小栗忠順生誕200年にあたる2027年の大河ドラマ「逆賊の幕臣」。
主人公は、小栗忠順(松坂桃李)。“勝海舟(大沢たかお)のライバル”と称された幕末の武士です。日本の近代化を推し進めようと奔走しますが、やがて明治新政府から“逆賊”と見なされ、歴史の闇に葬られます。忘れられた歴史の“敗者”=幕臣の知られざる活躍を描きます。
このたび、江戸の幕府に京からプレッシャーをかける朝廷の人々を演じる4名のキャストの皆さんが発表されました。
<新たな出演者>
幕府の開国路線に立ちはだかる「モノ言う帝」
孝明天皇役/眞栄田郷敦
【大河ドラマ出演歴】2作目
第62作「どうする家康」…武田勝頼役

激動の幕末前夜に即位し、数え年23歳の年にペリーが来航。折しも御所が火事に見舞われ、避難時に京の町と民衆の姿を初めて目にする。国の安寧を守ろうと慣例を破って幕政に意見し「攘夷」を要求していくが、幕府が通商条約を無断で調印したため激怒。天皇の不満が大義名分となり、過激な尊王攘夷派が勢いを増し始める。それを抑えきれない幕府は、開国を進めながらも朝廷に対しては攘夷のポーズを取り、天皇の威光に頼るように……。やがて倒幕の炎が自らの意図に反して燃え広がり、天皇は苦悩を深めていく。
【プロフィール】
まえだ・ごうどん
2000年生まれ、アメリカ・ロサンゼルス出身。映画『小さな恋のうた』でデビュー。主な出演作に、映画『東京リベンジャーズ』シリーズ、『ゴールデンカムイ』、ドラマ「ノーサイド・ゲーム」「エルピス-希望、あるいは災い-」「大空港〜GATE24〜」ほか。主演作には、ドラマ「星になりたかった君と」「キン肉マン THE LOST LEGEND」、映画『彼方の閃光』『ブルーピリオド』ほか。俳優以外にも紀行番組への出演やモデルとしても活躍。NHKでは、夜ドラ「カナカナ」(主演)、連続テレビ小説「あんぱん」に出演。
【眞栄田郷敦さんのコメント】
孝明天皇は、強い好奇心と「神の国である日の本」への誇りと信念を持ちながらも、御所の中で育ち、外の世界を直接知らない若き帝だと感じています。
大きく時代が動いていく中で、異国への恐れや怒りだけではなく、初めて民の姿を見たことで「自分が守るべき国」の実感が変わっていく。
その繊細な変化と自分の言葉1つが政治を揺らし、人々を動かしてしまう。その重さと危うさも丁寧に演じていきたいです。
突然の父帝の死から、新時代のシンボルへ
明治天皇役/奥野壮
※大河ドラマ初出演

孝明天皇の第二皇子。ペリー来航の前年に生まれる。物心ついたときには、父帝の威を借りた急進的な攘夷派が京を席巻していた。慶応3(1867)年、父の孝明天皇の急死により、まだ元服前でありながら数え年16歳で天皇となる。ここから倒幕派と幕府の綱引きがピークを迎え、「大政奉還」「王政復古の大号令」を経て新政府が発足する。少年天皇は、やがて戊辰戦争を経て訪れる新時代「明治」のシンボルとなり、無血開城された江戸城(現・皇居)にその居を移す。
【プロフィール】
おくの・そう
2000年生まれ、大阪府出身。第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストにて「フォトジェニック」賞と「明色美顔ボーイ」賞をダブル受賞。2018年特撮ドラマ「仮面ライダージオウ」で主演の常磐ソウゴ/仮面ライダージオウ役で俳優デビュー。「コスメティック・プレイラバー」、「ビリオン×スクール」、「九条の大罪」など話題のドラマに出演。NHKでは、特撮ドラマ「超速パラヒーロー ガンディーン」(主演)、「風の向こうへ駆け抜けろ」、「大阪激流伝」、ラジオドラマ「六人の嘘つきな大学生」(主演)ほか出演。
【奥野壮さんのコメント】
歴史ある大河ドラマに出演させていただけること、それだけでも大変光栄なことですが、今回、明治天皇を演じさせていただくことに、身の引き締まる思いと同時に、大変恐縮しております。
時代の大きな転換期に、若くして即位され、幕末から明治維新へと至る激動の時代を歩まれた明治天皇。
そのお姿を私なりに解釈し、歴史に寄り添いながら、丁寧に演じられればと思っております。
大河ドラマ「逆賊の幕臣」、ぜひお楽しみに。
公家らしからぬ野心家、朝廷のフィクサー
公家・岩倉具視役/山中崇
【大河ドラマ出演歴】4作目
第52作「八重の桜」…大庭恭平役
第56作「おんな城主 直虎」…瀬戸村の百姓・八助役
第61作「鎌倉殿の13人」…平賀朝雅役

貧しい下級公家の次男として生まれるが、子どもの頃より弁が立ち、公家らしからぬ言動で異彩を放つ。野心家の岩倉は、外交問題を幕府に任せきりにせず、朝廷も主体的に関わるべきだと考えた。幕府が通商条約に対する孝明天皇の勅許(許可)を得ようとした際、天皇の攘夷の意志を後押しするべく公家88人が起こしたデモを牽引。このとき出した意見書が認められ、孝明天皇に頼られるように。天皇の妹・和宮と将軍・徳川家茂(神尾楓珠)との婚儀を後押ししたのも岩倉であり、孝明天皇のもとでフィクサーとなっていく。
【プロフィール】
やまなか・たかし
1978年生まれ、東京都出身。学生時代から演劇活動を始める。主な出演作に、ドラマ「深夜食堂」シリーズ、「アバランチ」「田鎖ブラザーズ」「VIVANT」、映画『ブルーボーイ事件』『九龍ジェネリックロマンス』『正体』『閉鎖病棟―それぞれの朝―』『The Flowers Of War』(チャン・イーモウ監督作)など。NHKでは、連続テレビ小説「ごちそうさん」「半分、青い。」「エール」「ちむどんどん」、「幸運なひと」「パーセント」「対決」ほか出演。
【山中崇さんのコメント】
歴史の裏で暗躍した野心家。岩倉具視という人物を知れば知るほど、この役を担当出来ることにとてもワクワクしています。
下級の貧しい公家出身でありながら、ゆくゆくは500円札の肖像にまでなった人物。
きっと時流を読む鋭い嗅覚を持っていたのではないでしょうか。
幕末という歴史の大きな変革期に、何を見つめ、どんなあしたを夢見ていたのか。
今に響く作品となるよう、しっかりと務めます。どうぞお楽しみに。
若き天皇が乗り越えていく、古き朝廷の権化
太閤・鷹司政通役/長塚京三
【大河ドラマ出演歴】8作目
第15作「花神」…土方歳三役
第17作「草燃える」…山木兼隆役
第19作「おんな太閤記」…織田信雄役
第25作「独眼竜政宗」…留守政景役
第32作「炎立つ」…源頼朝役
第47作「篤姫」…島津忠剛役
第54作「花燃ゆ」…杉百合之助役

30年以上もの間、准摂政・関白・太閤として朝廷に君臨。10代で即位した孝明天皇を導く。義弟である水戸藩・徳川斉昭(柄本明)から黒船来航の予告情報など非公式の幕政情報を入手できた事情通で、幕府寄りの立場を保つことでうまく朝廷を牛耳ってきた。実は開国容認派であった鷹司は、異国人を忌み嫌う天皇の発言を手のひらで転がすがごとく老獪に受け流し、天皇にとって目の上のコブとなっていく。やがて天皇は岩倉など下級公家の声も聞くようになり、鷹司の時代は終わりを告げる。
【プロフィール】
ながつか・きょうぞう
1945年生まれ、東京都出身。フランス留学中、映画『パリの中国人』で俳優デビュー。帰国後1974年にドラマ「樹氷」に出演し国内での活動を開始。1992年の映画『ザ・中学教師』で初主演を務め、「毎日映画コンクール」男優主演賞を受賞。映画『瀬戸内ムーンライト・セレナーデ』(97)で第21回日本アカデミー賞優秀主演男優賞、映画『敵』では12年ぶりに映画主演を務め「第37回東京国際映画祭」最優秀男優賞、「第49回日本アカデミー賞」優秀主演男優賞を受賞。主な出演作に、ドラマ「金曜日の妻たちへ」「愛の嵐」「ナースのお仕事」シリーズ、「逆転弁護士ヤブハラ」、映画『急に具合が悪くなる』など。NHKでは、連続テレビ小説「よーいドン」や「薄桜記」「七つの会議」「眩~北斎の娘~」ほか出演。
【長塚京三さんのコメント】
捕らぬ狸の皮算用で済むならまだしも、虎の尾を踏んでは敵わないので、軽々に口にし難い「意気込み」です。
ただ公武の二重構造の中で、オポチュニストを自認して恥じることのないこの作品の政通さんは、只処世術に長けていただけではなさそうだ。
既存の体制を最終形態として、何とか保守するという「忠誠心」もあるのではないですか。それが政通さんの中では、「 政」から「お上」をお守りすることに通じていた。
宮廷言葉に上方言葉、幾分下世話な「ぼやき」の散りばめられた、安達先生の台詞が素晴らしい。勿論、そのままやらせて戴きます。
【出演者発表にあたって/制作統括・勝田夏子チーフ・プロデューサーのコメント】
今回は、日本の西側から江戸の幕府に大きなプレッシャーを与える朝廷周りの皆さんです。
幕末史の混迷の大きな発端の1つは、幕府が踏み切った開国に孝明天皇が「待った」をかけたことでした。
主人公・小栗がアメリカまで行って批准してきた通商条約を、西洋列強は「守れ」と言い、朝廷や攘夷派は「破れ」と言う、この板挟みが幕府を追い詰めていきます。
そんなわけで、当ドラマの朝廷は「はんなり」というより、むしろ「強そう」です。
眞栄田郷敦さん演じる孝明天皇の、ナイーブさを併せ持ちながらも力強い瞳。
奥野壮さん演じる明治天皇の、若々しさ、清新さの中にある品格。
山中崇さん演じる岩倉具視の、忠臣的振る舞いの裏にある隠しきれない策士ぶり。
そして長塚京三さん演じる鷹司政通の、朝廷のドンとしての老獪さと風格。
小栗さんと幕臣たちは大ピンチです。
どうぞお楽しみに!
2027年大河ドラマ「逆賊の幕臣」
2027年1月10日(日)放送開始予定
※NHK ONEでの同時・見逃し配信予定 (ステラnetを離れます)
【物語】
万延元(1860)年。小栗忠順(松坂桃李)は、日本初の遣米使節団の中核として米艦ポーハタン号に迎えられ、大海原に乗り出す栄誉を得ていた。一方、日本の軍艦として随行する咸臨丸の勝海舟(大沢たかお)は、体調不良で船室から出ることができず、米軍士官に指揮権を譲渡するという屈辱に震えていた。
だが後世、偉業として語り継がれているのは「咸臨丸」の方だ。なぜなら小栗は、明治新政府に「逆賊」と見なされ、歴史の闇に葬られたからである――
小栗を最初に取り立てたのは、大老・井伊直弼(岡部たかし)だった。黒船来航により日本が世界経済の渦に巻き込まれ混乱が増す中、武士には珍しく金勘定や数字に強く、上役にも直言する小栗に目をつけたのだ。小栗は遣米使節として西洋文明を目の当たりにし、外国に飲み込まれない近代国家づくりを急ごうと決意する。
しかし、それは容易なことではなかった。井伊の暗殺、朝廷による開国拒否、生麦事件など攘夷
事件の続発。そしてその賠償金や、皇女・和宮の降嫁、将軍の上洛、長州征討などが、財政の逼迫に拍車をかける。更に西郷隆盛ら薩長の志士たちや島津家など大大名が幕政に干渉し、インフレや格差に苦しむ民衆は暴動を起こす。そんな中で、列強が軍事力を背景に国の独立を脅かしてくるのだ。
小栗は財政・外交・軍事を預かる要職を歴任しながら、侵略の危機と国内の分断を食い止めようと奔走する。やがて起死回生の策としてフランスから支援を取り付け、改革の加速を狙うが、協調していたはずの将軍・徳川慶喜の本心が徐々に見えなくなっていく。そんななか勝は、薩長やイギリスとも気脈を通じながら、独自の近代化路線を構想していた。
片や堅物のエリート、片や人たらしの叩き上げ。何もかも対照的な小栗と勝だが、2人とも開明派で幕府内では疎まれながら、事態が窮すると結局は頼られ、利用された。また、やるべきことをやればやるほど敵を増やし、命さえ狙われるところもやけに似ていた。
自分にない才を互いに見て取り、対立しながらも一目置き合っていた2人。だが、幕府を「改良」して人々を束ねる「仕組み」を作りたい小栗と、幕府を「解体」してでも実力ある「個人」を活躍させたい勝、その運命は大きく分かれていく……。
作:安達奈緒子
出演:松坂桃李 ほか
時代考証:岩下哲典、門松秀樹
制作統括:勝田夏子、深川貴志
プロデューサー:大越大士、南野彩子、藤原敬久(展開・プロモーション)
演出:西村武五郎、末永創、川上剛、田中諭 ほか
公式Xアカウント:@nhk_taiga2027
公式Instagramアカウント:@nhk_taiga2027
ハッシュタグは #逆賊の幕臣