水彩で柔らかな世界を描きだす柴崎春通さん(78歳)。その画業は半世紀にわたり、絵画講師としても活躍しています。
「絵を描くことは自分と向き合う特別な時間を得ること」と語る柴崎さんの“絵を描く喜び”とは。
聞き手 室由美子
この記事は月刊誌『ラジオ深夜便』2026年2月号(1/16発売)より抜粋して紹介しています。

そうだ! 東京で絵を勉強しよう
――柴崎さんが本格的に絵の勉強を始めたのは?
柴崎 シバサキのうちは千葉の農家で、田んぼもやれば牛や豚も飼っていました。もともと絵を描くのが好きでしたが、小さいころは着物に草履で近くの野山を走り回ってましたね。
本格的に絵を始めたのは高校卒業後です。友達が東京に行くと聞いて、「俺も行ってみたいな」って。でもそれには理由がいる。「早く一人前になって親を楽させたい」とも思ってたので、親を見捨てて東京に行くなんて言えなくて……。
だけど、田植えの最中にボソッと「絵を勉強しに東京に行ってみたいんだけど」ってつぶやいたら、意外にも父が「すぐ行け」と言ってくれて。
――そうだったんですか!
柴崎 恥ずかしいほどいいかげんなきっかけだったんです。それで荷物をまとめて上京して、知り合いの家の三畳一間で暮らし始めました。
――70歳でインターネットのYouTubeを始め、初心者にも分かりやすい描き方を発信されています。動画で「みんな、調子はどう?」って優しく話しかけてくれて。
柴崎 最初は「絵を見てほしい、描く楽しさを伝えたい」と思ってたんですよ。でも、ふたを開けてみたら人生相談みたいなコメントがいっぱい来て。きっと皆さん、自分のじいちゃんと話してるような感覚なんですよね。だからシバサキもいつの間にか自分の体験を話したり、皆さんの話を聞いたりするようになっていきました。
【プロフィール】
しばさき・はるみち
1947(昭和22)年、千葉県生まれ。講談社フェーマススクールズの絵画講師を務め、2001(平成13)年文化庁派遣芸術家在外研究員としてアメリカ留学。「3か月でマスターする絵を描く」(Eテレ)に出演。YouTubeチャンネル「Watercolor by Shibasaki」の登録者数は200万人以上。
※この記事は2025年10月7日放送「絵を描くことは人生の喜び」を再構成したものです。
高校卒業後の専門学校時代や、大学入学試験での面接エピソード、柴崎さんが考える“いい絵”についてなど、お話の続きは、月刊誌『ラジオ深夜便』2月号をご覧ください。

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