2026年春に放送予定の連続ドラマ「ラジオスター」の制作開始が発表されました。

奥能登のとある小さな町に小さなラジオ局が生まれた。大切なことはたった一つ、笑いを届けること——。
大阪からボランティアでやって来たひいらぎカナデ(福地桃子)は、地震の際に助けてくれた恩人・松本功介(甲本雅裕)の頼みでラジオのパーソナリティーを担当することになります。
集まったのは、番組作りの経験がない主婦の小野さくら(常盤貴子)ら、町の住人たち。
予算もない、スタジオもない、電波もない。——あるのは気持ちだけ。
名もなき市民がスターになっていく、ノンストップエンターテインメントドラマです。

出演の福地桃子さん、甲本雅裕さん、常盤貴子さんからコメントが届きました。


【あらすじ】

主人公・柊カナデ(福地桃子)は、恋人の故郷・能登へ旅行中に地震に遭う。そのとき、避難所で松本功介(甲本雅裕)が温かく世話をしてくれた。
恩に報いたいと、再び能登を訪れたカナデ。そこで松本から頼まれたのは、災害FMのラジオパーソナリティーだった! 松本の思いに巻き込まれ、主婦の小野さくら(常盤貴子)、消防士の西川、お調子者の青年・多田が参加。それを冷ややかに見つめる、銭湯で働くリクト。
松本は言う。「下手でいい。でもリスナーを笑わせてください」
目指すは平日お昼の生放送番組! なぜラジオなのか、なぜ「笑い」なのか、分からないまま企画を考え、出演ゲストを探し、奮闘するカナデたち。本音のトークが笑いを呼び、みんなの心を揺さぶっていく。やがて、ラジオメンバーたちもマイクを前に、胸に秘めた思いを語り出す――

※災害FM…臨時災害放送局。災害時に、被災者に向けて必要な情報を届けるための期間限定のラジオ局。東日本大震災では、東北地方を中心に延べ30局が開設された。能登初の災害FMは、2025年7月7日に開局した。


主人公・ひいらぎカナデ役/福地桃子

ドラマ初主演

大阪のアパレル会社で働いていた。能登へボランティアで来たが、松本の無謀な計画に巻き込まれ、なんとラジオパーソナリティーをすることに。町の住人ではない自分に出来るのか……葛藤を抱えながら、能登の人々の優しさと強さに触れていく。

【福地桃子さんのコメント】
この度、柊カナデ役を務めさせていただくことになりました、福地桃子です。
姿や形は見えなくても、声で心をつなぐことができる。
ラジオを通して町のぬくもりを感じ、お互いをあたため合える、そんな時間を信じてしんに向き合いたいと思っています。
人のために、町のために、そして、自分自身のために。
能登を愛するこのチームと共に、生きる喜びと人の力を作品の中でしっかりと感じながら、その温もりを皆さまへお届けできるよう、心を込めて努めてまいります。

【プロフィール】

ふくち・ももこ

東京都出身。1997年生まれ。2019年、連続テレビ小説「なつぞら」に夕見子役で出演して話題に。近年の主な出演作に大河ドラマ「鎌倉殿の13人」「消しゴムをくれた女子を好きになった。」(22)「舞妓さんちのまかないさん」「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」(23)「わかっていても」(24)「照子と瑠衣」(25)、映画『サバカン SABAKAN』(22)『あの娘は知らない』(22)『湖の女たち』(24)、舞台『夫婦パラダイス』(24)『千と千尋の神隠し』(24・25/千尋役)など。直近の主演映画に『そこにきみはいて』『恒星の向こう側』(25)。


松本功介まつもとこうすけ役/甲本雅裕

ラジオ開局の発起人。とある理由から“笑える”ラジオにこだわっている。情熱はあるが、人とぶつかることもしばしば。
米農家であり、米粉を使ったパン屋を営んでいたが、地震と豪雨で田んぼと店を失い、妻と息子とは離れて暮らす。

【甲本雅裕さんのコメント】
笑うって1人じゃ難しい、だから皆で協力してつくる。
そうやって生まれた笑いを、他の誰かに届ける事で、また笑いが生まれる。
様々な状況から笑えなくなってしまった、笑いたいのに笑えない、そもそも笑うって何だろう。
そんな人達(自分も含め)の心に小さな笑いの花を咲かせる事ができたなら。
この作品はラジオを通じて、それを実現させようとするドラマです。
笑うことで、笑えるように。


小野おのさくら役/常盤貴子

おしゃべり好きな、みんなのお姉さん的存在。夫は料理人。地元を深く愛し、夫婦で夢だったペンションを建設していたが、地震により今も中断している。町に絆を取り戻したいと開局に参加した。

【常盤貴子さんのコメント】
連続テレビ小説「まれ」の撮影で初めて訪れた能登半島。
あの透き通った海、新鮮な食べ物、なにより、の地に住まう「能登はやさしや土までも」な
皆さんの笑顔に出会えたことは、私の人生を豊かにしてくれました。
これからの「ラジオスター」な日々で、出演者、スタッフさん、そして視聴者の方々が、能登のファンになってくれたらうれしいです。私がそうなれたように。
みんなで能登から笑顔をお届けします♪


【作:小寺和久さんのコメント】

このドラマは架空の町を舞台にしたフィクションですが、能登で出会った人たちの声や記憶をもとにしています。
誰かの痛みや悲しみを消費せず、希望だけを飾りもしない——逃げずに書き切ろうと決めました。
取材と執筆を通して、言葉では表せない強さと優しさに何度も出会いました。それがドラマにかたちを変えて皆様に届くことを心から願っております。周波数、合いましたらぜひご覧ください。

【プロフィール】

こてら・かずひさ

1983年生まれ、大阪府出身。出版社勤務を経て独立。映画・ドラマの脚本を手がける。主な脚本作に映画『正体』(第48回日本アカデミー賞優秀脚本賞)、『さがす』、Netflixオリジナルシリーズ「全裸監督 シーズン2」など、国内外で企画・脚本開発を行っている。


【音楽:田渕夏海さんのコメント】

この度、「ラジオスター」を作り上げる仲間の1人として迎えていただけたことを、とても嬉しく思っています。台本を読み進める中で、生きていくうえで必ずしも必要ではない、娯楽でもあるラジオを被災地でやる意味を、個性豊かな登場人物たちの姿から教わっているような気持ちになりました。ローカルならではの人の距離感の中で、時にはリアルな声も電波に乗ったり……何が起きるのか全くわからない番組です。
音楽はこれから制作に入りますが、彼らの日常を彩れるような、楽しくて温かい作品をお届けできるよう努めてまいります。

【プロフィール】

たぶち・なつみ

岡山県出身。東京音楽大学作曲指揮専攻映画・放送音楽コースを卒業。主な作品として、NHK BSプレミアム「おしい刑事」、「カンパニー~逆転のスワン~」、「我らがパラダイス」、WOWOW「早朝始発の殺風景」、テレビ東京「しょせん他人事ですから〜とある弁護士の本音の仕事〜」(共同)、NHKスペシャル「天皇が創った至宝〜正倉院宝物が伝える“日本誕生”〜」、映画『レディ加賀』、アニメ「星降る王国のニナ」、「五等分の花嫁」など、ドラマ、アニメ、映画の劇伴を中心に幅広く活動中。


【企画・演出:一木正恵さんのコメント】
悠久の時が積み重なる大地の上で、人が生きて見ることが出来る時間はつかに過ぎない。確かにいた人、あったものは「語り継ぐ」ことによって、時を越え人々の記憶に刻まれていく。このドラマのラジオの語り手たちの声は、傷つき喪失にあえぐ町の存在を懸けて天に放つ花火、だと感じています。

エンターテインメントで今の能登を描くこと。これが「ラジオスター」の核心です。スタッフ・キャスト一丸となって挑戦するのは、悲しみや苦悩をことさらに抽出することではなくワクワクしてもらうこと、その先にある人の心の深淵しんえんにドキドキしてもらうこと。能登の皆さまと共に、花火を連発出来たら!


【プロデューサー:松木健祐さんのコメント】

「このラジオで、僕たちは町の輝くスターになるんです」
劇中にある好きなセリフの1つです。どんな境遇に立っていても、あなたの人生はあなたが主役であり、きっと輝くんです、そう背中を押してもらえる気がします。
決して特別な物語ではなく、あなたの物語になると思っています。

向き合うほどに正解は分かりませんが、「ラジオスター」の登場人物たちと同じように、スタッフ・キャストも模索し続けています。今もなお厳しい状況の中にある能登の方々へ、今苦しい時を過ごしているあなたへ、このドラマが少しの輝きをもたらすことを祈っています。


連続ドラマ「ラジオスター」

2026年春放送予定

作:小寺和久
音楽:田渕夏海
出演:福地桃子、甲本雅裕、常盤貴子 ほか
制作統括:福岡利武
プロデューサー:松木健祐
演出:一木正恵、小野見知、土井祥平、原田氷詩