OBになった今でも、年末年始や大型連休はどこにも行かずコツコツ仕事をし、地味に過ごしています。NHKに入って、お盆休みも含めてカレンダーどおりに休まないことが多く、前半だけ、後半だけ、あるいは飛び飛びで休むのが通例で、それが体に染みついてしまいました。

現役時代、世間の連休からしばらくして、時期外れに連休をもらうことがよくありました。そうこうするうちに、多くの方が休んでいる時に仕事をし、多くの方が働いている時に休むことに、えも言われぬ喜びを感じるようになり、その感覚がOBになった今も体に染みついたままなのです。

行楽地が混んでいる時にはどこにも行かず、いている時に行動するのはとても快適です。土日に仕事をして平日に休む、夜や早朝に働いて昼間ゆっくりする、これもいいものです。考えてみると「深夜便」もそんな仕事です。ということで「深夜便」で夜中にマイクに向かうのは苦痛ではなく、むしろ「こんな時間に働いている自分って」と喜びさえ感じます。

考えてみると、365日、24時間、必ず誰かが働いているという放送の現場で、新人時代はベテランから順番に休むのが通例でした。クリスマスイブと大みそが必ず同じ曜日になることを皆さん、ご存じでしたか?

それを体で知ったのも2年連続の「イブ&大晦日の“泊まり勤務”」のおかげです。

ところが、自分がベテランになったら「若手から休ませろ」という時代になりました。これには賛成です。若いころには、あちこち行きたいところがいっぱいあります。子どもも小さいし、家庭サービスは大事です。

そして、私が退職したら「ベテランも休め」となりました。これもすばらしいと思います。若手もベテランもきちんと休む、心と体の健康、家庭の平和のためにも良いことです。それも世の中の流れで、いい時代になったと思います。な~んて言ったものの、「俺の世代は、何だったんだ」と複雑な気持ちになることも正直なところです。はい。

(なかむら・ひろし 第2金曜担当)

※この記事は、月刊誌『ラジオ深夜便』2026年2月号に掲載されたものです。

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