クリエイティブディレクターのかやしのぶさんはAKB48をはじめとするアイドルやアーティストの様々さまざまな衣装を手がけています。

AKB48創設当初から総合プロデューサー・秋元康さんの下で衣装を担当し、その後、デザイン・衣装・ヘアメイクなどの事業を担う会社のクリエイティブディレクターに就任。これまでに制作した衣装はおよそ4万着。学校や医療現場の制服のプロデュースもするなど、そのカバー範囲をひろげています。

当初からメンバー各人に合わせたデザインを考え、テーマに沿ったコレクションとしての総体も楽しく見せる工夫をしてきました。コンセプトは「会いに行けるアイドル」。「いかに大人数であっても各人の個性をどう考えるか、前列の子もいれば後列の子もいる。人生でいちばん多感な時期をステージにささげて頑張っている彼女たちが100パーセント、力を発揮できるように! 衣装を着ていることで自信を持ってステージに上がれるように!」と常に考えてきたと言います。

高校の文化祭で友人のために作った衣装が、茅野さんの衣装作りの始まりでした。担任の先生の「服作りの才能があると思うよ」のひと言が背中を押しました。そして偶然見つけたAKB48の1期生募集ポスター! 衣装担当の募集ではなかったのですが、直談判じかだんぱんしてこの世界に入るきっかけを手にしました。

茅野さんの衣装作りは3つのポイントから生み出されます。1つ目はアイドルの個性や長所を見極めること。2つ目はプロデューサーやクライアントなどの視点。3つ目がファンの視点。この3つが完全に合致すれば無敵だといいます。メンバーからのリクエストを受けつつ、グループとしては「まとまっている」という部分を大事にしています。

クリエイティブディレクターとして今も第一線を走り続ける茅野さん、その目に映ったものすべてが心に蓄積され人の心を引きつける衣装デザインに形を変えていきます。目指すのは1着として同じもののない“360度どこから見てもかわいい”衣装です。

(いしざわ・のりお 第2・4水曜担当)

※この記事は、月刊誌『ラジオ深夜便』2026年2月号に掲載されたものです。

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