
日々、南国ムード漂うフラのショーが繰り広げられている「スパリゾートハワイアンズ」。そこで60年にわたって“フラガール”を育成してきたのが、カレイナニ早川さん(93歳)です。日本にフラダンスを広め、数多くの教え子をステージに送り出してきた早川さんが、フラとの出会いや、指導にかける思いを語ります。
聞き手 吾妻謙
この記事は月刊誌『ラジオ深夜便』2025年12月号(11/18発売)より抜粋して紹介しています。
教えるのは踊りだけじゃない
――福島県いわき市に「常磐ハワイアンセンター」(現・スパリゾートハワイアンズ)がオープンしたのは1966(昭和41)年。早川さんはその前から常磐音楽舞踊学院でフラの指導をされているんですよね。
早川 はい。当時は町を支えていた石炭産業が急速に衰退していて。1期生の18人中16人が炭鉱の娘さんで、中学を卒業したばかりの子もいました。初代の社長で学院長でもある中村豊さんから「彼女たちに踊りの基礎と同時に人間としての基礎も教えてください」と言われまして。
「私が教えられるのは踊りだけです。人間の基礎って何ですか」と言いましたら、中村社長はこうおっしゃった。
「この子たちは親元を離れ寮生活となるので、礼儀作法や大人になるための基礎を愛情深く教えてほしい」と……。当時私は32歳。ほかにも講師がいるのに、なぜ私なんだろうと戸惑いました。
――早川さんは、2006(平成18)年の映画『フラガール』で松雪泰子さんが演じた先生のモデルにもなりました。映画では結構破天荒なキャラクターでしたよね。
早川 やはり映画は創作ですから。今でも、映画を見た方から「雰囲気が違いますね」なんて言われます(笑)。
――初舞台を踏むまで、2年くらいかかるそうですね。
早川 はい。でも1期生は、初舞台が3か月後に迫っていて。ほとんどの子が踊りの経験がなく、レッスンが終わったあとも、夜通し自主練習に励んでいました。その努力のすさまじいこと。今、後輩たちがステージを踏めるのもあの子たちの努力があったからこそだと思います。
※この記事は2025年7月3日放送「フラの心を伝えて60年」を再構成したものです。
フラダンスと出会ったきっかけ、東日本大震災やコロナ禍を乗り越えた経験など、カレイナニ早川さんのお話の続きは、月刊誌『ラジオ深夜便』12月号をご覧ください。

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