小お栗ぐり忠順ただまさ生誕200年にあたる2027年の大河ドラマ「逆賊の幕臣」。
主人公は、小栗忠順(松坂桃李)。“勝海舟(大沢たかお)のライバル”と称された幕末の武士です。日本の近代化を推し進めようと奔走しますが、やがて明治新政府から“逆賊”と見なされ、歴史の闇に葬られます。忘れられた歴史の“敗者”=幕臣の知られざる活躍を描きます。

このたび、キービジュアルを手がけたアーティストの皆さんとドラマの音楽を担当する作曲家が発表されましたのでご紹介します。


<題字・キービジュアル>アートディレクター 木谷友亮

【題字について】
小栗が日常的に書き残していた特徴的な手書きの線を、タイトルデザインに取り入れました。枠に収まる必要がある役人としての立場を表現しました。また、明朝体を精緻に手書きすることで、役人としての小栗の真面目さや実直さを表現しています。一方、小栗を知るほどに本人の内面にある強さ・野性味を感じることが多く、それが彼の最期につながったのではないかと思いました。その一面を題字に取り入れるために、整然とした造形にあえて逸脱を加えました。それまで几帳きちょう面めんに描かれていた文字が最後の一画のみ勢いのある筆の線に変わっています。几帳面に整えられた造形と、そこから生まれる逸脱。その対比によって、小栗の人物像と、時代の枠を越えようとする意志を表現したタイトルデザインです。

【キービジュアルについて】
劇中には、小栗が平伏する、地面にしゃがんで文字を書くといった幕臣としての象徴的な場面があります。これらに共通する「下を向いた小栗」を、地面に近い位置から見上げるローアングルで撮影しメインビジュアルにしました。こめかみに浮かぶ血管などの身体的なディテールも再現し、小栗の内に秘めた緊張感やエネルギーを際立たせています。

【プロフィール】

きたに・ゆうすけ

1976年千葉県生まれ。株式会社カイブツ アートディレクター。工業高校で手やすりで金属を削りつづけたのち、企業のグラフィック広告やプロモーションイベントの企画やデザインを手がける道に進む。主な仕事にNetflix「ダウンタイム」「幽☆遊☆白書」、「井上尚弥vs中谷潤人」『kishiboy ラグビーのルール超・初級編』など。


<キービジュアル>フォトグラファー 高梨遼平

【プロフィール】

たかなし・りょうへい

1984年生まれ。2008年多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。
2025年より同大学非常勤講師。
画家である父の影響で絵を描きはじめ、写真へと至る。
広告写真を中心に活動しながら、絵画から着想を得た「重層性を帯びた写真表現」を追求。
徹底したライティングとアングル検証を重ねることを制作の信条としている。
NY ADC金賞、Cannes Lions金賞、ADFESTグランプリなど受賞多数。


人物デザイン監修 柘植伊佐夫

【柘植伊佐夫さんのコメント】
素晴すばらしいキャストをはじめ、制作統括の勝田夏子さん、チーフ演出の西村武五郎監督、これまでもご一緒してきたスタッフや、新たにチームを組むメンバーの皆さんと、この「逆賊の幕臣」をともに制作できることを、とても嬉うれしく思います。本作は、私にとりまして4作目の大河ドラマとなり、2010年の「龍馬伝」以来、ふたたび幕末を舞台とする作品に携わることでも、初心に立ち返る思いです。この作品のビジュアルコンセプトは「渋みの華」としました。「目立たずとも、内からわき立つ華がある」。そんな人物たちの姿を、一人ひとり、丁寧に生み出せるよう精進いたします。視聴者の皆様に1年間、楽しんでいただき、応援していただければ幸いです。

【プロフィール】

つげ・いさお

人物デザイナーとして、衣装、ヘアメイク、持ち道具を統合し、登場人物の存在をトータルで設計する。2010年の大河ドラマ「龍馬伝」で、大河ドラマ史上初となる「人物デザイン監修」を企画、担当。人物造形の新しい方法を開拓する。
主な作品に、映画『シン・ゴジラ』『翔んで埼玉』『はたらく細胞』『10DANCE』、ドラマ「ガス人間」、舞台『エヴァンゲリオン ビヨンド』『アンバース』『リア王』など。
NHKでは、大河ドラマ「龍馬伝」「平清盛」「どうする家康」のほか、「精霊の守り人」「ストレンジャー~上海の芥川龍之介~」「岸辺露伴は動かない」「魯山人のかまど」などを担当。
「人物デザインの開拓」により、第30回毎日ファッション大賞・鯨岡阿美子賞を受賞。


音楽 大間々昂

【大間々昂さんのコメント】
学生の頃、恩師の渡辺俊幸先生に「利家とまつ」のメインテーマの楽譜を見せて頂きながら、いつか自分も大河ドラマをやってみたい。と話していたのを覚えています。それから十数年が経たち、この度「逆賊の幕臣」の音楽を担当させて頂くことがとても感慨深く、光栄です。
小栗忠順は、敵勢力からも後世に残るべき偉人であったと惜しまれながら斬首されました。対立や枠組み、国境を超え、日本の未来の為ために彼が見た夢、今の私たちに残した偉業、歴史に翻弄されながらどのように最期を迎えたのか。彼の人生に想いを馳はせながら、現代とより地続きなイメージで没入感のある音楽を作りたいと思いました。NHK交響楽団の皆様との共演は私にとって大きな挑戦です。指揮の広上先生はじめ、全ての音楽制作を支えてくれた仲間、ミュージシャン、クリエイターの皆様に感謝いたします。

【プロフィール】

おおまま・たかし

1988年生まれ、東京都出身。映画『正体』で日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞。主な作品に、映画では『汝、星のごとく』『最後まで行く』『アキラとあきら』『死刑にいたる病』『浅草キッド』『樹海村』『愚行録』。ドラマでは「ガス人間」「イクサガミ」「ガンニバル」シーズン2や「リブート」「マイファミリー」。アニメでは「機動戦士ガンダム 水星の魔女」「アオのハコ」『スター・ウォーズ:ビジョンズ 「ユコの宝物」』。NHKの作品では、NHKスペシャル「人類誕生」「スペース・スペクタクル」「コントレール〜罪と恋〜」など。

<テーマ曲指揮>広上淳一
<テーマ曲演奏>NHK交響楽団
<オーケストレーション>マーク・グラハム
<テーマ曲ミキシング>エヴァ・ライスタッド


2027年大河ドラマ「逆賊の幕臣」

2027年1月10日(日)放送開始予定 ※初回は15分拡大版!
毎週日曜 総合 午後8:00~8:45/翌週土曜 午後1:05~1:50(再放送)
毎週日曜 NHK BS 午後6:00~6:45
毎週日曜 BSP4K 午後0:15~1:00/午後6:00~6:45(再放送)

【物語】
万延元(1860)年。小栗忠順(松坂桃李)は、日本初の遣米使節団の中核として米艦ポーハタン号に迎えられ、大海原に乗り出す栄誉を得ていた。一方、日本の軍艦として随行する咸臨丸かんりんまるの勝海舟(大沢たかお)は、体調不良で船室から出ることができず、米軍士官に指揮権を譲渡するという屈辱に震えていた。
だが後世、偉業として語り継がれているのは「咸臨丸」の方だ。なぜなら小栗は、明治新政府に「逆賊」と見なされ、歴史の闇に葬られたからである――
小栗を最初に取り立てたのは、大老・井伊直弼(岡部たかし)だった。黒船来航により日本が世界経済の渦に巻き込まれ混乱が増す中、武士には珍しく金勘定や数字に強く、上役にも直言する小栗に目をつけたのだ。小栗は遣米使節として西洋文明を目の当たりにし、外国に飲み込まれない近代国家づくりを急ごうと決意する。
しかし、それは容易なことではなかった。井伊の暗殺、朝廷による開国拒否、生麦事件など攘夷じょうい
事件の続発。そしてその賠償金や、皇女・和宮の降嫁こうか、将軍の上洛じょうらく、長州征討せいとうなどが、財政の逼迫ひっぱくに拍車をかける。更に西郷隆盛ら薩長の志士たちや島津家など大大名が幕政に干渉し、インフレや格差に苦しむ民衆は暴動を起こす。そんな中で、列強が軍事力を背景に国の独立を脅かしてくるのだ。
小栗は財政・外交・軍事を預かる要職を歴任しながら、侵略の危機と国内の分断を食い止めようと奔走する。やがて起死回生の策としてフランスから支援を取り付け、改革の加速を狙うが、協調していたはずの将軍・徳川慶喜の本心が徐々に見えなくなっていく。そんななか勝は、薩長やイギリスとも気脈を通じながら、独自の近代化路線を構想していた。
片や堅物のエリート、片や人たらしの叩たたき上げ。何もかも対照的な小栗と勝だが、2人とも開明派で幕府内では疎まれながら、事態が窮すると結局は頼られ、利用された。また、やるべきことをやればやるほど敵を増やし、命さえ狙われるところもやけに似ていた。
自分にない才を互いに見て取り、対立しながらも一目置き合っていた2人。だが、幕府を「改良」して人々を束ねる「仕組み」を作りたい小栗と、幕府を「解体」してでも実力ある「個人」を活躍させたい勝、その運命は大きく分かれていく……。

作:安達奈緒子
出演:松坂桃李 ほか
時代考証:岩下哲典、門松秀樹
制作統括:勝田夏子、深川貴志
プロデューサー:大越大士、南野彩子、藤原敬久(展開・プロモーション)
演出:西村武五郎、末永創、川上剛、田中諭 ほか

公式Xアカウント:@nhk_taiga2027
公式Instagramアカウント:@nhk_taiga2027
ハッシュタグは #逆賊の幕臣