
2020(令和2)年に急逝し、今なお多くの人から愛されてやまない志村けんさん。その付き人を5年間務めた山崎まさやさん(56歳)が師匠の背中を追いかけ、共に過ごしたかけがえのない時間をたどります。
聞き手 山下信
この記事は月刊誌『ラジオ深夜便』2026年8月号(7/17発売)より抜粋して紹介しています。
どうも、初めまして。志村と申します
――ふだんの志村さんはどんな方でしたか。
山崎 テレビで見る志村さんではないです。ものすごくクールで、人見知りで、恥ずかしがり屋。声も本当に小さい。 近くで話していても「え?」って聞き返すと、「お前の耳、大丈夫?」って(笑)。騒がしい場所より、静かで穏やかな時間を好む方でしたね。
でも、カメラが回った瞬間に別人になるんです。キャラクターにひょう変する。その切り替えを間近で見るたびに、すっげえなって。ホント、尊敬です。
――叱られたこともありましたか。
山崎 あるとき、僕が収録現場に遅刻したことがありました。楽屋に入ると加藤茶さんがいて、「志村、怒ってたぞ」って。そのまま俺についてこいって言われてスタジオへ連れていかれたんです。見ると、志村さんが僕をにらんでいる。すると加藤さんが突然、「志村、今日から俺の付き人になった山崎」と紹介したんです。そしたら志村さん、すっと立ち上がって、「どうも、初めまして。志村と申します」って(笑)。スタジオ中がどっと沸きました。最後に「ばかやろう、早く仕事に戻れ」って、笑いにしてくれたんです。でも帰り際に加藤さんに言われました。「次は自分で考えろよ」って。
――改めて、付き人時代を振り返ってどうでしょう。
山崎 もちろん大変なときもありました。でも、それ以上に毎日が楽しかったです。子どものころから憧れだった志村さんに怒られて、一緒に酒を飲んで、隣で笑っている。その全部が夢みたいでした。だから一度も辞めたいとは思いませんでしたね。
※この記事は2026年3月9日放送「志村けんを語る」を再構成したものです。
初めて「弟子」と呼ばれた夜、誕生日に酌み交わしたウイスキー、そして最後にかけられた「またね」の一言――。山崎さんが語る志村さんとのかけがえのない日々の続きは、月刊誌『ラジオ深夜便』8月号をご覧ください。
8月号にはこのほか、連続テレビ小説「風、薫る」原案で作家・歴史社会学者の田中ひかるさんのインタビューを掲載。また、自然と一体化する“地域創生アート”を手がけてきたディレクター・北川フラムさんのインタビューも、カラー写真とともにご紹介しています。

購入・定期購読はこちら
8月号のおすすめ記事👇
▼大いなる背中、志村けんを追いかけて 山崎まさや
▼〈風、薫る〉で注目! 看護の礎を築いた女性たち 田中ひかる
▼5号連続企画「『深夜便』で読む戦争」❶
講談で伝える戦艦「大和」の最後 里見まさと(ザ・ぼんち) ほか