ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、いせたくや役の大森元貴さんから、第101回の振り返りをご紹介!


大森元貴さん振り返り

――「手のひらを太陽に」を嵩(北村匠海)の前で作曲しながら歌うシーンは、いつ撮影されましたか?

あのシーンは、ミュージカルの前日稽古で 「見上げてごらん夜の星を」を歌った場面の収録後に、続けて撮影したんです……。なかなかハードですよね(笑)。

――どんな感情が湧きましたか?

「手のひらを太陽に」で言うと、いずみたく先生がやなせたかしさんの歌詞を一言一句変えなかったという史実が、僕はとても印象に残っています。嵩が書いてきてくれた歌詞にえらく感銘を受けて、その場で、瞬時にメロディーが湧いてくるというシーンなのですが、事前にイメージしてもしょうがないので、その場の空気でどのようになるか、僕もたくやにライドする形で撮影に臨みました。

僕はもちろん、俳優業は生業なりわいというか本業ではないですし、それでも僕の可能性を信じてお声がけいただいたというところもあるので、僕がドヤドヤと何かを作ってくるというよりも、その場の空気や音楽に対する愛情に常に誠実であることが、今回の役目を果たすうえでいちばん重要なことなのかな、と個人的に思っています。

――いずみたくさんのことを事前に詳しく調べられたそうですが、いずみさんの作品では何が好きですか?

うわーっ! そこ聞きますか!(笑) どの曲もすごいし、何が好きかと言われても……。遺伝子レベルで口ずさめる楽曲が多いですし、CMソングもそうですし、「いい湯だな」とか、「これも? えっ、あれも?」みたいな。

でも、やっぱり「見上げてごらん夜の星を」と「手のひらを太陽に」には、自分自身が撮影をしたこともあって、ちょっと特別な思いがありますね。「見上げてごらん」に関しては、撮影の日にいずみたく先生のご親族の方が現場にいらっしゃって歌を聴いてくださり、事務所の方も涙してくださったということもありますし。そういう巡り合わせだったり、タイミングだったり、何にも言い換えられないような感動を覚えてしまうと、どうしても特別な楽曲になりますね。