社会に衝撃を与えた未解決事件を独自取材で追跡するプロジェクト「未解決事件」。10月から始まる新シリーズの初回で取り上げるのは、1995年に起きた「八王子スーパー強盗殺人事件」です。
事件から30年、解決への壁になっているのは? 犯人はどこに? 30年目の深層に迫ります。


【番組概要】
歴史的な事件を徹底的な調査報道でひもといてきたNHKスペシャルの名物シリーズ「未解決事件」。
10月からは定時番組としてスタートします。新事実・証言を掘り起こすと同時に、現代とのつながりや教訓を浮かび上がらせます。社会、経済、地方、海外と多岐に渡る未解決事件と、その“闇”に挑みます。


File.01(前・後編)八王子スーパー強盗殺人事件

10月4日(土)、10月11日(土)

1995年7月30日、東京都八王子市大和田町のスーパー・ナンペイの事務所に何者かが押し入り、アルバイトの女子高校生2人とパート従業員の女性3人の頭部を拳銃で撃って殺害、逃走した強盗殺人事件。金庫にあった約526万円は取られておらず、目的は不明。
警察はのべ22万人以上の捜査員を投入したが、今も犯人は特定されぬまま、平成の犯罪史に刻
まれる未解決事件となった。

2010年に時効が撤廃され、現在も捜査が続けられている。
私たちは警察の過去の捜査資料などを分析、捜査関係者や目撃者ら200人以上を取材。事件当
日に何が起きていたのか、捜査は犯人にどこまで迫り、何が壁となっていたのか、そして、犯人はどこにいるのか……30年目の深層に迫る。


File.02 北朝鮮 拉致事件

10月18日(土)

ごく普通に暮らしていた日本人がある日突然、北朝鮮の工作員に連れ去られた「北朝鮮拉致事件」。2002年に5人が帰国したものの、12人がいまだに帰国を果たせず、我が子の帰りを待つ親は次々と他界している。なぜ事件は未解決のままなのか。

今回、長年北朝鮮とたいしてきた外事警察の捜査官や幹部、外交官など100人を超える関係者を取材。日本人の失踪事案が相次いだ1970年代後半からの15年間を改めて取材、そこから見えてきた事件の“深層”とは。そして、国交のない北朝鮮の工作員たちに外事警察はどう対処していたのか。知られざる攻防に迫る。


File.03 地面師詐欺事件

10月25日(土)

ドラマ化で大きな話題になった「地面師詐欺事件」。
積水ハウスから55億円を超える巨額をだまし取った事件は、17人の逮捕者を出し、10人が有罪判決。一定の解決をみた。しかし、今年に入り、獄中の主犯格の男から「自分は地面師グループではない」と訴える手紙が取材班に届いた。

さらに警察への徹底取材からは「狡猾こうかつな詐欺グループと、見抜けなかった大企業」という単純な構図ではない、事件の新たな真相が浮かび上がってきた。
地面師グループ、積水ハウス、不動産業者、警察など多角的に調査報道を行い、なぜ積水ハウスという大企業がだまされたのか、いまだ不可解な点が残る謎に迫る。


【「未解決事件」キャスター兼メインナレーター/和久田麻由子 アナウンサーのコメント】

過去のNHKスペシャルの放送を見ても非常に重厚なテーマを扱う番組なので、果たして自分のアナウンスの力量と経験で務まるのだろうかと、重い責任を感じると同時に、大きなチャレンジだと思っています。事件そのものや、当時の社会的背景・時代的背景、取材に応じてくださった方々の心情に自分なりに一歩でも近づいて、視聴者の皆さんを番組の世界へご案内する橋渡し役になれればと思っています。


【「未解決事件」制作統括/小笠原卓哉チーフ・プロデューサーのコメント】

これまで年に1度ほどのペースで放送してきた、「NHKスペシャル・未解決事件」を、来月から毎週土曜日にレギュラー放送することになりました。
これまでは主に社会を震撼しんかんさせた歴史的大事件について、調査報道から新事実や新証言を掘り起こし、ドラマとドキュメンタリー、それぞれの視点から事件の像を浮かび上がらせることに挑んできました。
新シリーズでは、その精神を受け継ぎつつ、ウィークリー放送の強みをいかして、過去の大事件に加えて、記憶に新しい近年の事件、扱う事件の分野をさらに広げて取材制作していきたいと考えています。


「未解決事件」

10月4日放送スタート

毎週土曜 総合 午後10:00~10:50
毎週水曜 総合 午前0:35~1:25 ※火曜深夜(再放送)

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