ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、てい役の橋本愛さんから!

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橋本愛さんの第28回振り返り

——ドラマで米不足による騒動が起きましたが、この時代に対して感じることはありますか?

今の時代と重なるところがあり、「べらぼう」ではさらに深刻に、生命の危機に直結する事態が描かれます。

印象的だったのは、ふく(うつせみ/小野花梨)さんが蔦重(横浜流星)さんに言った「蔦重はなんだかんだで明日飢えて死ぬかもって目にあっちゃいないだろ」という言葉でした。恵まれている人間には、そうでない人の気持ちを本当の意味では理解できない、という意味で受け取りました。ふくさん、新さん(新之助/井之脇海)が置かれている逼迫ひっぱくした状況を物語るセリフでもあります。

私自身、自分の人生を振り返ってみても、恵まれてきたと思うんです。本来は、皆が生活や生命を脅かされることなく過ごせる社会であるべきなのに、天候や政治や時代の流れによって、そこからこぼれ落ちてしまう人々が出てきてしまう、そのやるせなさを改めて痛感しました。

ていや蔦重さん、耕書堂は、この時代のなかでは比較的恵まれている立場にあります。だからこそ、助けたいと思ってもそれが裏目に出たり、世を良くしたいと思う気持ちがなかなか世に反映できず、葛藤します。

これからどんどん時代は逼迫し、蔦重さんが追い求める夢に、幾重もの困難が立ちはだかります。そんななか懸命に生き抜く姿を、願いを込めて演じますので、ぜひ最後まで見守っていただきたいです。