ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、田沼意次おきつぐ役の渡辺謙さんから!


渡辺謙さんの第30回振り返り

——賢丸まさまる(寺田心)から成長したまつだいら定信さだのぶ(井上祐貴)が再登場しました。

オセロみたいなものだと思うんですよ。「これまでの時代が黒だったら、次は白にしよう」という感じです。どちらがいいとか悪いとか、後の時代の人間は評価できますけど、当時の政治は問題だらけ。「なんとかしなければいけない」と必死だったんでしょうね。ただ、ちょっと極端ではあります。バイデンからトランプへ、みたいなものじゃないですか(笑)。

——定信と言えば、「寛政の改革」が有名で、中でも綱紀粛正とそれに連なる出版統制は、江戸の人々の間でも悪名が高いですね。

蔦屋重三郎(横浜流星)たち本屋だって、「えーっ!?」と驚いたはずです。「これまで自由にやらせてもらっていたのに、いきなり統制が入るの?」という感覚にもなったでしょう。まあ、定信が活躍する頃には、僕はひっそりとしていると思いますけど(笑)。