ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、田沼意次おきつぐ役の渡辺謙さん、一橋治済ひとつばしはるさだ役の生田斗真さんから!

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渡辺謙さんの第28回振り返り

——江戸城内で佐野政言まさこと(矢本悠馬)に切りつけられ、意知おきとも(宮沢氷魚)が亡くなりました。意次にとってどんな出来事だったのでしょうか?

魑魅ちみ魍魎もうりょうの世界に足を突っ込んだために死んでしまったのは、平賀源内げんない(安田顕)と同じですね。意次にとっては、もちろん息子を亡くしただけでも大きなダメージだったと思いますし、さらに田沼家の立場がここから一気に下り坂に転じたという意味で、重要なターニングポイントだったはずです。

——田沼家が傾いていくことについて、どうお考えですか?

いや、もう、「お待たせしました」って感じですよ(笑)。いよいよ演じがいが出てきたなって感じです。今後は、江戸城内の権力構造も絡み、大奥も絡み、さらに複雑な人間関係の中で物語が展開していきます。ミステリー的な要素もあるし、独特の情感もあって、江戸市中のパートとはまた違った面を楽しんでいただけるのではないかと思います。


生田斗真さんの第28回振り返り

——治済は意次のことをどのように見ているんでしょうか。

とよ千代ちよが生まれたころは一緒にぐつ人形を操っていましたし、家治いえはる(眞島秀和)の跡継ぎのことも一緒に考えていたから、当初は政敵として認識してはいなかったのではないでしょうか。あくまでも「自分の手駒のひとつ」という関係だったと思います。

それが、意知が佐野政言に斬られた後、意次が「何も失ってなどおりませぬ」と治済に笑顔を見せたところから、“憎き相手”として浮上してきたように感じます。それ以降、意次は治済にとって本当に邪魔な存在になりましたね。