ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、薪鉄子役の戸田恵子さんから、第97回の振り返りをご紹介!
戸田恵子さん振り返り
──「ここにいてもあなたの探しているものは見つからない」という言葉と共に、のぶに解雇を言い渡した鉄子。いったいどんな気持ちだったのでしょうか?
苦渋の決断だったと思いますよ。代議士の仕事を長く続ける中でだんだん足枷が増えてきてしまったんですよね。生きていく上で変わらざるを得ないこともあり、出会った当初から変わらず純粋なままでいるのぶとは、少しずつ距離ができてしまったのだと思います。自分がどうというよりかは、のぶちゃん自身のためにも、「彼女を、もう、こんなところにいさせてはいけない」という結論に達したのだと思います。
ただ、私は鉄子の根底にある「困っている人を助けたい」という思いがなくなってしまったのだとは思いません。何かを成し遂げたあとには必ず原点に立ち返って、どん底にいる人たちに手を差し伸べたいという気持ちは、ずっと持っているはずです。

──ガード下で困っている人を救うために、鉄子とは違う方法で活動を続ける八木。のぶを解雇した鉄子に、八木は辛辣な言葉をかけます。鉄子は、八木の存在をどのように見ているのでしょうか?
政治家として多くの問題を解決しようとする鉄子と、あくまで市井の人々の中に立って困っている子どもを救おうとする八木。生き方は違いますが、同じく正しい道を進もうとする同志として、認めあってはいると思います。それぞれの事情を踏まえて、自分として生きることを最優先するというかね。その分、彼からかけられる言葉には、耳が痛いものもあるのですが(苦笑)。