2026年の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。2026年1月4日の放送を前に、第1回「二匹の猿」の試写会と会見が行われ、主人公の豊臣秀長(小一郎)を演じる仲野太賀、秀長の兄で、のちに天下人となる豊臣秀吉(藤吉郎)を演じる池松壮亮、制作統括の松川博敬プロデューサー、チーフ演出の渡邊良雄が登壇した。
第65作目の大河ドラマ「豊臣兄弟!」は、強い絆で天下統一という偉業を成し遂げた豊臣兄弟の奇跡を描く下剋上サクセスストーリー。「もし秀長が長生きしていれば、豊臣家の天下は安泰だった」とまで言われる天下一の補佐役・秀長の目線から、戦国時代をダイナミックに描く。脚本は八津弘幸が手がける。
第1回を見たばかりの記者たちを前に、仲野は「個人的にも、ようやくこの日を迎えることができたなと、とても感慨深く思っています」と挨拶。
仲野「先日、同じこの会場で第1回の完成試写を観たのですが、最初に“大河ドラマ”という題字がバーンと出た時に熱くなるものがあって、本当に『豊臣兄弟!』が始まるんだなという高揚感を抱いた記憶があります。途中から恥ずかしくなってしまって、小さくなりながら観ていたんですけど(笑)。でも、皆さんに楽しんでもらえるような力強い作品になっていると胸を張って言えます」
今年6月から撮影に臨んでいたという池松も「見た人に元気を与えられる作品に育っていくのではないかなと思いながら、毎日励んでおります」と手応えを語った。
池松「第1回を見ていただいたとおり、本当にまっすぐな物語です。争いが絶えない貧しい村で育った兄弟が、平和な世を求めて天下人までのし上がっていくサクセスストーリーで……。この作品の前に豊臣家をしっかりと描いた大河ドラマ『秀吉』(1996年放送)は、バブル崩壊後の就職氷河期と言われる時代に視聴率を30%以上とっていたと記憶しています。そこから時を経て、2026年、この困難な時代に豊臣家がまたフィーチャーされるということで、人々に元気を与えられるようなドラマを目指していけたらなと思っています」
記者からの質問でアクションシーンについて話題が及ぶと、チーフ演出の渡邊は「殺陣がきれいにハマるとか、様式美的な殺陣ではなくて、もうちょっと泥臭い立ち回りの中でそれぞれのキャラクターが出るように意識しました」とこだわりを明かした。

仲野「やるからには、殺陣にもこだわりたいということで、クランクインの3か月くらい前から練習を始めました。(池松)壮亮くんは殺陣の経験があるので、アドバイスをもらいながらやってきました。このシーンならこういう殺陣がいいんじゃないかとか、殺陣についても、兄弟ならではの表現を入れ込みながらやれたらいいよねとか、話し合いながら臨みました」
池松「合戦のシーンも多いので、アクションも見どころの一つになってくると思います。特にこの兄弟については、“二匹の猿”と言われるように非常に活動的なので、エネルギーがほとばしるようなアクションで、生命の輝きや煌めきを見せていけたらいいなと、チーム一同思っています」
今作の舞台は戦国時代のど真ん中。そのため、有名戦国武将も数多く描かれるが、小一郎と藤吉郎にとって絶対的な主君である織田信長も第1回から登場する。信長を演じる小栗旬について聞かれると、
仲野「旬さんが演じてくださる織田信長には、圧倒的な説得力があります。旬さんにしか出せない強い男のオーラ、覇気を常に感じるし、旬さんが現場にいらっしゃると、現場が織田信長の空気になるんですよね。いつも和やかな現場に緊張感も出て、この信長という役は旬さんしか考えられなかったんじゃないかなと思います。最高にかっこいい信長ですね。この先、信長にはひどい目に遭わされるので、そこもちょっと楽しみにしていただけたら(笑)」

池松「小栗旬さんが織田信長という役を演じることに、なにか運命めいたものを日々受け取っています。俳優として第一線で活躍されてきた小栗さんが培ってきた人生と、織田信長の人生がリンクするような瞬間を、日々、目の前で見せていただいて、毎シーン感動しています。信長の大らかさとカリスマ性が、この『豊臣兄弟!』をぐいぐい引っ張ってくれていますし、織田信長という人がいなかったら、やっぱり豊臣秀吉という人は生まれていないんだなということを、小栗さんの演じる信長を見ながら日々感じています」
仲野は、小栗からかけられた印象深い言葉として、「汚ねえな」と呟き、会場を笑わせた。小一郎たちは第1回では泥だらけで登場するためで、池松はすかさず「役の容姿がですね」とフォロー。池松自身は「ゴルフしようね、とか、お寿司食べに行こっか、とか言っていただきました」とにこやかに語った。
仲野、池松をはじめ、実力派キャストが揃った大河ドラマ「豊臣兄弟!」の放送は2026年1月4日(日)からスタート。大河ドラマの王道ともいえる戦国時代を描く今作に期待が高まる。
2026年 大河ドラマ「豊臣兄弟!」
2026年1月4日(日)放送スタート ※初回15分拡大版
毎週日曜 総合 午後8:00/翌週土曜 午後1:05(再放送)
毎週日曜 NHK BS 午後6:00
毎週日曜 BSP4K 午後0:15/午後6:00(再放送)
【物語】
尾張中村の貧しい農家に生まれた小一郎(のちの豊臣秀長/仲野太賀)は、田畑を耕し土と共に生きる暮らしに満足しながら、平穏な日々をすごしていた。ある日、音信不通の兄・木下藤吉郎(のちの豊臣秀吉/池松壮亮)が意気揚々と姿を見せる。若き戦国武将・織田信長(小栗旬)に仕官して大出世を目指しており、小一郎に自分の家来になって欲しいと願い出る。
城下町の清州に出てきた小一郎は主君・信長と運命的な出会いを果たす。そして、ついに「桶狭間の戦い」の火ぶたが切られる。信長の奇跡の大勝利に、武士として生きていく覚悟を決めた小一郎だが、それはピンチと苦労の連続の始まりだった――。
戦国乱世を舞台に、熱い兄弟が夢と希望を胸に突っ走る、奇跡の下剋上サクセスストーリー!
作:八津弘幸
音楽:木村秀彬
語り:安藤サクラ
出演:仲野太賀、池松壮亮 ほか
時代考証:黒田基樹、柴裕之
制作統括:松川博敬、堀内裕介
プロデューサー:高橋優香子、舟橋哲男、吉岡和彦(展開・プロモーション)、国友茜(広報)
演出:渡邊良雄、渡辺哲也、田中正
公式Xアカウント:nhk_toyotomi
公式Instagramアカウント:nhk_toyotomi