何度も食べたくなる家庭料理で人気の料理家・栗原くりはらはるみさん(79歳)。料理はもちろん、そのおしゃれなライフスタイルも注目されています。夫に背中を押されて料理家の道を歩んだ栗原さんは、今もたくさんの“やりたいこと”を見つけながら、充実した毎日を送っています。

聞き手 吾妻謙

この記事は月刊誌『ラジオ深夜便』2026年9月号(8/18発売)より抜粋して紹介しています。


夢がかなった! 探査船での食事作り

──これからやりたいことを、スマートフォンのメモにどんどん書いていってるそうですね。

栗原 2019(令和元)年に夫が亡くなって、私があんまり泣いているから息子(料理家の栗原心平さん)が心配したんでしょうね。あるとき「やりたいことあったら100個書いてよ。俺全部つきあうから」って言われて。それがすごくよかったんですよ。やっぱり思っているだけじゃなくて書いてみると分かりやすいんですね。

──やりたいことの一部を紹介しますと、「玲児さんが残した言葉を調べる」「玲児さんが私と一緒に行きたかった場所へ行ってみたい」という玲児さんに関することから始まり、「パソコンを学ぶ」「睡眠が取れるためのすべてのことを見つけたい」とか身近なものもたくさん。

栗原 睡眠については本当に悩んでいるんですよ、寝られなくて。何かいい方法があったら教えてください(笑)。

──この「やりたい100のこと」を、今年の3月にNHKの「あさイチ」で紹介されました。それがきっかけで実現した夢もあるとか。「アニエスベーの船に乗って食事を作ってみたい」というのもその1つですよね。

栗原 そうなんです。私はファッションブランド「アニエスベー」のボーダー柄が大好きで。ブランド創設者のアニエス・トゥルブレさんが地球温暖化などを心配して、タラ号という探査船のプロジェクトを立ち上げ、科学者を乗せて世界中を航海しながら研究しているんです。いつかタラ号に乗ってクルーの方にごはんを振る舞うのが私の夢になっていたんですよ。そうしたら、テレビを見ていた関係者の方が、「タラ号が8年ぶりに来日するから来ませんか」って連絡をくださって。

──テレビ画面に映った文章から、その一文を見つけてもらえるなんてすごいですね。ちょうど日本に来るなんて、タイミングもばっちり。

栗原 普通ありえないですよね。しかも実現したのは放送の翌月。当日は、酢じょうゆ卵、ポテトサラダ、大きな鍋でカレーなど作りました。全部とても喜んでくれましたよ。揚げたさけにゆずが利いた野菜の土佐酢漬けを載せた料理は日本っぽいのですが、一番人気で完食でした。

※この記事は2026年5月30日放送「福島で出会った人と食材」を再構成したものです。


夫への変わらぬ思いと「やりたい100のこと」の実践――探査船・タラ号での食事作り、ライブを目標に続けるギターへの挑戦、そして「嫌なことが一つもない人生」を目指す前向きな生き方など、栗原さんのお話の続きは、月刊誌『ラジオ深夜便』9月号をご覧ください。
9月号にはこのほか、5号連続企画「『深夜便』で読む戦争」の第2弾、陸軍整備兵として特攻隊員を見送った104歳の僧侶・三田村鳳治さんのインタビューを掲載。また、世界有数の伝統芸術である“アラビア書道”の第一人者、本田孝一さんのインタビューも作品のカラー写真とともにご紹介しています。

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