現在放送中の、夜ドラ「いつか、無重力の宙で」。高校時代に「一緒に宇宙に行こう」と夢を語り合った元天文部の女子4人組が、30代になってから仲間とともに宇宙への夢を拾い直す、2回目の青春の物語です。
これまで出演者からのメッセージをお届けしてきましたが、最終週を迎えた今回は、天文部の4人(望月飛鳥役・木竜麻生さん、日比野ひかり役・森田望智さん、水原周役・片山友希さん、木内晴子役・伊藤万理華さん)による座談会。彼女たちが高校時代から通ったファミレス「ロメット」からお送りします。
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【木竜麻生さん×森田望智さん×片山友希さん×伊藤万理華さん対談】

――初めて会ったときのお互いの印象はいかがですか。
木竜麻生 「会う前の印象」と「会った後の印象」のギャップで言えば、望智ちゃんかな。
森田望智 どんなイメージだった?
木竜 自分の中でイメージを作り出していたんだよね。もっと、現場でキュッと集中する感じの「お仕事モード」の人なのかと思っていた。そうしたらスタートから、心の扉が「パッコーン!」ってあいていて「こんなに話しやすい人なんだ」ってすごく意外だった。
森田 麻生ちゃんは、人に合わせることができるよね。話し方とかトーンとか。だからみんなに「初めまして」な感じを与えない。
伊藤万理華 それはやっぱり、みんなと接するために意識したの?

木竜 意識したってわけではないけど、自分が「緊張しい」なのを知っているから、私の緊張のせいで仲良くなるのが遅くなったら嫌だなと思って。ちょっとでも話がしやすいほうが、みんなのストレスにならないかなって。そういう状態にはしたいなと。
伊藤 うん、すごく伝わった。その空気感が。
森田 優しさだね。
片山友希 麻生ちゃんは優しい。本当に。
森田 私の中でいちばん変わったのは友希ちゃんかも。
木竜 たしかに。
伊藤 私もそう。
片山 私って言われると思った。
全員 (笑)
片山 人見知りやから。私、最初はあんまりみんなの目を見てしゃべらなかったし、怖いイメージがあるやろうなって思ってた。
森田 でも万理華ちゃんも人見知りだよね。

伊藤 そこまで人見知りしてたかな? 最初「どうしよう」と思ってた。同世代の女の子4人が集まる現場が初めてで、緊張した。だからこんなにしゃべれるようになるなんて想像もしてなかった。
木竜 思っている以上におしゃべりが好きだなって思った。
伊藤 大好き、おしゃべり。
森田 でもさ、本当にずっと4人でしゃべってたよね(笑)
片山 しゃべってた(笑)
――それぞれ自分の役をどういう人物だと思いますか?
木竜 いちばん最初に南野プロデューサーや演出部の皆さんと話していて印象的だったのが、「飛鳥は『誰か拾ってくれないかな』ってみんなが思っているルーズボールを拾い続ける人」という言葉で。私も演じてみてそれはすごく思ったし、「誰かが笑っていない」とか「誰かに何かありそう」ということがすごく気になるし、気をつかう人だなという印象。そこは少し自分自身と近いところでもあって、最終的に役を捉えるときに意識していたかな。
森田 飛鳥は何にいちばん気をつかっていたんだろう?
木竜 たぶん、人といる空間において、「自分がどの立ち位置にはまればいいか」とか、「どうしたら今この場が円滑に進むだろう」みたいなバランスを常に考えている人だなって。
森田 それって麻生ちゃんだ。
伊藤 そうだよね。重なるよね。みんなは?
森田 ひかりは、台本に「太陽みたいな人」って書いてあって、人の「ここまでしかできない」とか「これ以上は無理」っていう想像の域をポンッて飛び越えられちゃう人なんじゃないかと思って。周りの人たちを巻き込んで、相手の可能性を広げることのできる人。でも、ひかりはみんなに可能性を広げてもらったって意識があるから。それは演じながら発見したことで、すごく面白かった。

片山 周は、人に甘えられるところとか、自分と似ているところがあるなと思った。演じるうえでいちばん気をつけたのは、喜怒哀楽を強く出したいということ。怒るときはすごく怒るし、悲しいときは一緒に泣くし。特に「泣こう」と思ってなくても、自然に出てくるものがあったりして。「あ、これはきっと周の自由なところが表現できたな」なんて思いながら。
森田 気持ちが豊かだったよね。ひかりがいろいろと話すとき、周の顔を見たときにぐっと心が揺さぶられたよ。
伊藤 晴子は、大人になった天文部の仲間に入ったのは最後だけど、行動するのはいちばん最初だったんだよね。プロジェクトに入ってから、すごく生き生きしてくる。シングルマザーの晴子は、言ってみれば他の3人とは違って、そういう「夢」みたいな場所からいちばん最初に離脱した人。だから、一度やると決めたら、高校生のときから持ち合わせていた「猪突猛進」の部分が出てくる感じ。
――あなたにとって天文部とは?

森田 4人のシーンを撮っているとき、私は「素」でいられるんだよね。その状態が「好きなことに対して細かいことを一旦何も考えず、夢に向かって一直線に進む飛鳥、ひかり、周、晴子」と似ているなと思って。
素でいられる瞬間と、脇目もふらずに好きなものを目指す瞬間って、リンクする気がする。
伊藤 大人になると「そのままでいられる場所」ってあまりなくなってくる。でも、同じ年代の4人で同じ年代の役をやってみて、この年齢になって、それぞれがいろいろ体験してきたからこそ、話せることがあるんだなってすごく思った。
片山 仲良くなれてよかったよね。
木竜 自分が自分のままでいられる4人って感じ。それが天文部なのかな。
伊藤 控え室からずっとしゃべっていたもんね。
森田 カメラが回る直前までだいたい友希ちゃんがしゃべっている。「あんな〜」って(笑)。
片山 めっちゃかわいいやん(笑)。
木竜 「ただ話す」ってことが新鮮だった。友希ちゃんが「何気ない話」をたくさんしてくれるんだよね。私が肩が凝ってると言ったらマッサージしてくれて、「このマッサージオイルがいいらしいよ」とか教えてくれた。たぶん私みたいなタイプが4人いたらこんなに仲良くなれなかったと思う。「何気ない話」を発信してくれる人がいて、乗っかってくれる人がいて。だからこんなに仲良くなれたと思う。
森田 カメラが回っても、控え室での会話の延長みたいな感じだったよね。だから自分の気持ちがうそをついてない。どのシーンでもうそなく居られて、お芝居みたいな気持ちがしないまま、ひかりのままでいられた。
伊藤 たしかに。私もこの4人でいると自然と晴子になってる。立ち位置が、もうそこになっているっていうか。
木竜 すごい仲良しじゃん。
森田 そうだよ。大好きじゃん、私たち(笑)。
片山 うん。
伊藤 というか、対談始まってから友希ちゃんがずっと静かだけど。
片山 苦手なんやもん、こういうの(※取材時は番宣番組用のカメラが回っていた)。
森田 友希ちゃんがふだんいちばんおしゃべりで面白いのに(笑)。
片山 みんなしっかり話してくれているから、私しゃべらんでいいなと思って。
木竜 しかも最後の最後に「しゃべらんでいいな」って。
伊藤 それが友希ちゃん。
全員 (笑)
木竜 4人でこんな感じで仲良くしながら、でもお互いちょっとずつ譲れないところは譲らずに気持ちを持ち寄って、たくさん話しながら撮影した作品だった。それぞれ抱える背景も違うので、4人誰かの思いに共感して「ああ自分もこう思うなぁ」と思いを馳せてもらいながら、「いつか、無重力の宙で」を楽しんでいただけたらうれしいですね。
【第8週(最終週)あらすじ(10/27~10/30)】
飛鳥(木竜麻生)たちは、宇宙空間で衛星が上手く作動するかの試験を行うも、そこでカメ
ラにトラブルが発生する。周(片山友希)・晴子(伊藤万理華)は、開発をやり直す余裕は
ないため、このまま宇宙に打ち上げようと提案する。しかし彗(奥平大兼)はカメラが上手
く作動しなければ、「宇宙から地球を見る」というひかり(森田望智)との約束が果たせな
いと反対する。リーダーとして決断を迫られる飛鳥が出した答えは……。
夜ドラ「いつか、無重力の宙で」(全32回/8週)

9月8日(月)~10月30日(木)放送<予定>
毎週月曜~木曜 総合 午後10:45~11:00(各話15分)
作:武田雄樹
音楽:森優太
主題歌:吉澤嘉代子「うさぎのひかり」
出演:木竜麻生、森田望智、片山友希、伊藤万理華、奥平大兼
田牧そら、上坂樹里、白倉碧空、山下桐里/鈴木杏、生瀬勝久 ほか
天の声(語り):柄本佑
制作統括:福岡利武
プロデューサー:南野彩子
演出:佐藤玲衣、盆子原誠、押田友太
公式X:https://x.com/nhk_dramas ※ステラnetを離れます
公式Instagram:https://www.instagram.com/nhk_yorudora/ ※ステラnetを離れます