ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。最終回は、喜多川歌麿役の染谷将太さんから!
染谷将太さんの最終回振り返り
——収録を終えられた心境をお聞かせください。
自分は途中から合流したので、去年末から10か月ちょっとでしたが、とても濃密で濃厚な時間でした。歌麿を無事に演じ切った安心感と、作品全体が無事に撮り終わった安心感で、ホッとしましたね。
——クランクアップは、どんなシーンだったのですか?
最終回のラストシーンが本当に最後でした。出演者みんなが勢ぞろいして蔦重(横浜流星)を見守って、そしてそのまま揃ってクランクアップという、なかなかない形でした。
自分が信長をやった「麒麟がくる」(2020年)では、ひとり孤独に、燃える火の中でひっそり終わったんですよね……(笑)。それを思うと、お祭りのような“終わり感”がありました。とても悲しいシーンではあるけれど、「べらぼう」らしく、みんな泣きながら、そして笑いながら、お祭りのような最後でした。

——歌麿が山姥の絵を持って蔦重を見舞いに来るシーンが、ふたりきりでの最後のシーンになりました。あの時、どういう感情だったのでしょう。
そうですね……蔦重が病に倒れて、おていさん(橋本愛)たちが不安になっているなか、歌麿が蔦重に対して今できる唯一の恩返しは、悲しまずにしっかりすることだと思って、「治るかもしれない」と力強く励ますんです。
本当は歌麿が一番悲しいし、一番泣きたいのに、涙を見せずに、自分が描いた作品を見せて、「この続きが見たいなら、ちゃんと生きろよ」と蔦重を元気づけようとして……。演じながら思わずグッとこみ上げてくるものがありました。でも、それを我慢して笑顔で元気づけるところに、蔦重と歌麿の関係性がすごく出ていて、素敵だなと印象深かったです
