がスタートするときは、「本格的にトレーニングしている人にも通用するような、王道の筋トレ番組を作りたい」ということでオファーをいただいたんです。もちろんそのコンセプトに異論はありませんでしたが、同時に「最終的には、高齢の方にも筋トレを広げられるような番組を目指したい」とも思っていました。筋トレは、今や筋トレ愛好家だけのものではなく、みんなのものになりつつある。特に、中高年の皆さんこそ筋トレが必要で、それを広めるべきだと考えていたからです。

──中高年の人ほど筋トレが必要だと思われるのは、どうしてでしょうか。

谷本 筋肉が大幅に落ちるくらいまで長生きする人が増えたからです。

※この記事は2025年5月30日、31日放送「筋肉を通じて“前向きなことば”を伝える」を再構成したものです。


「筋肉は裏切らない!」といった“谷本語録”が生まれた理由や、中高年におすすめのトレーニング方法など、谷本さんのお話の続きは、月刊誌『ラジオ深夜便』9月号をご覧ください。

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