現在放送中の連続テレビ小説「風、薫る」。
文明開化が急速に進み、西洋式の看護学が日本に伝わった明治。それぞれが生きづらさを抱えるいちノ瀬のせりん(見上愛)とおおなお(上坂樹里)の2人が、当時まだあまり知られていなかった“看護”の世界に飛び込む物語です。患者や医師たちとの向き合い方に悩み、ぶつかり合いながらも成長し、やがて“最強のバディ”となり、まだ見ぬ世界を切りひらいていく姿を描きます。

このたび、主人公のりんと直美が通う梅岡看護婦養成所の1期生、玉田多江を演じる生田絵梨花さん、泉喜代を演じる菊池亜希子さん、東雲しののめゆきを演じる中井友望さん、柳田しのぶを演じる木越明さん、工藤トメを演じる原嶋凛さんからコメントが届きましたのでご紹介します。


玉田多江役/生田絵梨花

江戸時代には奥医師をしていた家に生まれ、身近に医療がある環境で育つ。
優等生気質で意識が高い。
それが原因で周囲と衝突することも。
家族内に、とある事情を抱えて養成所に入所。

【生田絵梨花さんのコメント】

――ご自身の役どころについて。

多江は医者の家系で育ち医療に対する情熱や一生懸命さがゆえに、優等生で強い圧を発する言動をしてしまい、入学当初は直美とバチバチで……。「自分は医者になれない」という劣等感を隠すための気の強さなのではないかと想像しています。多江がきついだけの性格に見えてしまわないように気をつけて演じていたら、ある日、喜代役の菊池亜希子さんが「多江自身が多江でいようとがんばっている感じがあふれちゃって、かわいいよね」と言ってくださって、その言葉にとても安心しました。
視聴者の皆さんにも多江のあふれ出てしまう余白を受け取ってもらえたらうれしいです。

――看護婦という職業について。

当時、あまり理解されていなかった看護の仕事に対する待遇などを知れば知るほど、自分たちが演じる看護婦養成所の1期生がこの職業を確立するためにがんばっていかなきゃいけないという覚悟が芽生えました。この時代に看護を志した方々へのリスペクトの気持ちがどんどん大きくなっています。


泉喜代役/菊池亜希子

同窓生の中で最年長。
キリスト教をあつく信仰しており、過去に離縁している。
懐が深く、静かに同窓生たちを見守る。

【菊池亜希子さんのコメント】

――ご自身の役どころについて。

喜代は1期生メンバーのなかでずば抜けて年上で、この役をいただいたとき、私自身も「学生役? 大丈夫?」と戸惑いがありました。もちろんいくつになっても挑戦することはできますが、この年齢で学生として学ぶことは令和の時代でも戸惑うくらいなので、明治時代に30代で看護婦養成所に入ってみようと踏み出す勇気は結構なものだったと思います。
静かな青い炎を内に秘めている人で、そんな喜代という人間に私もかれ勇気をもらっています。

――看護婦という職業について。

現代では看護師という呼び名が定着して、男女問わず活躍する職業になりましたが当時は制服のフォルムもふんわりと柔らかく細やかで思慮深さを求められる女性ならではの職業として確立されました。
このドラマで、その誕生の瞬間に立ち会えることをとてもうれしく思います。


東雲ゆき役/中井友望

子爵の娘。ナイチンゲールに憧れて、それまで通っていた女学校から看護婦養成所に転入。
おっとりしているが、危なっかしいピュアさがある。

【中井友望さんのコメント】

――ご自身の役どころについて。

ナイチンゲールへの憧れ一本で、通っていた女学校から看護婦養成所に転入することまでをやってのけるのはゆきの強さだと感じています。どんな仕事でも憧れや理想は絶対に付きまといますが、それを強く持っているからこそゆきはこの先、現実とのギャップに苦しむことになります。
看護の仕事に限らず、どんな仕事もそのようなことはあると思うので、仕事をしているすべての視聴者の皆さんに共感してもらえるよう、苦悩を表現できたらと思っています。

――看護婦という職業について。

“当たり前”というのは「これが当たり前じゃないといけない」と動いてくれた人たちが作れることだと思います。人の役に立ちたい、困った人に手を差し伸べたいと、明治時代に看護婦を目指した方たちの思いが今の“当たり前”につながっている。改めてその想いの偉大さを実感しています。


柳田しのぶ役/木越明

大店の呉服屋の四女。
西洋の本で見たナース服に憧れて養成所に。
結婚はイヤ、勉強は嫌い。
独特な感性は周囲を戸惑わせることも……。

【木越明さんのコメント】

――ご自身の役どころについて。

同窓生のみんなが志高く養成所に入所するなかで、しのぶは西洋の本で見たナース服に憧れて養成所にやってきた人です。しのぶは自分に自信がある人間だとは思うのですが、違う価値観を持ってい同窓生たちと出会い、ともに生活する中で少しずつ変化していく。
「看護婦養成所1期生」と自覚することが、しのぶの中の成長の一歩なのかもしれないと感じています。
同窓生の皆さんが独特なキャラクターのしのぶを自然と受け入れてくれる。出会ったころのシーンを振り返って改めて、皆さん器が大きいなと思っています。

――看護婦という職業について。

明治時代の女性の立場の変化や地位の向上に看護婦という職業が一役かっていることがとても魅力的です。
女性の立場が確立されていない時代に“女性らしさ”を使ってできる仕事として看護という仕事が現れたことで、当時の人を少し楽にしたり、選択肢を与えたりしたという事実にとても強い憧れを抱いている自分がいます。


工藤トメ役/原嶋凛

青森県出身で裕福な農家の末っ子。
家族を亡くした経験をきっかけに看護婦養成所へ。
困難を乗り越える根性があり、ムードメーカー的な面も。

【原嶋凛さんのコメント】

――ご自身の役どころについて。

トメも私自身も1期生の中で1番年下というのが共通点です。演出の方などから、トメは裕福な農家出身なので昔からたくさんの人と関わることがあったという設定を聞き、そのなかで生まれたであろう周りを見る力や、人なつっこさのなかに隠れた強さが魅力的な人物だと感じています。
思ったことをすぐ口に出したり、感情が顔に出てしまったりするところなども全部ひっくるめてかわいいと思ってもらえるキャラクターを作っていけたらと演じています。

――看護婦という職業について。

看護師という職業が当たり前にある状況で生きてきたので、看護の仕事がシーツを替えたり、換気をしたりするところから始まることにまず驚きました。このドラマで看護婦の誕生を描くことで、看護のお仕事が当たり前にあると思っていた自分自身を見つめなおしながら、工藤トメという役を通じて看護の仕事の始まりを伝えていけたらと思っています。


【物語のあらすじ】
明治18(1885)年、日本で初めて看護婦の養成所が誕生したのを皮切りに、次々と養成所が生まれた。そのうちの1つに、物語の主人公・いちノ瀬のせりん(見上愛)とおおなお(上坂樹里)は運命に誘われるように入所する。不運が重なり若くしてシングルマザーになった、りん。生まれてすぐ親に捨てられ、教会で保護されて育った直美。養成所に集った同級生たちは、それぞれに複雑な事情を抱えていた。手探りではじまった看護教育を受けながら、彼女たちは「看護とは何か?」「患者と向き合うとはどういうことか?」ということに向き合っていく。
りんと直美は、鹿鳴館の華といわれた大山捨松おおやますてまつ(多部未華子)や明六社にも所属した商人・みず三郎さぶろう(坂東彌十郎)らと出会い、明治の新しい風を感じながら、強き者と弱き者が混在する“社会”を知り、刻々と変わり続けていく社会の中で“自分らしく幸せに生きること”を模索していく。
養成所卒業後、2人は同じ大学病院でトレインドナースとしてデビュー。まだ理解を得られていない看護の仕事を確立するために奮闘の日々を送っていたが、りんは程なくして職場を追われることに。一方、直美は誰もがひとしく看護を受けられる仕組みを考え始めるが……。
やがて、コレラや赤痢などさまざまな疫病が全国的に猛威をふるい始める。一度は離れ離れになった2人だったが、再び手を取り、疫病という大敵に立ち向かっていく。

※実在の人物をモチーフとしますが、激動の時代を生きた2人のナースとその仲間たちの波乱万丈の物語として大胆に再構成します。登場人物名や団体名などは一部改称して、フィクションとして描きます。原作はありません。


2026年度前期 連続テレビ小説「風、薫る」

毎週月曜~土曜 総合 午前8:00~8:15ほか
NHK ONEでの同時・見逃し配信あり(ステラnetを離れます)

脚本:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
音楽:野見祐二
主題歌:Mrs. GREEN APPLE 「風と町」
出演:見上愛、上坂樹里 ほか
語り:研ナオコ
出演:見上愛、上坂樹里 ほか
制作統括:松園武大、宮本えり子
プロデューサー:葛西勇也、松田恭典
演出:佐々木善春、橋本万葉、新田真三、松本仁志ほか

公式Xアカウント:@asadora_nhk
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